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魔核の行方

「うぅん・・・」

「何処を探しても・・・」

「見当たらないのじゃ」


「ねぇねぇアルくん。魔核ってそんなにすぐ見つかるものなの?」


「うぅん・・・普通の火山だと千に一つの割合だけれど、この火山は違うから・・・」


「千に一つ!?」


「凄い確率ですなぁ・・・」


「あっ!あくまでも、山で自然に落ちている魔核を探す場合ですよ。ストルネ殿。単一属性・・・この様な火山帯や海に棲息する魔物を討伐することでほぼ必ず魔核は手に入りますから。まぁ・・・例外は勿論ありますけどね」


「ふむ・・・ではなぜ、この山では必ずとおっしゃったので?」


「それは・・・」

「この火山が魔脈の集結地であるからです。ストルネ様」


「そう言えば・・・その様なことを以前・・・」


「うん!聞いた!そっかぁ・・・魔力が沢山集まって凝縮されることで、魔核が生まれるんだ」


「そう言うこと!でも・・・」


「なんで、こんなにも見つからないのか・・・だよね」


「うん・・・」


私がすぐ見つかると思って、高をくくっていたのがいけなかったのだろうか・・・。本当は、辺り一面に魔核が転がっていたはずなのに・・・辺りに落ちているのは、黒い石ばかり・・・。ん?


「───!エレン!カレン!」

「どうしたのじゃ?」

「如何致しましたか?」


「これを見て!」


「これは・・・」「あら・・・?」


黒い石に疑問を思い拾い上げて、試しに魔法で研磨をしてみた・・・。ここは火山。黒い石は溶岩が冷えて固まったものとして多く見られるが、この火山は溶岩を陸地に流すことが少なかった・・・にも拘わらず、山の中腹の至る所に黒い石が落ちていた。視野が狭かったらしく、その事に気が付くまで時間を要してしまったけれど・・・。


「これは・・・内部の魔力が完全に抜けておる」

「ええ。外側も巧妙に黒く変化させられてはおりますが、溶岩が冷えて固まったものよりも硬度がないですね・・・」


「うん。私も先入観で、噴火が多い山の山腹は溶岩石が多いと思い込んでいたから・・・発見が遅れてしまった・・・」


「ということはじゃ。山麓に落ちていたあの黒い石も・・・」

「魔力が抜かれた」

「魔核」

「と言うことになるのぅ・・・」


「ねぇ!ねぇってば!3人とも何難しい顔をして話し合っているの!?」


「こらこらプルーナ。儂らは門外漢なのだから、結論が出るまでは首を突っ込んではいかん」


「でも・・・」


「あぁ。申し訳ないです・・・カレンとエレンはプルーナさんに説明してもらえるかな。私はストルネ殿に説明をするから・・・」


「畏まりました」

「うむ!プルーナよ。少し離れた場所で話すぞ」


「うん。それじゃっ提督!」


「うむ。」


カレンとエレンにプルーナさんへの説明を任せ、ストルネ殿と私はその場に留まる形となった。3人は、私たちから見える位置では有るものの、大きな声を出さなければ聞こえない距離に腰をかけて、話し始めた。



「して・・・アルフレッド殿。事態をどう認識されているのですかな?」


「私個人の見解であり、推測の域を出ないのが申し訳ないのですが・・・」


「はい」


「大凡間違いは無いと思われますが・・・魔物の類いがこの島に棲息している可能性があります」


「しかし・・・」


「そう・・・なのです・・・以前お話しした通り、この島の魔物、動物の類いは私が絶滅させてしまいました。それに、魔物からこの島に訪れる巡礼者のための保護結界を展開していたので、島に棲息しているはずはないのです・・・」


「・・・。であるにも関わらず、魔物の存在と推定される根拠は?」


「・・・魔核の魔力が綺麗に抜かれていること。そしてそれが溶岩石に擬態化されていたことです。ここまで高度な隠蔽は、相当知能を持った魔物・・・若しくは・・・」


「───あたしのような神獣にしかできない芸当。よね?」


「「───!」」

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