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父への報告と連絡①

本日もお読みいただきありがとうございます。

やはり宮殿の廊下は無駄に長い!

心の中で愚痴を言いながら歩くアルフレッドとカレン。廊下を巡回している近衛兵を見かけ、声をかける

「今陛下は私室に居られるかな」

「ハッ!ただいま陛下は執務室に御座います」

「そうか。ありがとうグラン。教えてくれて」

「ハッ───でっ殿下。私のなま───」


近衛兵が自身の名前のことをなぜ知っているのかを聞こうとしたときには、アルフレッドはカレンと二人廊下の先を歩いていた。巡回の職務があるため、追いかけて聞くわけにもいかず小首をかしげながらも職務に戻っていく。アルフレッドに尊敬の念を抱きながら─────


「まったく。この方は。天性(てんせい)人誑(ひとたら)しなのですから・・・」

「ん?カレン。何か言ったかい?」

「いえ。何も。ただ、一兵士の名前をよく覚えていたな・・・と」

「あぁ・・・先の大戦の時に参戦していた一人だったから。彼の名前を覚えていたんだ」

「成る程・・・と。言うことは・・・従軍していた全兵士の名前を?」

「そうだよ?一緒に進むなか「着きましたよ執務室に」あぁ・・・うん・・・」

昔語りをしようとしたアルフレッドであったが、丁度国王の執務室に到着し、カレンに会話の腰を折られてしまう。明らかに不完全燃焼であり、恨めしげにカレンを見つめるが、当の本人はどこ吹く風であり、逆にノックを促す目配せをしてくる。

「はぁ・・・うん。切り替えた」

カレンの目線に負けたわけではない。そう自分に言い聞かせ、執務室のドアをノックしようとしたが(ん?防音結界?中に居るのは父上と宰相(さいしょう)枢機卿(すうききょう)?なにを話しているんだ?)

若干の違和感を感じつつも、帰城と明日からの報告をするために、扉を叩いた─────────


本章もそろそろ終わります。次話は少し長い予定です。

よろしくお願いします。

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