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48 愛の告白ってどうするの?(Ⅱ)

 ▽▲▽


「ーーえ、待ってどういう状況コレ?」


「僕も聞きたい」


「私も聞きたい」


 放課後。

 杖助くんが話し合いの場として指定してきたとある喫茶店にて。

 遅れて到着した私とアヤメちゃんを待ち受けていたのは、(くだん)の中心人物である杖助くんと、世界の中心人物である月乃さんだった。

 立ったまま話を続ける訳にもいかず、私たちも彼らの対面に座る。


 ーーなんで?


 まず頭の中に疑問符が。

 メインの攻略キャラ同士が、何故別のキャラへの恋愛相談をしていたのか。


「えっと、こちらの滝沢さんにはだいぶ前からちょっと恋愛相談に乗ってもらってまして」


 杖助くんがそう言って月乃さんを紹介する。

 彼はこの場を支配する謎の気まずさには、気がついていないっぽい。

 何故か最近、私から逃げ続けていた月乃さんもこの場から逃げるのは状況的に厳しそう。


 つまりは、チャンスでは?


「それでは、オタクくんの初恋成就に向けた第一回作戦会議を始めましょう」


「え、べ、別に初恋だなんて一言も言ってませんが!?」


「どーせ初恋でしょ、そんな顔してる」


「解せぬ」


 まぁ、そんなこんなで話し合いを始めよう。

 こちら側が杖助くんに提示する作戦は前にも言ったように。


「シンプルな状況とシンプルなセリフで告白するのが一番。凝ったシチュエーションやサプライズは不要だと言うのが、検察(こちら)側の主張ですが如何でしょうか」


「ーー理由を聞かせてもらってもいいかな?」


 こちらの話に月乃さんはキラッと目を光らせて、追加で説明を要求してきた。


「告白シチュを盛るのは、魅力ブーストであり自分を故意に本来より大きく見せる行為! 自分の魅力を盛って、付き合ったあとにガッカリされる可能性が高くなりますわ!」


 私の主張を黙して聞く月乃さん。

 これは彼女の賛同も得られるか、そう思った次の瞬間。


「いえ、違うわ紫波さん。私は、告白シチュは俄然盛るのが良いと思う派閥よ」


「なん、だ、と?」


 ここにきて、予想外の意見が飛び出した。

 私の意見が間違えていると、彼女は自信満々で(のたま)う。


「女の子というのは"自分の為に相手がどれだけの事をしてくれるのか"で、相手の好意の強さ本気さを測る生き物! 告白シチュが凝っていれば、それだけ本気だと相手に伝わると同義! つまりはそれは魅力ブーストに非ず! 貴女の論は的外れと言わざるを得ないわ!!」


「ぐはっ!」


 月乃さんのその反論は、私の脳天を揺らす特大のアッパーカットとなった。

 ここで、私は思い知る。

 彼女は乙女ゲームのヒロイン。

 つまりは、ある種のナチュラル恋愛マスターであるということにーー!

 

 敵は強いが、負けられない。

 私も次の反撃を考え始めた。







「ーーなんか逆転○判的なの始まりました?」


「始まっちゃいましたねぇ」

告白シチュは盛る派、それともシンプル派?

良ければ感想に意見をお聞かせ下さい。

今後の展開の参考にさせていただきます。

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