空から魔法少女
お題の中身はこんなかんじです。
昼行灯の人生が小説になりました。『空から昼行灯』
あらすじ
偶然にもクラス委員長になった昼行灯は、ひょんなことから服が溶けて真っ裸になってしまい・・・
誤字脱字、表現の違いなどの指摘は受け付けています。がんがん受け付けています。
後悔先に立たず、ということわざがある。人生では往々にしてそういった言葉を体験する時が来る。例えばこの私が最近体験したのは、高校を休むべきではなかった、ということだ。世の漫画や小説では休んだ人間にクラス委員などの面倒な役職を押し付ける描写がある。私としてはこれは漫画の中だけの所謂ご都合主義というものだと思っていたし、実際今までの人生でも休んだ人間に押し付けるのは可愛そうだからやめようなどと甘っちょろいことを先生に言われてきた。ただ、高校からは義務教育だった中学までとはまるで違うからねといういつもの脅し文句の通り、私の常識はこれからは通用しなくなるらしい。例えば、休んだ人間に重要な任務を与えない、とか。
――君、クラス委員ね。来週の月曜日に生徒会室に集まるように。え? やだって、休んだ君が悪いのさ。
朝日で照らされた教室の中、いい笑顔と共にそう先生から言われたのは先週だ。初日に張り切りすぎたからか、次の日に高熱を出して休んでしまった翌々日に告げられた。入学式に友達になった子が言うにはクラス委員は大変な仕事が待っているらしい。
受験時のパンプレットや学校のホームページにも乗っていたので簡単に調べたが、たしかに大変そうだった。
――本校では社会貢献と体感、学習のためにクラス委員、各委員長、生徒会役員によって構成されるグループで町内に現れる魔物、フリーク、及びそれに準ずる行動する物体を排除しています。町内警邏には戦闘に耐えられ、指揮できる教員が付いているので安心です。
それがパンプレットの文言だった、気がする。細かいところまで覚えてはいない。が、初任務を終えた私からすると大変とかそんな言葉じゃ言い表せないと友達に言いたい。ついでにパンフレットも教員が付いているから安心ですって、一人しかいないじゃないですか、班行動させるのに一班一教員とかじゃないんですか人手足りて無さ過ぎるでしょう詐欺だ! くらいは言いたい。むしろ引率の先生に言った。「知らね」って何だコノヤロウ、耳糞ほじってんじゃねぇよ。
ついでに、流石に生徒では不安なのか魔法強化の道具をもらったのだがこれがまたひどい。この歳になって魔法少女かよ……そんな感じのピンクのフリフリスカートに変身する道具だ。しかも男子も同じ格好になる。この格好で街を練り歩くとか町内警邏なのに逆に警察に通報されるだろ。さらに、こんなにふざけてるのにむかつくが市販の増幅器より凄まじく性能がいい。さらになんと、変身する時に着ていた服が溶けてなくなる。初めて魔物に遭遇した私は先輩方の指導と言うか命令の元変身して、どうにかこうにか生き残ったのだが戦闘終了後に変身を解いたら生まれたままの姿を晒してしまった。路地裏での戦闘で、見ていたのは先輩方と野良猫だけだったのは幸いだった。なお、警邏中に溶けた服は、学校指定の制服ならただで補充できるそうだ。
……まぁ、それはいい。そんな事実はなかった。変身の仕様についてはクラス担任から説明されるはずとかセオリーは学内で裸になってから変身して変身を解くのは家か学校内部とか、男子は使いたがらないので警邏隊には女の子が多いけども、変身しないで戦う男子もいるとか、むしろ変身したがる男子が居るとかそんなものはなかったと思う。え、今まで何考えてたっけー。
さて、初仕事の反省会は終了だ、私は寝るぞ。ああ、高校入学を機に久々に大掃除をした私の部屋は気持ちいいぞー。昔の憧れた日曜朝に放送されていた魔法少女の人形はダンボールの中だ! ピンクのカーテンとか目に悪そうなのはグリーンにして勉強机の上も綺麗にした。勉強机、本棚とその中の教科書及び趣味の本しか見えないこの部屋こそが私の城だ!
年頃の女の子としては殺風景な部屋だねぇ、とか兄貴に言われたが、これがベストなのだ。
「げっげっげ。おうおう、キレイなチャンネーじゃねぇの。どうよ、これからザギンでシースーでもサ」
目の前に居るのは今退治すべきバケモノだ。骨張った……むしろ骨しかないスケルトンは何時の言葉かわからないような言葉で話しかけてきた。
「む、言葉を解するフリークか。これは手強いぞ。なぁ後輩、流石にこいつ相手に制服はヤバイから変身しとけ」
と、私に声をはけてきたのは三年の先輩だ。ショートヘアで可愛いよりも綺麗な顔をしている。胸はそんなにないが身長が高くて腰回りがスラっとしスタイルがよく、面倒見もいいので女子からも人気が高い。どうも前期は三年生も警邏に参加するらしく私とペアを組んでもらっている。さて、数ヶ月たち十分に経験を積んだと思われる一年生は三年生との二人組で夜の街をさまよっていた。そんな時に出会ったのがこのバケモノ――フリークだ。ちなみに、どう考えても無理があるのに動いているのがフリークで、肉なんかがついてて、頑張れば生きていけるかも、というのが魔物という区分だ。どちらかと言うとフリークのほうが強い傾向にある。
「いえ、人型ならこのままの私でも十分です」
「む、そうか。正直君は僕より強いから従おう。だが、危ないと思ったら変身しろ。僕なら死んでなければ回復できるが、逆を言えば死んでいたら回復できないのだからな」
「おうおうおう、オレっちの相手をするのはそっちの、髪の毛ぱっつんで小ちゃいぺたんこちゃんかーい? オレっちとしてはそっちのキレイなチャンネーに」
ごぼぅ!? とどこから声を出しているのかは知らないが根菜類のような悲鳴を上げるスケルトンは、何か言っていたようだ。吹っ飛んだスケルトンは壁の手前で停止した。
「あれ、おかしいな。何か言った? 上手く聞こえなくて。耳鼻科に言ったほうがいいのかなぁ」
うずくまったスケルトンは腹を抱えながら四つん這いを経由して立ち上がった。はて、私は確実に声を止めるために顔面を殴ったはずなのだが。
「ぺ、ぺたんこちゃーん。ぺたんこちゃんは耳鼻科よりも脳を見てもら」
ごボゥ!? と、再び根菜類を叫ぶ。どうやらスケルトンはゴボウが好きなようだ。今回は後ろが壁だったこともあり跳ね返ってくる。壁当ての要領でさらに一発! そうすると後ろが壁なこともありまた跳ね返ってきた。よってもう一回! さらに、ドローモンスターカード! さらにっと続けたかったが、人体には不可能な動きをしてスケルトンは避けてしまった。私の実家が行っている格闘技はあくまでも人間用なので人間に不可能な動きをされると弱いのだ。
「ぐ、ぐふぅ。ぺたんこちゃんにぺたんこにされるのは……おっとぅ! はは、そう何度もやられ、ぬぅ、ぐ、ふっ、ゴボぅ!」
「避けられるのが予想出来ているなら後に続けられる攻撃をすればいいって言うでしょ?」
「初耳だ、ぜぃ」
何度かボコった後、動かなくなったスケルトンは体の端から崩れて夜へと溶けていく。
「ああ、どうせなら最後は美女の胸の中で果てたかった……こんなぺたんこの拳なんかではなく」
何かを言おうとしたスケルトンの頭を踏みつぶしてとどめを刺す。すると一気に身体全体が崩れて溶けた。先輩は私の後から顔をひきつらせて話しかけた。
「ふ、フリークは死ぬわけじゃないとはいえ容赦がないね」
「あの変態はどうせまた直ぐコッチに出てくるでしょうからね。ある種のトラウマが必要かと」
「そ、そうかい。まあ確かに彼らは生命活動を放棄すると彼ら独自の世界に戻って怪我なんかはなくなるらしいから、トラウマは効果的とは言われているけどね」
いやぁ、人相手だといきいきして見えたのは気のせいなんだよなぁ。わけのわからないことを言う先輩に、気のせいです気のせいと適当に返しておく。今日の警邏はこれで終わりだ。後は少し散らかってきた自室で寝るだけだ。まったく、兄貴共が散らかしていくのだからしょうがない。兄貴はお前は掃除のできる婿を探せなどと失礼なことを言うけどもね。
「お、大魔法使いが今日のパートナーか」
今日も今日とて町内警邏だ。今日のパートナーは魔法少女の格好をしていない二年の先輩だ。彼は優男風の風貌で、ぱっと見は優等生なのだが、逆の方向で校内ではとても有名だ。曰く笑いながら犬を殺した、許してくれと地に頭を擦り付けたその頭を踏みつぶした、いっそもう殺してくれと泣き叫ばさせたなどなど、普段は優等生なのにストレスでもたまっているのだろうかと噂される。当然、全て対象は魔物かフリークだ。
「先輩、その大魔法使いってやめてくださいよ」
「プリンセスのほうがいいか?」
「もっとやめてください。私は関節技専門ではないので」
私は何時からか大魔法使いなどと呼ばれるようになった。一昔前に格闘技、とくにプロレスの関節技を多用する魔法少女ものが流行ったらしく、その作品名から来ているのだとか。流石に高校生ともなると時間ができるのか、目立つ生徒にはそういったアダ名を付けられることが多いらしい。
兄貴にそのことを相談したら次の日には私の本棚にその漫画本が全巻揃っていたのはいい思い出だ。畜生、最後の一撃を逸らせる事ができたなら顔面に一撃をお見舞いできたのに。兄の壁は高いとかのたまう馬鹿野郎に兄の壁とはこの程度かと見下してやりたい。
「大体、先輩も狂戦士なんて呼ばれたいですか?」
「僕はそれでもいいのだけどね。むしろもっと派手なものを付けて欲しいかな。君が新しいのを作ってくれてもいいんだよ? 拒否権は持たしてもらうけどね」
「絶対作りませんし呼びません」
「それは残念……ん?」
コミカルに肩をすくめる先輩に常に浮かべているニヤけ面を殴ってやうかと言うべきかを迷っていると。先輩がどこか遠いところを見て固まった。
「はい? どうしまし……ああ」
「すごいねぇ。僕はほぼ常に魔法で策敵してるのに、君は感でしょう?」
喋りながらも私達は走って移動する。私は鍛えているから当たり前だが、先輩もこの速度に付いて来た上で息を切らさないとは流石だ。これで魔法少女の格好をしている人なら素人でも同じかそれ以上のことができるのが辛いところだ。
「いえ、気を感じるのです。練習すれば誰でも出来ますよ。少なくとも家の兄貴レベルになりますと、目をつぶりながら商店街を歩いたりしますし。最近瞬間移動が出来たとか妙なこと言ってますけど」
「うん、だれでもは出来ないと思うなぁ。大体素手でコンクリート砕いたり届かないところまで打撃を飛ばしたりとか、既に魔法だと思うんだけど」
「逆に魔法を使えばだれでもできることですよ」
「んー? あれ、君はあの時のつるぺたちゃーんじゃーん。隣にいるのはオレっちの敵、イケメソ君だね」
「こらこら、プリンセス、いきなり殴りに行くこともないだろう。ああ、ありがとう。スケルトン君。君の骨格も素敵だよ。実に折り甲斐がありそうだ」
ちっ、上手く出先を潰された私は殴る機会を無くしてしまった。しかしこの先輩は後ろにも目が付いているようだ。そんなところも兄貴と似た匂いを感じるからこそ一発殴りたい。
「げ、これは危ない人間だねぃ。つるぺたちゃんといい今日は厄日だね。お二人さん、悪いことは言わないから今日はここから離れた方がいい」
「ん、そうみたいだね。君の力が小さかったからわからなかったけど、大きいのがいるみたいだ」
「小さい!? オレっちが!? ひでぇ話だ……とにかく、俺はもう帰っからな」
そう言ってスケルトンは消えようとする。今度は先輩に止められなかったので消えきる前にぶん殴るといつものごとくごぼぅっ! と声を上げて消えた。全くいつもいつもつるぺただの何だのと、会うたびに失礼だし何故かいつも私の前に出てくる。いい加減にゴボウをその骨とすげ替えてやろうかと思うが、私の任期も今日で終わりなのでその機会もなくなるだろう。休み明けから直ぐに活動できるように各委員長とクラス委員、生徒会役員は休み前に決めてしまうのだ。
「ははは。流石に強いなぁ……救援は呼べたかい?」
「どうも、逃げる隙すらありませんね。救援はジャミングされているみたいですが、これだけ大きければ気づいてるでしょう。まったくこんな時のための教師でしょうに」
「いやぁ、あの先生はヒーローは遅れてやってくるを実践してるみたいだし絶体絶命になるまで様子を見てるんじゃないかな。あんなのでも再起不能者は出してないから文句もつけづらいみたいでね」
あのスケルトンが消えた後、周囲が暗くなったかと思った瞬間に目の前の建物が崩れた。そこにいたのはデカイバケモノだ。山羊の頭に人間の体と手、蛇の尻尾にコウモリの羽足は牛か何かの蹄だ。これが悪魔です、と紹介すれば殆どの人がああ、これが悪魔か、と納得する見た目だ。そして何よりデカイ。五、六メートルはあるので、常に上から降ってくる攻撃を避ける形になっている。
魔物かフリークかで言えばフリークなのだろうけども、知性は持っていないようだ。しかし、知性を持っていなくともその巨体と力があれば十分以上に厄介だ。何よりも私の拳も先輩の得意魔法である魔力で作られた魔弾も通じないという防御力を持っているのが厄介だ。弱点としては先輩が行った飽和射撃で頭の上にある窪みだと判明したのだが、本能からかバケモノもそこを必要以上に守って戦うようになってしまった。
「いやはや、プリンセスの魔法少女姿が拝めるなんて今日はいい日だ」
「後で殴りますね、先輩」
そう、私も魔法少女は嫌だなど言ってられなくなり既に変身していた。変身していなければ既にダウンしていたと思われる攻撃も何回か受けてしまったので、判断は正しかったと思う。これでもっとまともな見た目なら普段から活用するのに。
「そういう先輩も変身してますけどね」
「普段と感覚が違うけど、便利だよね。この格好も悪くない。ただ、あまりにも強力だから頼りたくないだけさ」
そう言いながら私の頭上に魔弾を撃って、私に当たりそうだった手を一瞬止める。その一瞬は私が離脱するのには十分だ。やはり近接戦闘や瞬間攻撃力はともかく通常の戦闘は先輩に分があるらしい。しかも上手く指の付け根を狙って削ったらしく、バケモノの右手から人差し指が落ちた。直ぐに再生してしまったが。反則だろう。
「ところで先輩、このままじゃあ埒が明かないので賭けに出ましょう」
「うん? 何をするんだい?」
「先輩が魔弾で足止めしながら気を引いてください。私が上から頭を壊します」
「そう、まぁいいよ。乗ってみようかその賭けに。直ぐにやるかい?」
「ええ、直ぐにでも」
そう言うと先輩は一気に魔弾の量を増やした。もはやバケモノの姿すら見えないほどに打ち込んでいる。よく目を凝らすと頭を守って固まっている姿が見えたので第一段階は成功だ。次は君の番だ、と先輩が目で示したので、私は強化した脚力でバケモノの上に出る。魔法少女の服を着ているからこそできる芸当だ。次は腕と体幹を強化して頭をかち割ってやろうと下向きの速度を得た時、バケモノに動きがあった。動けないのを嫌ったのか無理やり体を捻って暴れたのだ。先輩は弾幕に強弱をつけてその動きを止めようとしたが、バケモノの巨体故に少し動いただけでも大きな範囲に被害が及ぶ。そう、私の横にも奴の羽が――
「後輩君!」
「おい、しっかりしろ! おい……」
次に私が目を開いたのはいつぞやのナイススタイルな先輩の腕の中だった。どうやら先輩は私のことを回復させてくれたようだ。
「体に不具合はないか? 体のほうは完全に直したが、頭や脳は下手に触れないのでな。もしも気持ち悪いなら先生に言わないと」
「いえ、大丈夫です。少し体を動かしてみますね……ええ、問題ありません」
体の不具合を調査した後、どのくらい寝ていたかを聞こうと思ったがやめた。向こうで派手にドンパチやっているのでそう長く寝ていたわけではないようだ。
「先輩、私行きますね」
「おい、まて。あそこはもう救援が入ったし、先生も見ているから心配もない。お前は休め」
「そうは行きません。アイツは私のぶん殴リストのてっぺんに登録されてしまったので……もしも邪魔をするなら先輩を行動不能にさせます」
「っ……ああ、そうしてみろ。お前は今、私の患者だ。患者を好き勝手にさせる医者などそうはいないぞ」
「……先輩」
私は先輩に抱きついた。先輩は一瞬警戒して固まったものの、直ぐにこちらを抱き返してきた。まったく、いい先輩だ。私はそのまま首筋に軽い衝撃を与えた。家の実家で教えている技術の一つで、上手く使うと暫く相手をしびれさせる効果がある。私のはそこまで強くやっていないのでせいぜい十数秒といったところだろう。しかし、それでも十分だ。
「ごめんなさい、先輩」
「あ……へ」
うまく口も回っていないようだ。後遺症は無いので安心して使えるが、それでも使い勝手が悪い技なのにここまで上手く言ったのは先輩が私のことを強く警戒していなかったためだろう。まったく、可愛い先輩である。
さて、奴を倒すには頭に大ダメージを与える必要がある。それも、さっきのように自由落下では遅い。矢のように奇襲をかけて一撃でとるのがいいだろう。と、いうことで苦手だが飛行魔法を使うことにする。正確には足元に板を作り、それを蹴って推進力にするのだがまぁ、これでも宙に浮かんでいることに変わりないので飛行魔法だ。ドンパチやっているところの遠くから空に昇る。ついでに拾っておいた石を未だに戦い続けている狂戦士先輩に向かって投げて、私の存在を示す。先輩はちらりとこちらを見て、口元だけで大きく笑う。どうやら伝わったようだ。先輩はいつかの如く魔弾を大量に浮かべて、周りで戦っている人たちに下がるように言ったようだ。ついでに足止めも命令したのか、魔弾以外に鎖などでもバケモノを封じるように地面に縫い付けていた。さらに嬉しいことに不安要素である羽もしばって動けなくしているようだ。
あと、私がすべきことは一つだけ。ただ、まっすぐ、奴を、頭を、殴る!
さて、高いところからおもいっきり殴りつけた反動で私は気を失っていたようだ。気を失ったということはまた裸になったということだが、仕方ない。話によるといきなりバケモノの頭が爆ぜて轟音が鳴ったと思ったら上から素っ裸の私が降ってきたらしい。ちなみに受け止めたのは狂戦士先輩だそうで、とりあえず迷惑をかけたと謝罪しに行った。いいものが入れたといい笑顔してやがったので、今後それを話題に出したら殴りますと釘を差したのだが、あの先輩は普通に変態なので何をするかわからない。その頃先生は何をやってたかというと、戦闘区域全体を結界で覆って一般市民のいる空間とは違う次元に隔離していたのだとか。そのおかげで今までどれだけ街を壊しても被害がなかったのかと納得したのを覚えている。てっきり夜中に建築物を直す専門の人が居るのだろうと思っていたのだが。
ところで、私はクラス委員を決めるのは明日だといった。そしてその明日は気絶してしまったので学校には行けていない。これは、以前にも似たような流れがあった。そしておおよその予想通り、一年後期のクラス委員も私に決まっていた。これからもスケルトンをしばき倒す日々は終わりそうにない。
ついでに狂戦士先輩もぶん殴る準備をいておこう。あの先輩は絶対にあの話題を出してくるだろうから。
多分彼女はこれからも似たような生活を続けます。狂戦士先輩は家事万能で、彼女の実家とやらで格闘を学びたいと言って彼女と彼女の家族につきまとうことでしょう。そのへんで兄貴にボロ負けとかして奮起して……なんて今後あるのかもしれませんが筆者は知りません。駄文を呼んでいただきありがとうございました。
最後に一言。
ひょんなことから服が溶けてたまるかよ。