1話 プロローグ
初めまして!山白胡椒といいます!
初投稿です!不定期ですが、よろしくお願いします!
何か不備や誤字などがあれば、遠慮なく報告してくださると助かります!
「よし!始めるか!」
そういって俺、『黒曜翡翠』(女の子っぽい名前だけど男だからね!)は、ヘッドギアをかぶり『My Own World』を起動させた。
『My Own World』通称『MOW』
今まで沢山のゲームを作ってきた会社「ONEIROI」の最高傑作といわれているゲーム。
完全に再現された五感、現実以上に美しいグラフィック、何万人が入っても大丈夫なサーバー、等々の理由から大きな話題となった。
値段も二万円ほどで、学生でも頑張れば手の届く範囲で、発売されてから一週間で五十万本も売れたらしい。ピチピチの大学一年生の俺は、夏休みに入ったことや、友達に自慢されたため、ちょっと奮発して買ってしまった。(今日から一週間もやし生活だ!)
そして今に至る。
「My Own Worldの世界へようこそ」
辺り一面の白い空間で天使のような女の人に声をかけられた。
「どうもこんにちは。貴方は誰ですか?」
管理AIか天使だと思うけど聞いておくか。
「私は、輪廻神様の眷属が一体。貴方のような異界者たちからは「天使ちゃん」と呼ばれています」
輪廻神…このゲームの神様か?あと俺らプレイヤーは異界者って呼ばれてんのか。
「では、まずこの世界に入る前にアンケートにお受けいただけますか?。面倒であればお受けにならなくて大丈夫です」
うーん…時間に余裕はあるし、設定に何か変化があるかもしれないし受けておくか。
「じゃあお願いします」
そう言うと、目の前にウィンドウが現れた。なるほど、これでアンケートを受けるのか。アンケートには、「このゲームで何がしたいのか」「何が目標か」等が書かれていた。
そこから三十分ほどかけてアンケートにすべて答えた。
「では次に、自分の種族を選んでください」
目の前のウィンドウには、〈人間〉〈獣人〉〈鬼人〉〈エルフ〉〈ドワーフ〉の種族が書いてあった。
〈人間〉はすべてのパラメータのバランスがいい。
〈獣人〉はHPと知力が低い代わりに俊敏と筋力が高い。
〈鬼人〉はMPと知力と俊敏が低くHPと筋力と耐久力が高い。
〈エルフ〉はHPと耐久力が低くMPと知力が高い。
〈ドワーフ〉は俊敏と知力が低く器用と筋力が高い。
まとめると、こんな感じがな。うーん魔法と物理両方使いたいんだけどなぁ。まあ、選ぶならバランスがいい〈人間〉に〖アンケートにより、ユニーク種族〈悪魔〉が追加されました〗
ふぁっ?
悪魔?AKUMA?え…いや……え~……あっもしかしてアンケートで「PKするために始めた」とか、PKの楽しさを長々語ったからか?そのせいで、アンケートで三十分も時間取っちゃったからな~。まあ、いっか!
えっと〈悪魔〉はHPと防御が低くMPと筋力と知力が高いっぽいな。えっこれ俺か一番欲しい特徴じゃん!
よし!〈悪魔〉にしよう!
そう思い、〈悪魔〉を選んだら、真っ白な空間が真っ黒になっていき、天使ちゃんが驚いたような怒ったような顔で消えていった。
「えっこれ俺のせい?」
すると後ろから
「フフフッ、私があのババアをここから追い出したというのもありますが、異界者の貴方が我が同胞となりましたからねぇ」
「うおっ!?、びっくりした。えっと~貴方は誰ですか?」
俺がそう言って振り向くと、美しい赤眼に、黒髪をオールバックにした、執事のような格好をした背の高いイケメンが立っていた。
「驚かしてしまいましたか?私は悪魔神様の側近、大悪魔エレボスと申します。此方へようこそ!我等が同胞」
「大悪魔!?どうもこんにちはっ!!エレボス先輩!!!」
俺悪魔だから大悪魔なら先輩だよね?あってるよね??
「フフフッ、先輩ですか。此方こそよろしくお願いしますね。では、次に貴方の悪魔としての体の設定を行いましょうか」
「はい!分かりました!」
「良い返事です」
そうエレボス先輩が言うと、目の前に今の俺とそっくりな体が出てきた。よしっ、設定していくか。
髪色は銀髪にして、少し伸ばそう。目の色は金色にして、肌の色は薄い褐色して、できあがり!ふふっ我ながら少しカッコいいんじゃんか。
「終わりましたか?」
「はい。終わりましたよ、先輩」
「そうですか。では、次に最初のスキルを六つ選び、自分の能力値を割り振って下さい」
目の前のウィンドウにはスキル一覧と、自分の能力値が書かれている。へえ~最初に選べるスキルって意外と多いんだなぁ。
そこから俺は、十五分程かけて、自分のスキルと能力値を決めた。
「終わったみたいですね。最後にご自身の名前を決めて下さい。名前は変えることが出来ないので気を付け下さいね」
それじゃあ、72柱の悪魔を従えたあの人物の名前を借りて、
「ソロモン・ジェイダイト、で、お願いします」
「分かりました。では、ソロモン。貴方はまず私が管理する冥界から始めてもらいます」
「冥界っ!?」
「悪魔は冥界から生まれるんですよ。レベルを上げれば世界に入れますし、冥界には〈冥門〉が在りますから安心してください」
「ちょっ先輩!?」
「ではソロモン!この『My Own World』を楽しんで!!」
そして、俺の視界は真っ黒な光に塗りつぶされた。