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拡張工事 ~畑~

「さて・・・と。この棒鋼を地面にさして」


「結構・・・いやっかなり長いねこれ・・・」


「うん。大体15米の高さかな。気温が低くなっても良いように二重の建屋にする予定だしね」


「ほぉえぇ・・・棒鋼がそこまで太くないけれど・・・強度的には?」


「問題ないよ。腐食はしないし折れないし。錆の心配も無い。骨組みは丈夫さ」


「でも・・・」


「硝子に関しては、目途がある程度ついているから心配しないで大丈夫。それよりも苗を植えてしまおう」


「うん」


「アルフレッド殿!蜜柑の苗は・・・同じく温室に?」


「いえ・・・あっでも違いが判る方が良いかなぁ・・・3本を外に・・・えっと畑の海側に植えてください。2本は温室の中に」


「わかりました。その様に」


「アルフレッド様、水路予定地の方はこの辺りで宜しいでしょうか」


「うん!温室内には当然だけど雨水の影響がないからね。終端には排水用の水管を繋げる予定だから少し深く掘り下げておいてね」


「畏まりました」


「アル!糸瓜の苗はどうするのじゃ?」


「そっちは、温室内を分ける用に作った柱よりも西側の区画に植えておいて。そこなら果樹の影響を受けないはずだから」


「判ったのじゃ!」


「アルフレッド殿!蜜柑の植え付けと芒果の植え付けが終わりました」


「わかりました。・・・この水をたっぷりと与えてあげてください」


「わかりました!」


「アルくん!棒鋼を予定箇所全てに差し込んだよ!」


「ありがとう!重かったでしょ?」


「ううぅん!エレンが重力魔法で軽くしてくれたから問題ないよ!」


「良かった!」


「アル!糸瓜の植え付け終わったぞ!」


「そうしたら、そっちにもお水をあげてね」


「了解したのじゃ!」


「アルフレッド様。排水箇所の穴開けも終わりました」


「了解!」


凄く目まぐるしく作業が行われていく。これも誘致地内だからできること。何もかもが高速化している。勿論、私の脳処理も。でないとこれだけの情報量に負けてしまうからね。


『「アルフレッドサマノ ショリノウリョクハ ワタシヨリモハヤイカト」』


「そんなことないよぉ」


『「ムジカクトハ ゲニオソロシヤ」』


「?」


「アルフレッド様。排水設備を整えないと・・・」


「うん。浄水用の魔道具に関しては用意できてる。あとは、管と魔道具、海に流せる場所に設置するだけ。なんだけど・・・」


「何か問題があるのん?」


「うん・・・」


「なんじゃ?何に悩んでおるのじゃ?」


「この辺りは地中をいくらでも掘ることができるけれど・・・街の方は・・・建物が・・・」


「「あぁ・・・」」

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