ホワイトデーのプレゼントは涙の味

作者: 星宮 空音

別れは突然だった

それまでも遠く離れていたけれど

心の距離は近いなんて言えなくなった

だって、あなたはいないのだもの


あなたに貰った最後の手紙

まだ封を開けてすらいないの

開けるまでならあなたとの思い出に浸かれると思ってた

ただ逃げていただけなの


ホワイトデーのプレゼント

甘くて苦かったホワイトチョコ

苦味は涙の味


料理の上手かったあなた

それでも、お菓子作りなら私の方がまだ上

次のバレンタインには甘い甘いミルクチョコレートを

君の大好きなあの味を届けに行くよ


何時だって私を包んでくれた君

次は私が包んであげたい

もう泣かないよ

笑った顔を見てほしいから

それでも悲しい日は

涙の止まらない夜は

あなたのくれたホワイトチョコを思い出すの


ねぇ

私は君の隣に居ても良かったのかな

私なんかで良かったのかな

なんて言ったら笑われるよね

それとも怒るかな


でもね

私は君に届けたい言葉があるの


〝君の隣に居れてよかったよ。ありがとう〟