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ガランとした西日が入る焼肉屋の片隅で、窓際のテーブル席に向かい合い、二人の男が食事をしていた。
「で?ソノタはどうしたいん?」
店の奥側の男が口を開いた。
「どうすっかなぁ……松ちゃん先輩ならどうすんの?」
入り口側の若いソノタと呼ばれたは、テーブルに突っ伏したまま、言葉を投げた松ちゃん先輩にたずね返した。
「だから、ちゃん付け先輩付けはやめれって」
松ちゃん先輩は冷麺の中に残っていたキムチを口にした。
「……」
白菜を噛んで飲み込み、松ちゃん先輩は再度、無言のソノタに言葉をかけた。
「潮時なんじゃね?ここでソノタは新しいステージに駈け登るんだ絶対……きっと……たぶん?で、ニュー太宰其太として返り咲くんだよ」
コップの水を飲み干し松ちゃん先輩が言った。
「それに、次の仕事も一本紹介されたっつってたじゃん」
言いながら、ジャケットの胸ポケットから口臭対策タブレットを取り出し、松ちゃん先輩は何粒か噛み潰した。
ゆっくりと体を起こし其太は松ちゃん先輩を睨みならが言った。
「松常信夫様は俺の事オモチャぐらいにしか思ってないでしょ」
「フルネームもやめれ。様も」