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土地改良②

「───これが?」


「───えぇ。これを・・・すると───」


「ほぉ!───であれば・・・」


「ええ。────も可能ですよ」


「なんと!───できるようになるのか」


「・・・時間はかかりますが。っと。戻ってきましたね。お帰り皆」


「ただいま戻りました」「ただいまなのじゃ」

「もどったよぉ!魔法って凄いね!」


三者三様の返事だね・・・プルーナさんは何か魔法に驚いているけれど・・・


「プルーナ。何が凄いのだ?」


「凄いんだよ提督!エレナさんの重力魔法!」


すっごい早さでストルネ殿まで迫ってた・・・あっ転けた・・・大丈・・・夫だね。ストルネ殿は片手で制してるから・・・何時ものこと・・・なのかな?


「アルフレッド様」


「あぁ!ごめん。重いよね。そこに置いてもらっていい?」


「重さは、先程プルーナが申したとおりエレナが重力操作をしているので感じません」


ん?プルーナ?カレンがさん付けしないなんて・・・まぁ今は気にしなくて良いか。


「そっか。でも、前に後ろに両手まで・・・皆凄い量を貰ってきたね・・・」


「まだまだあるそうじゃぞ?捨てるだけだから、使って欲しいと言われてのう・・・籠ももらい物じゃ。それだけ期待されておるということだとおもうておるが」


「そうだね。その期待を裏切らないようにしないと。プルーナさんもその荷物をここにまとめて置いてもらっていい?」


「はぁい!提督!置いたら話しの続きね!」


最早孫娘みたいな立場・・・ブンブンと振られる尻尾の幻が見える・・・。ストルネ殿もまんざらではないのか。






「───ほいっと!それでアルくん!これをどうするの?」


「さっき説明した通り、海藻は乾燥。貝殻は焼くよ。皆が向こうで選別してくれているから作業もやりやすいしね!ありがとう」


「「「────!」」」


私が笑顔を向けた途端に3人が明後日の方向を向く・・・皆耳が赤い・・・。カレンは何時ものことだから分かるけどさ。他の2人はどうしたんだろう?

まっいっか。


「〖水球(ウォーターボール)〗で全部洗ってと」


「何で洗うの?乾かすのに・・・二度手間じゃない?」


若干耳に赤みが残ったプルーナさんが話しかけてきた。こういう時に目を合わせようとするとよくずらされるから・・・作業に集中しているふりをして答えるかなぁ。


「無駄に感じるかもしれないけど、可能な限り塩分を取り除かないと、作物にあまりよくないから・・・勿論、塩分に強いモノも有るけどね」


「ふぅん・・・」


「しれっと高度な技術を使いおって」


「あっ!エレン!気付いた」


「うっ・・・うむ」


やってしまった。目を合わせた途端にエレンの目が明後日の方向に向いてしまった・・・。気付いてくれたのが嬉しくて・・・つい。いけないいけない。


「ごめん。気を悪くさせて」


「そんなことはないのじゃ!ワシが悪いだけで・・・」


最後の方は何を言っているか分からないけれど、気分を害していないのなら良かった。


「この〖水球〗の中に〖風球(ウィンドボール)〗も入っているのじゃろう?」


「その通り!この中に入っているよ。いやぁ気付いて貰って嬉しい!」


「しっかし・・・呆れた技術力じゃのう」


「そう?これくらいできるでしょう?」


「アルフレッド様。ご自分の尺度で魔法を語らないように。とあれほど言っているではありませんか」


「まぁそうなんだけどさ。エレンならできると思ってさ」


カレンも復活したみたいだ。なんとなく一安心。偶に復活しないときもあるからね・・・。支えようとすると顔を真っ赤にして気絶してしまうし・・・。


「ワシはアルのように話しながらはできん。目の前のものに集中せねば維持ができん」


「そうかぁ・・・まぁ・・・あと5つ稼働させているんだけどね」


そう言って3人の方に向き直すと唖然とした顔が4人・・・あれ?ストルネ殿いつの間に?と言うか驚いて口が開いているよ・・・。


「・・・なんか・・・ごめん。」


「「「「この非常識人め!」」」」


「うぅ・・・そこまで言わなくても・・・傷つくじゃないか」


一寸しょんぼりすると、4人は顔を見合わせてため息をついた。そんなに悪いことしたかなぁ・・・。単純な魔法なのに・・・。

でも、これで準備が整うね。あとは焼きと乾燥と粉砕するだけ。

がんばろう!

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