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国王の私室にて②

前回の続きです。

「驚く其方の顔を久々に見たぞ」

そうアルフレッドに告げながらクツクツと笑う国王。いたずらに成功した。そんな表情を浮かべながらも更に告げる。

「此度の魔王は、其方が《影の英雄》として活躍した先代魔王よりも格段に力が落ちるという。そのようなお告げがあったのだ」


「だっ・・・だからと言って」

アルフレッドは王に食い下がるも、右手を挙げられて二の句が継げなくなる。


「もう・・・良いのだ。アル。幼き日の其方にはずいぶんと無理をさせてしまった」

王は遠い目をしながらもハッキリとした口調で後悔を語る。

「幼子であった当時、神託と言うことで魔王討伐軍に随行させ、挙げ句に一等の功績があったというのに、歴史の表舞台にあげることが叶わなかった」


「しっ・・・しかし、歴史に残さないという考えは、私が望んだこと。目立ちたくはない。そう考えて、当時の勇者に話したのです。父上の責任ではありません!」

歴史に名を残さないという選択を、自分自身で行った。そのように伝えるも、王の表情は晴れず更に王は口を開く。


「影の英雄はまだ良い。しかし、この国の第一王子である其方が、城仕えの者達から《お荷物王子》と呼ばれているのは我慢ならんのだ」

(いやいやいや!父上!それは自分がサボりたいただその一身でやっていることであって、気になさることではないのですよ・・・)


王は、アルフレッドの何とも言えない表情を目にしながら

「だからこそ、其方には勇者がこの城に来た際にいてもらっては困るのだ」

(はぁーーー?なになになに?僕はこの宮殿からだされるの?勘当!?)


王から告げられる冷酷ともとれる言葉に愕然とするアルフレッド。

心の中を見透かしているのかはわからないが、王は追撃をやめない。


「アルよ。腐っても我が国の第一王子。王位継承第一位。と言っても、私の息子は其方一人。あとは姫であり、外に出てしまっているか、王位を継承するには幼い者ばかり。そこで・・・」

(はぁーーー!ここで継承の話!?まだ父上はお若いでしょ?もう少しこの宮殿でゆっくりしていたいのに・・・確かに、魔王討伐に行かなくて良いのはラッキーだけどさッ)


心の中で葛藤している間にも王の話は続いていく

「其方に、このスキル使用板と東方に浮かぶ島を与え、次期王として研鑽を深めて欲しい。人材に関しては、好きな者を連れていくが良い。資金に関しても暫くは援助してやれる。武術に関しては我々エルフ族の中で。いや。人類の中で並ぶ者が居ない其方ではあるが・・・」

(いやっ・・・スキル使用板ってなに?聞いたことないけど。それを使って何をする?その前に、東の島?領地?開発?なにそれ?援助もそんなに期待できないでしょうよ・・・)


王の言葉を飲み込みながらも混乱した様子であるアルフレッド。考えがまとまらない。


「アルのスキルは【都市開発】【領土改革】であったな。スキル使用板を持てば、使えるようになるであろう。」

(ぅぅ・・・父上の笑顔がまぶしい・・・)


「アルよ。何か聞くことはないか。答えられることなら何でも答えるぞ」

王は、笑顔を浮かべながらアルフレッドの様子を窺う。


「でっ・・・では、父上。スキル使用板とは何でしょうか。寡聞にして存じ上げず」

頭がまだ混乱中であり、普段の使うことのない言葉遣いをしてしまう。


「スキル使用板とは─────────────」

物語の基礎部分ここに登場です!長かった。

もう少しだけ続きます・・・。

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