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皆さんに楽しんでいただければ幸いです♪
そんなこんなで、スー○ーカップを食べて大満足そうな真木さん。
すると、サッチーさんが僕に、
「そういえばまだ自己紹介してなかったわね? 私は宮本 幸、サッチーて呼ばれてるから、あなたは?」
僕はそれに対して閉口するしかなかった。
それをいぶしかげに見るサッチー……幸さん。
真木さんに目を向けて、どういう事か詰め寄っている。
すると真木さんが、とんでもない事に、
「ん~じゃあグレイでいいじゃん? かっこいいし」
と、宣った。
「そっか、グレイ君だね、ところでグレイ君は何者なのかしら?」
「……天使です」
名前を付けられた時は嬉しく舞い上がってしまいそうになった心が一気に消沈した。
そうだ、例え相手が本物の天使を知らなくても。
それでも! 僕の様な灰色の翼を持つ者を天使としてなんてみるわけがないんだから!
「そう天使、しかしまぁおっちょこちょいな天使様ね? まさか公園で倒れていたなんて、何かあったのかしら?」
幸さんは、僕が天使だという事を疑っていないらしい。
どうして……?
その単語が出るよりも早く、真木さんが絶叫する。
「団体様お断りぃぃぃいいい!!!!」
「真木? どうしたの急に?」
「あ、いえ、何でもありません……」
真木さんは面白い人だというのが、今日一日で分かった。
――――――――――――
さてと、そろそろ準備しないとね~。
私は立ち上がって、いつもは開けないふすまを開けた。
途端に流れ出てくる、布団の山。
諸君、これは決して私が悪い訳ではないよ?
これにはれっきとしたふか~い訳があるのだよ、それは今度ね!
「またそんなに散らかして~」
「この中の一部はサッチーのなんですけど!?」
「いいや、私のものは別のとこを改造して入れてるから、そこにはないの」
「ここ私の部屋だよね!? 簡単に改造しないでくれるかな!?」
「だが断る!」
「断るなぁぁぁああああ!!」
サッチーとアホのようなやりとりを繰り返していると、グレイがちょっとだけ笑った。
私と目が合った瞬間再び固い顔に変わってしまったが。
「普通に笑っていいんだよ?」
私がそういうと、グレイは、目を二三回パチパチとした後。
ぎこちない笑顔になりながら、泣いたのだった。
「あ~ぁ、真木が泣かせたんだからね?」
そう言って、サッチーは自分の荷物を纏め始めた。
私は半分グレイの事で、頭を埋めながら、
「あれ!? 泊まっていかないの!? 私を一人でしないで!?」
「知~らない、明日の朝ご飯作りに来てあげるから、じゃぁねぇ~」
そう言って、本当に帰ってしまった。
部屋には、私とグレイだけが残っている。
しかもグレイはまだ微かに泣いていた。
何か怖い事でも思い出したのかなぁ…なんか悪い事しちゃったなぁ~。
よし! ここはお姉さんが人肌脱いであげよう!
「グーレーイー君! 今日はお姉さんと一緒に寝よっか!」
「……え?」
涙をまだ、目の端に溜めているグレイを私は抱き寄せた。
途端にまた、胸の中から嗚咽が聞こえてくるが、それは大人の対応で聞かないようにした。
しばらくすると、寝息が聞こえ、安定した呼吸が聞こえる。
呼吸に合わせて上下している灰色の翼を眺めていると、触りたい衝動にかられた。
「ちょっとだけなら……いいよね?」
私は誘惑に勝つ事が出来ず、その翼の根本ではなく、柔らかそうな場所を触る。
「柔らかぃ……それに気持ちいいかも……」
そんな感触を体感したと思ったら、私の意識は一瞬で落ちた。