館へ帰ろう
「うん。これだけ集まれば大丈夫!」
「そんなに小さい火石だけで良いの?もっと大きいのもあるんだけど」
「大丈夫!今は大出力を制御できる魔道具も無いから・・・拳大のものはまた次の機会に」
「あっそ。アルフレッドが良いならあたしは良いわよ」
「助かるよ」
「こらっシュナ!アル様になんて口の利き方を!」
「だってぇ・・・」
「あはは・・・」
私たちは、シュナの案内で火の魔核を採取するという目的を達成!瓶の蓋ほどの大きさのものを100個ほど採取した。拳大のものに関しては、後々感覚を掴んでもらうためと、大きな魔導機械の動力源に使う予定だから置いておく。
「アルフレッド様。そろそろ・・・」
「うん。ヴェル!」
「───だからあれ程・・・っ!はい!アル様!」
「ごめんね話途中で。そろそろお暇させていただくよ」
「そう・・・ですか・・・。しかし、どのようにしてお帰りになるので?」
「一応、飛翔魔法を使おうかと思ってはいるのだけれど」
「でしたらっ!────」
ヴェルの提案で、鳥の姿に変えた彼女に乗って館へと向かった。とても速度が速いのに、風の抵抗を感じず・・・このまま飛んで行けば四半刻で戻れるという驚きの速度・・・。シュナも母の背に乗れて満足気であった。
「ヴェル・・・ちゃっかり館の位置をおさえようとしておるのじゃろう?」
「はて?なんのことです?そんなに疑り深いと殿方に嫌われますわよ。」
「ぬぬぬ・・・」
「わたくしは、アル様が喜んでくださるのであれば如何様にも・・・さぁ!もう直ぐですわね」
「うん!この魔核を使って、生活水準を上げないと。今から皆の喜ぶ姿が目に浮かんでくる・・・楽しみだ!」
此からの発展に思いをはせながら、館へと向かい飛んでいく・・・。飛んでいる間、プルーナさんは大喜びだったけど、ストルネ殿は蒼い顔をし、歯を食いしばり、脂汗を流していた・・・。降りたら先ず、ストルネ殿を労わないと・・・。