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4-11 裏オークション 王都ラシアユ

ご指摘があり、自分も納得がいかないため全体の貨幣価値の調整を行ないます。

結果はまた後日の投稿で行ないますが、全体的に貨幣価値のインフレ、値段設定が甘いので今一度見直そうと思っています。


ですので、明日投稿予定だったものを今日アップし、少し調整のお時間を戴きたいと思います。

銅貨、銀貨、金貨、その他の値段設定も大きく変わるかもしれませんので、よろしくお願いいたします。


後半部分を大きく修正しました。

さあようやくやってまいりました王都ラシアユでございます。

いやあ凄いねえ。

何が凄いって美人が多いのなんの。

まあ、ウェンディとかアイナを見慣れている俺からしたら物足りないのは当然ながらそれでも美人でお洒落な女の子率が高い高い。


それと隼人の人気の凄さね。

門兵とのやり取りなんだけどさ。


『こ、これはハヤト様。お帰りなさいませ!』

『うん。ただいま。あ、先触れで館に連絡してもらえるかな?』

『かしこまりました! そ、それとその、この剣の鞘にサインをいただけませんか?」

『サイン? 剣の鞘に?』

『はい! 自分はいずれ騎士団に入りたいと思っており、英雄たるハヤト様のご加護をいただきたいのです!』

『えっと、僕はそんな凄い人じゃないんだけど、でも慕ってくれてありがとう。これでいいかな?』

『あ、ありがとうございます! 一生大切にします!』

『いやいや、剣なんだから使わないと……』

『『『キャーハヤト様ー!!』』』

『あはは、こんにちは』

『『『『『キャーー!!』』』』』


って感じである。

もうね、ハリウッド俳優来日かってくらい。

空港にファンが押し寄せるって感じで、衛兵が出てきて馬車の道を確保するまで動けなかったからね。

そうなると当然隼人にしか目が行ってなかった門兵も俺に気がつくよね。


『えっと、そちらの方は……』

『彼は僕の友人です。とても大切な人なので、困っていたら助けていただけると助かります』

『ハヤト様のご友人……。わかりました! 何かお困りごとがあればすぐ駐屯所やこちらの衛兵所までお越しください! 最優先でお手伝いいたします!』

『ああ、ありがとう……。えっと、隼人様?』

『ちょっと、やめてくださいよ。イツキさんは今までどおり呼んでくれてかいませんから』

『いや、この空気で呼び捨てはちょっと、キャーキャー言ってるのに殺されかねん』


今もほら、こっち見てひそひそ話してるし。

やだなー……。大人しく王都を観光したり、満喫したいんだけどなあ……。


『そちらの美しい女性方は皆ハヤト様の新しい良い人たちでしょうか?』

『いえ、彼女達はイツキさんの良い人ですよ。とても大切にされています』

『……もしかして隼人様のご友人の方も貴族様でございましたか?』

『かしこまらなくていいよ。俺はただの平民だから』

『ただのじゃないですよ。レインリヒ様のお弟子さんなんですから』

『なんと! では貴方があのお噂の! 『超常のレインリヒ様』が弟子を取られたとはお聞きしましたがまさか事実とは……』


ああ、こっちでは二つ名で呼ばれているのねレインリヒ。

王都でも名が浸透しているとは流石だ。


と、こんな感じで、王都に入るときは苦労したのだった。


王都に入ってからも馬車を取り囲む民衆の圧は変わらず、近づかないように衛兵が護衛しながらゆっくりと馬車を進ませていった。

その間、俺は大人しく荷台に引っ込み御者台にはレティ、クリス、隼人に座ってもらった。

人の視線が苦手、というわけではないのだが限度がある。

隼人と同じ、この世界では珍しい黒髪黒目の男。

当然疑問の視線が突き刺さるのはわかる。

だから早々に引っ込ませてもらったのだ。


「ふう」

「お疲れですねご主人様」

「ああ、隼人の人気がここまで高いとはな」

「隼人様大人気なのです! シュパリエ様とご婚約なさってから是非愛妾にー側室にーと、ひっきりなしにお見合いのお話が来るのです」

「極めつけは隼人の子だと言って子供を連れてきた婦人がいた。どうみても、子供の年齢が隼人と数歳しか違わないのに」

「すげえのな……」


はあ、出来れば馬車から王都の町並みを眺めつつ隼人の屋敷に向かいたかったんだけどなあ。

服屋とか道具屋、興味の引かれる店を先にチェックしておきたかった。

なんせこの王都はアインズヘイルよりも広いからな。

端から端まで見ていたら何日かかることやら。

正直長々と王都にいるつもりはないのだ。

旅は楽しいけれど我が家が一番なのは変わらないのである。

それに、帰ったら二階の改装も終わっているだろうしそうなると更に細かい道具を買い足さないと。

あとは新スキルの実験もしたいし、などやらないといけないことが多いのだ。


まあでも、せっかくきたのだから思う存分満喫しようと思うけどな。

目的はオークションだが、それだけじゃ勿体無いし。

せっかくだし王都での流行の品なんかも見ていくとしよう。


隼人の館につくと、まず驚いたのがその大きさ。

俺の家が4つきっちり入るんじゃないかって程の庭と、その先にある本館。

流石伯爵様、すごいところに住んでるんだな。


「おかえりなさいませハヤト様」

「ああ、ただいまフリード。変わりないかな?」

「ええ。本日までにお見合いの申し込みが218件、ハヤト様との子だと認知してほしい旨が12件、ハヤト様に雇われる為にやってきた騎士や冒険者が345件でございます。それと、国王様より帰還後にすぐ城に来るようにと仰せつかっております」

「そっか。えっと、じゃあ」

「お客様のご案内はお任せください。それと、ご指示通り申し込みを却下しておきました。伯爵家以上の貴族様への返答は保留としています」

「うん。ありがとうフリード。流石だね」

「いえ。これもハヤト様の人徳故ですので」

「それじゃあ僕は王城に行ってくる。イツキさん申し訳ありません」

「いや、王様が呼んでるならいかなきゃまずいだろ? 俺らは適当に近場を散策するくらいだから気にしなくていいよ」

「はい! 案内ならフリードがしますので! 他に必要なものもあれば言ってください! あ、あとオークションは明後日ですので!」

「ああわかった。明後日は空けておく」

「付き添いは二名までですので! それでは失礼します!」


そういうとハヤト達はもう一度馬車に乗り、王城へと向かっていった。


「クリスは行かないのか?」

「私は奴隷の身分ですから。ミィさんとエミリーさんは護衛として、レティさんは貴族として行っているのです。そして、私には重要なお仕事がありますので」

「ああ、早速試すのね」

「はい。せっかくですのでお夕食に間に合うように試してみたいのです」


クリスにはアイスの作り方を教えてある。

家につくなり試してみたくなっているのは、偏に隼人の喜ぶ姿を見たいが為であろう。


「それでは失礼いたします」

「出来たら俺にも食べさせてくれな」

「はい勿論。お兄さんにもアドバイスを戴きたいので、よろしくお願いします」


そういって一礼し、クリスは多分厨房の方へと歩いていった。


「改めましてお客様、私隼人様の下で執事長をさせていただいておりますフリードと申します」

「ご丁寧にどうも。隼人と同じ【流れ人】のイツキです」

「ありがとうございます。この館にいる以上ハヤト様のご友人であられる皆様はお客様ですので、どうぞご遠慮なく私やここにいるメイド達にお申し付けください」

「私は、ご主人様の奴隷なのですが……」

「ハヤト様がお連れになられた以上、皆様全てお客様でございます」


リアル執事格好いいなあ。

ピシってしてて、所作が上品だ。


「それではお客様、まずはお部屋にご案内いたします」

「あの、すみませんフリード、さん?」

「敬語は不要でございます。私の事はフリードとお呼びくださいませ」

「ああ……。じゃあフリード。失礼かもしれないんだけど、フリードって何族?」


老紳士な執事。

それはわかるんだ。

ただ、でかいのである。

身長2m20? いや2m4、50cmくらいあるだろうか。


「私は巨人族と人族のハーフでございます」

「へえ。他種族でも子供って出来るんだな」

「他種族、といいますか同族と人族との間にだけ子供が生まれるのです。そして人族と交わり生まれた子供はハーフと言われています」


なるほどなあ。

そうなると純粋な巨人族って一体どれほどの大きさなのだろうか。

それにあまり大きいと人族とまぐわえるのか?


「……気分を害されましたでしょうか?」

「え、なんで?」

「いえ、本来ハーフは同属にも人族にも嫌われる半端ものでございますので」

「そうなんだ」


ハーフねえ。

ハーフエルフは嫌われるみたいなのは聞いたことがあるけど、他種族もそうなのか。

元の世界だとハーフは美人で人気が高かったけどなあ。


「……ハヤト様と同じ反応なのですね」

「ん?」

「いえ、なんでもありません。それではこちらです」

「ああ、うん。ついてくついてく」


隼人と同じ反応ねえ。

まあ同じところから来たし、半端ものだから嫌われると言われてもピンと来ないよね。

どう見たって優秀な執事さんだしね。

これは隼人から留守を任されるってのも頷けるもんだ。


「こちらが皆様のお部屋となります。あいにく、現在お貸しできるお部屋がこの三部屋となっておりまして、ベッドを二つずつ置かせていただいたのですが、申し訳ございません」

「いやいや。このレベルの部屋を用意していただき感謝の言葉しか出ませんって……。それにしても凄いな……」


まず広さ、俺の家のリビングより広い。

それにベッドが見ただけでふわふわだとわかる。

さぞかし寝心地もいいのだろう。

豪華絢爛、というわけではないのだが飾られている品々が高級感を漂わせている。


「部屋の外に常にメイドが待機しておりますので、なにか御用の際はお申し付けください。私に用がある場合はこちらのベルを鳴らしていただければすぐに馳せ参じます」

「わかった。何から何までありがとうございます」

「敬語はいりませんよ。お出かけの際は馬車を用意しておりますので。それでは、失礼致します。ごゆっくりどうぞ」


そういうとフリードは頭を下げたまま部屋の外に出て行った。


「それじゃあ部屋割りを決めるか。2・2・2でいいよな」

「ええ、それで? どうやって決める?」

「はい! 私がご主人様と同じ部屋が良いと思います」

「冗談。シロが適任」

「今回はくじ引きな」


鉄のインゴットから作った棒を6本取り出し、彫刻刀で傷を付けて目印をつける。

ゴルフのオナーを決める棒を参考にしたものだ。

これで3組のペアが出来上がるはずだ。


「それじゃあ恨みっこなしの一発勝負な」

「……わかりました。これでご主人様への愛を証明いたします」

「それならシロが負けるわけがない」

「はいはい。ほら、さっさと引きましょうよ」


俺が棒の先を掌で隠し、すり合わせるようにシャッフルをし、それぞれが棒を一本手に取り引き抜いた。


「一本です!」

「二本!」

「あ、私二本だわ……ってシロとね」

「自分は一本っす! ウェンディさん怖いから睨まないでほしいっす! 運なんすから仕方ないじゃないっすかー!」


ウェンディとレンゲ、シロとソルテか

ということは、


「私、か」

「ああ、よろしくな」


アイナか。

まあベッドは離れているし、何かするつもりも無いのだが、少し緊張するな……。


「アイナさん! 私と交換してください!」

「ダメ。するならシロと」

「こらこら。決まったんだから口ださないの。二人はまた今度な」

「「むぅー」」


二人してむくれても駄目なものはダメだ。


「やたっ! やったぁぁ」


小さくガッツポーズをとっているアイナから、一体誰がその権利を奪えるというのだろうか。

こうして、無事? に部屋決めクジ引きは終わったのであった。

追記

いっそのこと、通貨単位を貨幣からオリジナルに変えたほうがわかりやすそうですかね。

細かい値段設定もしやすいですし、ちょっとこちらも検討してみます。

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