私がおじさまにキュンッとする瞬間〜性癖を遺憾なく発揮する物語〜

作者: うさみち

 私はちょっと変わってるのかもしれません。


 『男は若い方がいい』とか、

 『芸能人顔がいい』とか、

 そういうのは特にないのです。


 ()()()、おじさまに限って。


 私のおじさまの範囲は人より広く、

 

 だいたい、50代までが『お兄さん』で、

 だいたい、70代までが『おじさま』で、

 それから、80代からが『おじいちゃん』、ですね。


 呼び方に関しては、女性もそう。

 でももう少し範囲を広げて、

 60代までが『お姉さん』で、

 70代からが『おばさま』です。


 この呼び方は、子どもたちにも徹底してます。

 媚びを売るとか、そんなんじゃああああありません。


 どう呼ばれたら、人は嬉しく思うのか。

 それを考えて教育しているわけであります。


 まぁ、教育観念はそうですが。

 例外もありまして。

 横断歩道の前で止まりもしない()()()()()()()、◯◯ヤローさんは、『あんのヤロウ』ですかね。笑

 もちろん、子どもの前では口には出さず心の中で()()()()



 ……さて、本題に戻りますと。


 そんな私が、どんなときにおじさまたちにキュンとするか。

 あるんです。

 ()()()()()キュウン、とする時が。



 ――それは――


 『横断歩道を渡る時』!

 これに尽きます(他にもありますが)。


 『道路交通法』により、

 横断歩道は、歩行者優先であり、運転者には横断歩道手前での減速義務や停止義務がありますね?




 ――でも実際、どうですか?


 一時停止してくれる人って、少なくないですか?


 でも、そんな中……


 ★☆★☆★


(あのトラック、どうせ止まってくれないんだろうなぁ……)


 ――キキーイィィィ!


 と、急ブレーキ。


(いえいえ、先に行っていいですよ!)


 とジェスチャーするも、


「――ホラ、行けよ」

 と言わんばかりにジェスチャーされたら、もう()()()()()()()、ですよ。


 私の心臓は恋する乙女のように高鳴って、キュウウウウウウン、とするわけなんです。


 おじさまにもいろいろジャンルはありますね。


 ロマンスグレーのおじさまが、どうぞどうぞと、ジェスチャーしてくださる時。


 ……たまりませんね。


 サラリーマン風のおじさんが、ネクタイを緩めながら、「いいから早く行けよ」とジェスチャーしてくださる時。


 ……もっとスマイル大事にね! と思いながらも、ありがたく、ご享受いたしますね。


 でも、最強なのは――!


 コワモテ風のおじさまが、キキーイィィィっと大型トラックを止めて「オラ、行け」や「行っていいぜ」や、パッシングしてくださる時。


 ……たまりませんよねぇ!?


 キュウウウウウウンと胸は高鳴り、

(今日の貴方に幸あれ)

 と、願わずにはいられませんから。



 そもそも。

 なんで私がこのような話をするかと言いますと、性癖……いえ、ゴホン。ではなく(嘘です、ほぼ性癖ですゴメンナサイ)。


 小さい子ども二人の手をひいていても、止まってくださらない方、意外と多いんですよね。


 そんなとき、止まって下さったら、おじさまにかかわらず、お姉さまの幸せを、願ってやみません。


 ――どうか一日、幸がありますようにって。


 とこんな話をしている私も、いつか『おばさま』になったときは、キュンとしてもらわねばなりませんね。


 

 では、今日も一日。

 運転手の皆様。

 素敵なおじさま、おばさま。

 ――幸あれ! です。