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皆さんに楽しんでいただければ幸いです♪
どうすれば“天界”にいけるんだろうか? いや、行ってどうやってグレイを探そうか?
“天界”がどんな場所かは分からないし、もしかしたら日帰りが、出来なくなってしまうかもしれない。
さてどうしようか……。
私はそれだけを考えな続ける。
――――――――――――
見慣れた景色だ。
ここはどこだったかな? 小さい頃によく見た事がある気がする。という事は小さい時にいた場所なのだろう。
そこに一人の少女がいた。
可愛らしい少女だ。
可愛い笑顔で走り回っている。
その近くには二人の大人が、ベンチに座って彼女を見ていた。
微笑ましい家族の一面だ。
――――止めて……。
少女は依然と遊び回っていた。
一人で、とても楽しく。
だって大人達がそれを見て幸せな気分になると言ったからだ。
少女はその言葉を信じてひたすらに遊び続けるのだった。
それから一日が経った。
少女はまだ遊んでいた。
――――もう、止めて……。
足がへとへとになっていたので少女は座って花飾りを作り始めた。
作り方は知らなかったが、何回も何回も挑戦している内にコツが分かってきたのだろう。
少女の作る何かは、花飾りに見えない事もないようになってきた。
少女は決死の思いで作った三つの髪飾りを手に大人達のところに走った。
足は既に回復していた。
大人達は笑顔のまま、無言で少女を受け入れた。
少女は大人達にそれぞれ髪飾りをかけてあげて、自分は再び遊びへと戻っていた。
大人達のベンチの下に紅い花が咲いていることに気付かないで。
――――ヤメテ……。
二日目の朝がきた。
少女はまだまだ動けたのだが、足に力が入らずに地面に座って砂のお城を作っていた。
初めこそ砂を山のように捨てるだけで、お城と呼んでいてのだが、少女はそれでは面白くないと感じた。
だから砂をちょっぴり湿らせて本格的なものを作る事にした。
何回も何回も挑戦して、すぐにコツを掴んだ少女はお城を完成させた。
細かい所、砂で作られた塀には、煉瓦が一つ一つ積み重ねた後のような線がいくつも付けられていた。
完成だ。
少女は満足した。
だから少しだけ休もうかなと考えた。
でも少女は休まなかった。
少女はずっとずっと建物を造り続けた。
タワーのようなもの、ビルのようなもの、普通の家のようなもの、掘った砂の部分を利用して川を作り橋をかけてみたりもした。
そこに広がっていたのは、街だった。
すると少女は不意に街が、家が恋しくなった。
だから大人達のいる場所に向かった。
そして暗転した。
――――モウヤメテ……。
少女が次に目を覚ましたのは白い個室の中だった。
そして少女は誰かに見られているような感じがしてならなかった。
少女は精神に異常をきたしていた。
それも重度の。
自分の両親の死に気づけなかった。
少女は、考え、結論に至った。
もう誰も自分の前からいなくならせないと。
そして、自分に前にいる人の幸せを願い続けると誓った。
そこに……目の前にいない自分が含まれる事はない―――――。
――――モウワタシカラナニモウバワナイデ……。
それを望んだ。
そしてそれは叶えられた。
“その人”は自分を引き換えに、私にそれが出来るようにしてくれた。
それは忘れてしまった記憶の断片。
私は、灰色の翼をもつ“天使”を知っていた。
――――――――――――
目覚める。
行かないと……。
私は起きあがった。
目の前にサッチーが寝ている事に気付いたが、起こさない。
今は自分の成すべき事を為すほかないと考えているからだ。
部屋の外は暗い。
もう夜なのだ。
「あそこはどこなんだろう?」
私は必死に記憶を辿る。
さっき思った事の真偽は分からない。
でもやっと見つけた手がかりを捨てる訳にはいかなかった。
必死に考えた、しかし分からない。
「どうしよう……これじゃあグレイを助けにいけない」
私は必死に考えた。
気付くと足が動いていた。
まるであの場所へと誘うように。
私は悩み、そして本能に身を委ねるのだった。