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銃であること

ひゃあーー受験終わった

(浮いて驚くのは仕方ないだろ・・・・)

「なんじゃこりゃあ!?」

(驚きすぎな気もするが)

「喋る銃!」

(めんどくさいなコイツ)

 熱も冷えて、落ち着きを得た銃は語りかける

(おい 落ち着け)

「うおおっ」

 ポイッ  ガチャン

(痛ぇ クソが 殺すぞ、てめぇ)

「手放しても聞こえる!?」

「制作者が言い出そうとしなかったのはこういうことか!!」

(いうこと聞け、くそ野郎!)

「手が勝手に動いて  うぉぉ!!」

 必死になって手を振って反抗するが、意味はなく、自ら額に銃口を当てたまま手は動かなくなってしまった

 緊張で汗が落ちる。 この世界において、【銃】というものは希少であり、高価であり、認知度が低く、それ故に【銃】の性能や殺傷能力は、ほぼ知られていない。

 しかし、警官は己のカンのみで危険度を察知した。 経験が死の予感を彼の生存本能に訴えていた。

 「わかった・・・」

 彼は落ち着くため、そして死なないために反抗をやめた。

 (コイツなかなか肝が据わってんな・・・)

 「俺はこの町の警察 なかでも凶悪犯に対する部署の隊長をしているものだ」

 (あっそ)  とは言いつつ銃としては次の話題を探すので頭がいっぱいだったのだが

 「俺は何をすればいいんだ?」

 (呑み込みが早いな   流石は警察だな)

 体が銃である故に一人で動くことは勿論 己の不自由なところを理解し始めた。

 まず小さいこと 喋る銃とはいえ大きさとしては目につきやすいレベルの大きさではないこと

 そして大前提であった【銃】自体の存在である。

 それ故に彼は提案する。   (この町で1番偉い奴に会わせろ。 ただ目標以外に知られないようにな)

構想だけはある男 トリリトンボーイ!

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