城下でお買い物①
漸く城下町で買い物をします。
糎は㎝のことです。
瓩は㎏のことです。
日本語の当て字です。読みづらくて申し訳ありません。
「さてとっ・・・そろそろ準備をしないとね」
「でしたら私もお供致します!お兄様!」
「ありがとう。でも、カレンが居るから。アンナの気持ちだけ受け取っておくよ」
「むぅーーーー」
───さまぁ───ナさまぁー
「ほらアンナ。そろそろ勉強の時間だろ?先生のご迷惑にならないうちに行きなさい」
「・・・はぃ。それでは失礼致します。」
少し納得のいかない様子で、部屋を出て行ったアンナを見送り、アルフレッドはカレンを伴って城下へと繰り出していく。
「ひっさびさの城下だ!いやぁ何時ぶりかなぁ」
「白々しい嘘を。毎日のように抜け出していらっしゃるのに何を仰られて・・・」
「いやぁっはっは・・・バレてた?」
「勿論」
「ははは・・・あっあそこの屋台美味しそうだ!買ってくるから一寸待ってて」
「あっ!・・・まったく…油断も隙も無い」
「おじさん!串焼き2本くださいな」
「ハイよぉ!チョット待ってくれぃ」
(このざわめき、匂い、そして何より宮殿内では感じられない街の活気!イイ!凄くイイ!生きているって強く感じる!)
「へぃお待ちぃ!熱いから気をつけてくれよな!」
「ありがとう!代金はっと…はいっ銅銭貨2枚ね」
「毎度ありぃ!旨いと思ったらまたぜひかってくれよな!」
「了解!!」
「さてさてカレンはっと──」
「良い匂いがしますね。」
「うわぁぁ…カレン!急に後ろに現れるの止めてくれないかい。串焼きを落とすところだったよ」
「ふふっ。失礼致しました。とても美味しそうなので。つい───」
「はぁ──昔からだよね。良い匂いの物を持っていると───」
「昔と今とでは全く違うかと」
「まぁ──昔に比べればね。声をかけてきてくれてるし───」
二人で串焼きを食べつつ、城下町を歩く。姿形を変えているため、一般市民に溶け込み市場内を散策。
「小麦は如何!1瓩、銅銭貨50だよ!買った買った!」
「取れたて新鮮な野菜は如何───」
「うちの果物見ていって!甘いよぉ───」
「届いたばかりの干物だよ!今日は───」
「ボア肉三切れと、カックバードの手羽を──」
「いつ来ても活気がある!人々が笑顔でやりとりをする。素晴らしい!さて。僕も目当てのモノを探さないと」
「───明日には出ますからね。ところで、何を、買う予定なのですか」
「あぁ──。野菜の種とエルフ麦の種籾。あとは保存食かな」
「魔法で種は造れませんからね」
「そういうこと。栽培促進はできても種の創造はできないから。カックバードが先か卵が先かってやつだね───」
雑談をしながら目的地を目指し歩く二人。市場内は生鮮食品や花卉類などその日に使うモノを取り扱う事が多く、常設店舗はほとんど無い。商品を取り扱っている多くは、近隣の農村部からの持ち込みや行商人などである。
市場を抜け、商業区に入ると状況は一変。木の柱と煉瓦で作られた二階建ての建物が軒を連ねる。所謂[商店街]が現れる。
「ここここ!スコットの種屋。ここで買い物をしていこう」
そう言って、小さなベルが付いた木の扉を開けて、カレンと伴に中へと入る。
「いらっしゃい。おぉー!アル!久しぶりだな」
そう言ってで迎えてくれたのは、店の主のスコット。身長は100糎程度のコロポックル族の男性だ。
「スコットさん!元気でした?」
「おうおう!あちこちガタは来ているが元気だぞ!そっちのねえちゃんは、アルの「いえ。私はある────」」
「ちょいちょい!カレンは黙って!スコットさんは余計なことを言わないの!」
そう言って、カレンの口を押さえつつスコットに反論するアルフレッド。小声でカレンに対して
「城下では[アル]だし、せっかく身分を隠しているんだから───」
「アル様。この方は────」
新キャラ、スコットさん登場。はてさて彼は一体どのような人物なのか・・・。