輸送問題
知らぬ間に100話です・・・。早いようななんというか・・・。
何時もお読みいただき、ありがとうございます。感想等がございましたら幸いです。
今後とも本作をよろしくお願いいたします。
「─────父さんに連絡をしたいのですが」
「あら。お父上というと今殿下の所にいる?」
「はい!父さんは手紙鳥で知らせてくれたのですが・・・」
「そう言うことでしたら───」
───
────
─────
「おぉ!来たぜ。案外と早かったな」
「えっ・・・昨日手紙鳥を飛ばしたばかりですよね!?」
市場の建設?を行った翌日、館内で商業区に関しての最終打ち合わせをしていたところ、開けていた窓から手紙鳥が舞い込んできた。どうやら鉄の確保に目処が立ったようなのだが・・・。
「目処どころじゃねぇよ。確保できたってよ」
「へ?」
「今後も使うだろうからって100噸。いやっ鋼材とその他も合わせて200噸か」
「えっ!?早すぎません?私が小さかった時は一月ほどかかったような・・・」
「おいおいアル坊。何時の時代の話をしてるんだよ。俺の販路を舐めないでくれや」
「でも、一日って・・・」
「この国にもあるだろう?公共で速達制の手紙を届ける方法」
「まぁ・・・。今舞い込んできた手紙鳥を使ってはいますが・・・それでも王族のみしか使えませんよ?」
「ああ。俺はそれの商会版を持ってるんだ。生憎とその魔法を使える子どもたちが今ここにはいないから、俺は飛ばせんけどな」
「えっ・・・。お子さんは普人族ではなかったのですか!?」
「んぁ!?言ってなかったか。魔族に妖精族にそれこそ半森人族まで保護してるぜ」
「なるほど・・・」
「んまぁ・・・全員拾った街の近くで迷子の調べはしてるんだがな。誰一人として親が見付からんかった・・・。大方、借金関係だろうよ」
「そうですか・・・。しかし」
「だからよ。アル坊に雇ってもらいたかったんだよ。有名になると訳のわからねぇ連中が引き取ろうとするだろう?その点、森人族の王族のもとで働いているとなれば、手出しはしにくいってな」
「とてもお子さんたちのことを愛していらっしゃるのですね」
「あたりめぇよ!皆可愛い俺の子どもたちだからよ!」
「それにしても・・・有能すぎません?」
「親父よりもな!がはは!───ただな、運搬方法が見つからねぇらしいんだ」
「それだけ重いと・・・回数を分けて運ぶかですかね」
「やっぱり難しいか?」
「うぅん・・・。あっそうだ!その手紙鳥をこちらに」
「ん?あぁ。手紙は読んだしな。良いぜ」
と言って、プレズモさんの人差し指に乗っていた手紙鳥を同じく人差し指で橋渡しにして移ってもらう。
「あぁやはり」
「ん?」
「この子は、母上の手紙鳥ですね」
「ほぉ・・・アル坊のお袋さんか」
「ええ。母上。聞こえますか?」
『ええ!もちろんよ!どうしたの?』
「はっ!?えっ!?声がッ・・・」
「あはは・・・この子は特別でして」
『それより、どうしたの?何か問題でも?』
「あぁ・・・えっと、そっちでお世話になってる子どもたちが集めた資材の運搬方法なのだけれど・・・」
『鋼材とか重いやつ?凄いわよね!半日であの子たち依頼された量の倍を集めたのよ!もう驚いちゃったわ!』
「ですから!」
『ごめんなさいね。運搬方法よね。アルの転移陣を使って輸送するのはどうかしら?』
「それですと、運べる量が・・・」
『一層のこと、描き直してしまえば?』
「ですが・・・」
「なぁ。転移陣使っちまおうぜ?アル坊なら描けるんだろ?」
「そうですが・・・。それをやってしまうと輸送体系に大きな衝撃が走ってしまうかと・・・」
「何を今更。この島自体が衝撃で、できてるんだから。輸送体系が転移陣だって問題はねぇだろ?それによ、ヒトを運んだりするわけじゃねぇんだし、もとより輸送事業自体がねぇ島なんだから問題はねぇだろ?」
『そうよ!そこにいる・・・えぇっと・・・』
「プレズモって言いますよ。王妃殿下」
『そうそう!プレズモさんの言う通りよ』
「はぁ・・・わかりました。港近くに描いて、一度王都に戻りますよ」
『うっし!・・・こほん。では、待っているので、早く描いてね?』
「はい。では、この子を帰しますね」
『りょうかぁい!』
「・・・なんて言うか、以外と軽いんだなアル坊のお袋さんは」
「まぁ・・・あれで元騎士団長でしたからね」
「へっ!?」
「まぁそんなことは置いておいて、港の方に行きましょう」
「あっあぁ」
「お出かけですか。アルフレッド様」
「うん。ちょっと港の方に。それと王都にも」
「畏まりました。私も随行しても?」
「うん。じゃぁエレンにも・・・」
「エレンは魔石研究で地下におりますので」
「そうしたら置き手紙をしていこうかな」
「それが宜しいかと」
こうして置き手紙をして、港へと向かった私達。館からは、エレンの叫び声がしたとかしなかったとか・・・。