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3-16 マイホームマイライフ レンゲと

昨日は出かけていたため投稿できませんでした!

申し訳ない!

結局昨夜はシロとの約束を守りシロとウェンディと三人で寝る事にした。

理由はこの家にはベッドが3つしかないので、アイナとソルテ、それにレンゲが寝るベッドがなかったからである。


まあ三人は元々泊まっていた宿に帰しても良かったのだが、お風呂から上がるとソルテがソファで寝ていたのでそのまま泊まってもらうことにしたのだ。

だがこれから6人で暮らすことを考えるとベッドも新しく買わないといけないな……。

俺のベッドで三人は寝られるが、正直な話夜の事も考えると勘弁願いたい。


昨日は何もなかったがこれから先無いなんてありえないしね。

なんだか異世界でスローライフというか異世界でエロイライフになってきている気がしなくもないな。


……さて、それじゃあお金もまだまだ必要だし朝早いけどお仕事しますかね。

お昼過ぎからまったりできるように頑張ろう。


まだ寝ているシロとウェンディを残してリビングに出るとそこにはもう一人朝早く目覚めている子がいた。


「あれ? ご主人朝早いんすね」

「そっちこそ。まだ寝てていいんだぞ」


レンゲはソファーで横になったままこちらに話しかけると、身体を起こして俺の座る場所を空けてくれる。

俺は空けられたソファーに座るとレンゲがなにやら真剣な表情に変わった。


「あの、ご主人。改めてありがとうございました」

「ん? 昨日の風呂で身体を洗ってあげたことか? こっちもいい思いしたからな。次も頼むぞ」

「それじゃないっす! いや、またしてもらうのは別にいいんすけど」

「ほう。そんなに俺の顔をふとももで挟みたいのか」

「ご主人はどうしてそんなに残念なんすか……」


失礼な。

変態だとは自分でも思うが残念だとは思わない。

あ、嘘ごめん。残念かもしれない。


「もう違うっすよ。私を助けてくれた事っす」

「ああ、まあうん。気にすんなよ」

「そういわれても、実際本当に感謝してるんすよ」

「俺だって感謝してるさ。いいもんみせてもらったしな」

「だから……。はあ。もういいっす。ところでご主人はどうしてこんなに早く起きたんすか?」

「いやー。ベッドが足りないなーって思って、その為に仕事をしようかなと」

「仕事っすか? ご主人って錬金術師っすよね? そんなに儲かるんすか?」

「まあそれなりに?」


一般的な収入がどんなもんかも知らないしな。

でも結構儲かってる方なのか?

金貨とか結構簡単に手に入るしな。


「ああ、あと俺流れ人だから」

「そうなんすか? 流れ人っていうとなんか特殊なスキルを持ってるって聞くっすけど、ご主人も持ってるんすか?」

「あるある。見てみるか?」

「危なくないんすか?」

「いや全く。『お小遣い』」


『お小遣いのスキルレベルが 3 になりました』


お。

掌の上に複数枚の金色の硬貨がゆっくりと舞い降りてくる。

ついにレベル3か。

今までは金貨で一枚だったのが、今回は1、2、3、4、5枚。

金貨5枚も貰えるようになった!

つまり、一日50万ノール!


「なんすかそのスキル! 金貨が落ちてきたっすよ!」

「へへーいいだろう」

「羨ましいっす! それどうしたら私も使えるっすか!」

「まあユニークスキルだから無理だと思うぞ」

「えー欲しいっすー」

「まあ俺からならお小遣いはあげるからそのお金で買い物しろよ」

「え、お金貰えるんすか? 私犯罪奴隷っすよ?」

「ん? 犯罪奴隷って賃金貰わないの?」

「貰えないっすよ……。昨日のご飯も最後の豪華な晩餐だと思っていっぱい食べてたんすけど……」


ええ……。

もしかしてだから三人ともパンパンになるまで食べてたのか?

そういえば犯罪奴隷って娼婦になるとか、使い潰す事を前提に購入することが多いってヤーシスから聞いたな。


「まあ奴隷としては扱うけど、犯罪奴隷として扱う気はないから安心しろよ」

「でもそれじゃあけじめがつかないっす」

「んー。じゃあ娼婦みたいに扱うか? そうなるとこの家にいる間は服を着させるつもりはないな。二足歩行も禁止だ。常に尻を振り、媚びたような視線を俺に強要しろと?」

「そこまでは言ってないっす!」

「俺もさすがにそこまでしたら自分を疑うわ」


これじゃあ鬼畜な変態じゃないか。

俺は紳士な変態だ。勘違いしないでいただきたい。


「まあいいだろ。別にどう扱おうがそれこそ犯罪奴隷ならば俺の勝手だろう? ご飯を食べるのも、冒険に行かせるのも俺の自由だ。俺達に危害を加えない、余計な面倒を持ち込まなければそれでいいさ」

「冒険、まだいけるんすか?」

「犯罪奴隷になってもギルドって退会させられないよな? なら材料収集も頼むし、これからも行ってもらうぞ」

「えっと……。それって今までと何か変わるんすかね? 家があってご飯があって、普段よりいい生活に格上げされただけなんすけど……」

「その分頑張ってもらうさ。知っての通りエロイことも俺は大好きだからな!」


対価がエロって人として俺最低かな?

万引き少女に『わかってるね?』とかいう店長みたいだ。

あれ、そう考えると俺最低じゃね?


「はぁ、それは昨日たっぷりと知ったっす。でもまあもう全部見られてるっすしね! 今更他の誰かってのも考えられねっすし、諦めて覚悟を決めておくっす」


諦めと、自嘲を織り交ぜたような微妙な顔で答えるも、最後はいい笑顔になったレンゲ。

では早速だが一つ頼みごとをしよう。


「じゃあ早速だが一緒に錬金室に来てくれ」

「え゛……。いきなりっすか」

「いいからいいから」

「だからご主人は顔で何を考えてるかすぐわかるんすよ! 顔がエロ怖いっす!」


なに大した事じゃないさ。

俺がクソ眠い朝っぱらから快適に仕事ができるように協力願うだけだ。

という事でやってまいりました錬金室。

ガチャリと鍵を内側から閉める。


「なんで鍵を閉めるっすか?」

「いいからいいから」

「物凄く不安なんすけど……。あと自分初めてなんす……」

「とりあえずソファに座っててくれ」


机の上に今日使う道具を一度出す。


「え、道具使うんすか!?」

「まあこれがないと出来ないしな」

「出来れば優しくノーマルなのを……」

「これとこれと……、あとはこれもいるな。んー……ああ、アレも試してみるか」

「ううう……聞いてないっす。できれば初めてはベッドが良かったっす……」

「んじゃ早速始めるか」

「っす……。よろしくお願いするっす」


レンゲを端に座らせ、俺はレンゲのふとももに頭を乗せる。

おおう。この膝枕は最高や! 最高やで!!


「え……?」

「ん?」

「あの、えっと、なんすかこれ」

「膝枕だが?」

「はぁ、いや、え? これだけっすか?」

「お、おう」

「はぁぁぁぁぁー……。物凄く緊張した自分が馬鹿みたいっす……」



一体何を想像していたのだろうか。

俺はただ膝枕をされながら錬金作業をしたいと思っただけだ。

普段ならシロが膝の上に乗っているのだが、今日はまだ寝ているからな。

最近はシロの重みを感じながら仕事をしているのが落ち着くのだ。

多分人との触れ合いが安心するのだと思う。

シロも邪魔をするわけでもなく膝に乗って俺の手元を見ながら脚をぶらぶらしたり、よりかかったりしているだけだしな。


「んん? エロイことをされると思ってたのか?」

「そりゃご主人の目がエッロエロなときの目と同じだったっすもん」

「そうか……。じゃあ期待に応えて下を脱」

「あ、大丈夫っすよ! ほらご主人も錬金に集中しないとっす」


勘のいい犬は嫌いだよ。

せっかく夢の下半身裸膝枕を堪能しようとしたのに。

ただ間違いなく錬金には集中できなくなるので、本末転倒なのだが。

まあ今もレンゲはショートパンツだし生ふとももの膝枕だからいいか。


「それで、何を作るんすか?」

「んー。まあ出来てからのお楽しみってことで」

「錬金をしているところって初めて見るっすから楽しみっす」


とはいっても今は基本的には魔法空間を使って贋作(マルチコピー)が多いから見るものも少ないんだけどな。

ただ、ベースとなるアクセサリーは手形成(ハンディング)で作らねばならないから今日はこのまま手形成をやろうと思っていた。


もう手形成も手馴れて来たな。

アイナやソルテが取ってきてくれた金鉱石や銀鉱石をインゴットに変えてそれらをそのまま細く伸ばして組み合わせてブレスレットを作り上げる。

そこに宝石をはめ込んでさらに金と銀で細工を施していくと、完成した。



『金銀細工のルビーブレスレット 耐毒(中)耐魔(中)力中上昇』


まあこんな物か。

最近はこんな感じで簡単にいい性能の物が出来上がるので、それほど凝ったデザインはしていない。

それでもそれなりの効力を持っているのは材料と錬金レベルが高いからだろう。


「はー。あっという間なんすね」

「まあ慣れたしな。ほれ。これはレンゲにプレゼント」


そういってできたばかりのブレスレットをレンゲに手渡す。


「え、いいんすか? 随分と高い材料をお使いになってたっすけど」


まあ、売るなら80万ノールは固いんだけども。


「まあ他の奴らも俺のアクセサリー持ってるのにレンゲだけ持ってないのもな」

「おー。じゃあせっかくなのでいただいちゃうっす!」


早速嬉しそうな顔をしてブレスレットに手を通すレンゲ。

なんというかどんな女性でも装飾品の類は貰うと嬉しいのだな。


「私にこんな高そうなのが似合うっすかね?」

「ん、似合ってるぞ」

「えっへへ。なんかちょっと恥ずかしいっすね」

「まあ喜んでくれたんなら何よりだよ」


能力も上がるしな。

三人に材料収集を任せる以上、俺からはこうしたバックアップで無事に帰ってきてもらうしか出来ないし。

これくらい、やすいもんだ。


さて、それじゃあ錬金を再開しますかね。

レインリヒのところにもたまには卸に行かないと怒られそうだしな。

俺自身に売る為の伝手がないのは、なんとも勿体無いと思うんだが店ってどうやって開けるようにすればいいのだろうか。

いやでも、店を開いたら俺のまったりスローライフがさらに遠のくか。

ならこのままでもいいか。

買ってくれるところは結構あるしな。

それに数を作ればいいだけだ。


「ふんふんふーん」

「ご機嫌っすねご主人」

「枕がいいからな」

「ふふ。ならこれからもこうするっすか?」

「それもいいんだが……」


鍵をかけられている扉の方を見る。


「ご主人様? ご主人様ここにいらっしゃるんですか? どうして鍵を閉めているんですか?」

「主、いるなら開ける。レンゲと何してる」

「ちょっと! あんたレンゲに手を出してるんじゃないでしょうね!」

「お、おい皆。いくら主君でもこんな朝早くから……。いや、しかし」


4人も起きたんだな。

騒がしく俺を探しているようだが、まあいいか。


「え、開けなくていいんすか?」

「まだ錬金終わってないからな。あと二つ作るまではこのままでいいだろ」

「うへえ。知らないっすよ?」

「一緒に怒られてくれ」

「んー。まあそうっすね。なんか今は邪魔されたくないので、ご主人と一緒に怒られてあげるっすよ」


ドンドンドンっと扉を叩く音は続いているが、俺らは二人たわいもない話をしながらアクセサリーを作り続けていた。

流石にシロやソルテが扉を壊そうとした時はこちらが怒ったのだが、扉を開けた後俺がウェンディに無言の視線で責められ、レンゲはシロとソルテの前で正座をさせられる事になった。

それでも、今日の錬金は充実して行えたと思う。

07/02 20:07 誤字を修正いたしました。


誤字多くて申し訳ありません。

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