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皆さんに楽しんでいただければ幸いです♪
「んん……はぁ! 楽しかったぁ♪」
サッチーがジェットコースターから降りて大きく伸び上がる、満面の笑顔というやつだ。
ちなみに私は……お化粧してなければもっと悲惨だったんだろうな……している時でこれなんだから……。
そんな有様だ。
「はい……楽しかった……です」
でも、グレイが満足しているようだったので、これはこれでよかったんだと思う。
いや、良かったんだ。
「さて、次はどこにいく?」
サッチーは両手を後ろで組んで、心持ち身体を前姿勢にするように私を覗き込んで来る。
これが男の子ならいちころなんだろうなぁと思いつつも、私は女の子同士でもありかな? という不思議な思考に入っていた。
すると、グレイが私の袖の端を握って引っ張る。
「ん? どうしたのグレイ?」
「……あれは?」
そう言って指さす場所は遊園地で一番高い場所にまで上がる事が出来る円状のアトラクションだ。
なるほど……これは普通に興味でるだろうなぁ。
「あれは最後に乗るの! その他にしましょう!」
「……」
グレイは少ししょんぼりとしたようだったが、乗らない訳ではないよという説得のもと納得してくれた。
さてさて……どれにいこっかなぁ……♪
「そうだ! ご飯食べにいこうよぉ!」
「真木の場合エサでしょ?」
「サッチー!! 何でいつもそんなこというのかなぁ!?」
私は半泣き状態になりながら、サッチーに詰め寄った。
サッチーはそんな私を適当あしらいながら、グレイの方に向いている。
「っで、おなか減ってる?」
「あ……はい、少しジェットコースターというモノが楽しかったので」
「そうね、じゃあいきましょうか♪」
「私の意見はまず否定する事からはじまるのは何故なのでしょうか!? てかそれ私が最初に提案したんだよぉ!?」
「いいじゃないの? それとも真木はいかないのかな?」
「いきます! いきますけどねえ!」
うん、正直に言うとやっぱりサッチーは酷いね。
それから私達はいろんな事をした。
奇妙なご飯を食べたり、マスコットキャラと写真をとったり、ショーを楽しんだりといろいろした。
そして、最後にあの場所にきた。
この遊園地で一番高い所まで上がる事のできるアトラクション。
遊園地といえば、といわれるほどのアトラクション。
円状で鉄骨部分に光を灯すことで綺麗に夜を彩るアトラクション。
そして恋人達の定番ともいえるようなアトラクション。
観覧車へと。
「さて、乗ろっか♪」
「待って! やっぱり私達一人ずつのらない? 一回乗ってグレイと真木、グレイと私、その後でみんなで乗ろう?」
「ん~? 別にいいけど……みんなで乗った方が楽しくない?」
「いいじゃない♪ さて先は真木だよ♪ 行ってらっしゃい!」
「うわっ! 押さないでよ!」
「グレイも!」
「は、はい……」
そういって私とグレイは、最初に観覧車に乗る事になったのだった。