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5話 山の奥

次の日、MOWにログインした俺は、狼、犬が出る紫色の山の奥に来ていた。


山の奥では木に付けられた爪の跡や牙の跡、たまに倒れている木を見つけた。それらを眺めながら歩いていたら、突如《危険感知》が作動した。俺はすぐその場から離れ、さっきまで自分がいた場所を見ると、全長3メートル、体長2メートルの2つの頭を持った狼がその場に立っていた。


「「グルァァァ!」」


「危ねぇなオイ!」


不意打ちを避けられて、苛立った狼が叫びながら此方に向かって走ってくる。それに対して俺は、新しく手に入れたスキルを発動させる。


「《悪魔瘴気》!」


俺が新しく手に入れた種族スキル、《悪魔瘴気》

身体から瘴気を放出するスキルで、触れた相手に〈視界不良〉〈思考妨害〉と、ダメージを与える。このスキルの良いところは、なんとMP、STMを消費しなくても発動可能なところだ。正直言ってぶっ壊れだと思う。


「「グルォ?」」


俺の《悪魔瘴気》を浴びた狼が急に視界が悪くなっているのに戸惑っている間に俺は、《疾走》を発動させ、狼の後ろに回り込み、《シャープスラッシュ》を使い、片方の首を切り落とした。


「グルアァァァァァッ!」


片方の首を切り落とされた狼が怒りの声を上げ、此方に噛み付いてくる。


「《急所突き》!!」


噛み付こうとして開いた口に《急所突き》を使い、狼の急所、脳目掛けて短剣を突き刺した。

そして、狼は2つの首を失い、倒れ、ポリゴンとなって散っていった。


『レベルがアップしました!』

『《短剣術》のレベルがアップしました!』

『《危険感知》のレベルがアップしました!』


《悪魔瘴気》もだけど《急所突き》もかなりぶっ壊れだよな。急所に限り耐久無視とか強すぎだろ。──ザッザッザッ


「ん?足音?」


足音がしたと思ったら、辺りには沢山の狼、炎を纏う狼、氷を纏う狼、2つの首を持つ狼が20体程で俺を包囲して、ゆっくりと近づいて来ていた。


「おいおいおいおい…冗談キツいだろ、これ。何で《危険感知》作動してないんだ?夢…だヨナ………」


「「「「「「「「グルアァァッ!」」」」」」」」


そう叫びながら狼達は俺に向かってそれぞれ、走ってきたり、飛びかかってきた。


「クソがぁ!全員俺の経験値にしてやるわっ!」


そうして俺とクソ狼達の戦闘が始まった。

────

───

──

「やったぞ!ハァハァ。俺の…勝ちィ!」


『レベルがアップしました!』

『《闇魔法》のレベルがアップしました!』

『《短剣術》のレベルがアップしました!』

『《MP自動回復》のレベルがアップしました!』

『《危険感知》のレベルがアップしました!』

『スキル《ダークニードル》を獲得しました!』

『スキル《ハイジャンプ》を獲得しました!』

『種族スキル《悪魔翼》を獲得しました!』

『称号《狼の天敵》を獲得しました!』


かなり疲れたし、短剣と円盾が壊れたけど、同じくらいに良いこともあるな。まずレベル。今回の戦闘で7つもレベルが上がった。それに、他のスキルのレベルも上がった。

次に、新スキル。


《ダークニードル》消費MP30  クールタイム60秒

50センチメートル程の闇の針を地面から生やす魔法。針の数と硬さはプレイヤーの知力に応じて変化する。


《ハイジャンプ》消費STM10 クールタイム30秒

自分が跳躍するとき跳躍力高めるスキル。


《悪魔翼》消費MP無し  クールタイム無し

背中から翼を生やすスキル。この翼で空を飛ぶことが出来る。


とても有用なスキルを3つも手に入れることが出来た。特に《悪魔翼》はヤバイ。慣れが必要になるけど、それ以上にヤバイ。


最後にこれ。


《狼の天敵》

狼系統のモンスターを100体倒したプレイヤーに送られる称号。

効果

狼系統のモンスターへのダメージ10パーセント増加

狼系統のモンスターから受けるダメージ10パーセント減少


はっきり言ってめっちゃ有用な称号。これで狼が狩りやすくなるな。


「ちょっと休憩してMPとSTMが回復したらもっと奥に言って見るか。てゆうか、もうそろそろ山頂か」


山頂には何があるんだろうな?楽しみだな!

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