50 愛の告白はこうするんだ!(Ⅰ)
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今日も快晴、木曜日。
青空の下を歩きながら、ボクは清々しい気分と共に大きく伸びをした。
「本来梅雨のはずなんだけど、晴れが続いてるな」
今年の夏は水不足になりそうで、晴れ続きもまた心配だが。
まぁ、それでも週末までは晴れが続いたままでいてほしい。
あと三日と迫ったXデー。
室内施設で遊ぶから天気の影響自体は少ないかも知れないけど、どうせなら晴れの方がいいにきまっている。
それにボクの方も、そろそろ週末に向けた準備が各種取り揃ってきた。
「昨日何もなかったから準備捗ったな」
いや、本当に。
何故か昨日は、ここ二ヶ月くらいの中で一番何もなかった日ともいえなくない。
紫波雪風に起因するトラブルは無し。
キノと宮古くんは放課後になるや否や即刻居なくなる。
他の攻略対象には特に異変なし。
キノと宮古くんに関しては、以前に「近々ソシャゲのレイドイベが」云々言っていたからソレ関係かな?
あの二人は共通の趣味があるおかげで、中々関係の進展が早い気がする。
これは、宮古ルート確定かな。
そうなれば、あとは紫波雪風にのみ注意すればいいだけだから、だいぶ楽になるなぁ。
「まぁ、その紫波雪風が一番やべぇんだけど」
ベストな展開はXデーを機会に紫波雪風を排除し、キノと宮古くんをくっつけて宮古ルート入りさせちゃうことか。
何事も順調にとは行かない可能性もあるが、それでも最善は常に目指すべきだ。
そんなことを思いながら校門を潜り、正面玄関を入る。
そういえば、何故か今日は登校中に誰とも会わなかったな。
いつもなら、キノか宮古くん、もしくは両方に会う機会が多いのに。
ーーまぁ、そんな日もあるさ。
「取り敢えずこのまま、日曜日まで何事も起こらないといいんだけどなぁ」
ヒヨッた事を呟きながら、下駄箱の蓋を開ける。
ーーすかさず閉めた。
「ーーんんん???」
何か一瞬、変なモノが見えた気がする。
いや、まさかまさか。
ラブコメ主人公であるまいし。
こんな展開が、現実にあるわけがーー。
「ーーあるかもしれない」
TS乙女ゲー転生という特大の
あれよりあり得そうな事態は、総じて
そっともう一度蓋を開ける。
中には見慣れた上履き、だけじゃなく。
見慣れない一枚の手紙らしき封筒。
しかもその封は、赤いハートのシールでされていた。
「
明らかなラブレターの存在に、思わず現実逃避したくなった。