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墨が由希との昔話を語っているころ、当の本人はなぜか町中を走り回っていた。
「逃げんなって言ってんだろ! 」
家を出てからすぐ、変な二人組と目が合った。 一人は赤い瞳をもち、額から角を生やした男、もう一人はふたつあるはずのところに通常の倍の大きさはあるひとつの瞳を顔に貼りつけた男。
かかわると面倒だと本能が訴えかけてきた由希はすぐさまその場を後にしようとしたが、男たちはそれを見落とさなかった。
背を向けて走りだした由希を追っていく。 その鬼ごっこはかれこれ三十分は続いていた。 走り疲れて息の上がっていた由希が後ろを振り向くも男たちは疲れを感じていないというように由希との間をどんどん縮めてくる。
「なんで妖や妖怪のやつらは人よりも体力がいっぱいあるんだ」
息をつくのも限界が近かった。 もはや肩で息を始め、足が震えはじめていた由希はやばいと舌を打つ。
心臓が全く追いつかない。 遠かった男たちの足跡が耳元で聞こえた、と思った瞬間に腕をつかま
れた。
「はなせ」
息を吸いこもうとした口を塞がれた。 引きずられた。
抗おうと腕を振るも、己よりも力の強い男たちに抑えつけられてはろくに身動きすらできず由希はぽつりと涙をこぼす。
住宅街にひっそりと存在している公園に連れこまれた。 そこには滑り台、ぶらんこ、そして大人でも容易にくぐり抜けられるトンネルがひとつ。
その中へ引きずりこまれると背中から倒されて両腕を角の男につかまれる。 もう一人の男は由希の上にずっしりとその体を乗せていた。
「人、初めて見た。 本当にいるんだな」
一つ目の男は驚いたと由希の頬に触れながらつぶやく。 頬に触れ、まぶたに触れ、唇に触れてその指は下へとなぞるようにさがっていくと、由希の着ていた上着のぼたんへとたどりついた。
「邪魔くさいな」
ぽつり、とささやいたと瞬間に上着のぼたんがはじけ飛んでいた。
「男かと思っていたが、これはいい。 妖の女でさえこんなに触り心地はよくない」
むきだしになった由希の胸元に触れながら男の鼻息はそれに呼応するように早くなる。
気持ちが悪くて仕方がない、否定の言葉を吐きだそうとした由希の口を角の男のそれが塞いだ。 通常の者よりも一回りも大きい男の舌は由希の口内を埋め尽くすように中へと押しこまれて、苦しさに涙をこぼす。
「すっげぇ柔らかい」
角の男は由希からそれを離すと塞がれていたのどが空気を求めて、由希の体内へと乱暴に押し入ってきた。 激しく咳きこんだ由希をよそに角の男は由希の顎をあげてもう一度食らいつく。
「ずりぃな」
その光景を見ていた一つ目の男は仕方がないと己の手で剥きだしにした胸の突起に食らいついた。 突然襲った刺激にびくりと体を震わせた由希は足をばたつかせる。 それさえもハエが止まったようだと容易に抑えつけた一つ目の男は夢中になって舌を這わせるともう片方は指でひねった。
「やべぇ、すげぇ興奮する」
一つ目はつぶやくと由希のズボンに手をかけた。
嫌だと目を細めた由希の視界に三つ目が飛びこんできた。 それは角の男の上に止まっていた。 いつの間にトンネルの中へと入ってきたのだろうか。
三つをもつカラス。
目を三つ、足を三つ、そして両翼と背中から生えた三つ目の翼。 あきらかにただのカラスではないことを悟った。
「カァ」
カラスとは思えないほど低い声でそれは鳴いた。 たとえるなら風邪をひいて喉を枯らせたものがあげた言葉のように低く、最初はそれが鳴いたとは思えなかった。
「こいつ、いつの間に」
気がついた角の男はカラスを追い払おうと由希の手を離した。 自由になった手で由希は角の男を突き飛ばすとトンネルから抜けようと体を起こしたが、すぐに倒された。
「逃がすわけねぇだろうが」
由希の腕をつかむ一つ目男の力が強く、声をあげそうになった由希だったが由希が声を上げる前に角の男が声をあげた。
よく見ると三つ目のカラスが角の男の腕からするりと逃げだすと男の目を貫いていたからだ。 瞳から血をだらりとこぼす角の男はカラスに手を伸ばすもカラスは広げた羽で男の頬をひっぱたくと、一つ目の男の額の目を貫いた。
「邪魔くさいな」
ぽつり、とささやいたと瞬間に上着のぼたんがはじけ飛んでいた。
「男かと思っていたが、これはいい。 妖の女でさえこんなに触り心地はよくない」
むきだしになった由希の胸元に触れながら男の鼻息はそれに呼応するように早くなる。
気持ちが悪くて仕方がない、否定の言葉を吐きだそうとした由希の口を角の男のそれが塞いだ。 通常の者よりも一回りも大きい男の舌は由希の口内を埋め尽くすように中へと押しこまれて、苦しさに涙をこぼす。
「すっげぇ柔らかい」
角の男は由希からそれを離すと塞がれていたのどが空気を求めて、由希の体内へと乱暴に押し入ってきた。 激しく咳きこんだ由希をよそに角の男は由希の顎をあげてもう一度食らいつく。
「ずりぃな」
その光景を見ていた一つ目の男は仕方がないと己の手で剥きだしにした胸の突起に食らいついた。 突然襲った刺激にびくりと体を震わせた由希は足をばたつかせる。 それさえもハエが止まったようだと容易に抑えつけた一つ目の男は夢中になって舌を這わせるともう片方は指でひねった。
「やべぇ、すげぇ興奮する」
一つ目はつぶやくと由希のズボンに手をかけた。
嫌だと目を細めた由希の視界に三つ目が飛びこんできた。 それは角の男の上に止まっていた。 いつの間にトンネルの中へと入ってきたのだろうか。
三つをもつカラス。 目を三つ、足を三つ、そして両翼と背中から生えた三つ目の翼。 あきらかにただのカラスではないことを悟った。
「カァ」
カラスとは思えないほど低い声でそれは鳴いた。 たとえるなら風邪をひいて喉を枯らせたものがあげた言葉のように低く、最初はそれが鳴いたとは思えなかった。
「こいつ、いつの間に」
気がついた角の男はカラスを追い払おうと由希の手を離した。 自由になった手で由希は角の男を突き飛ばすとトンネルから抜けようと体を起こしたが、すぐに倒された。
「逃がすわけねぇだろうが」
由希の腕をつかむ一つ目男の力が強く、声をあげそうになった由希だったが由希が声を上げる前に角の男が声をあげた。
よく見ると三つ目のカラスが角の男の腕からするりと逃げだすと男の目を貫いていたからだ。 瞳から血をだらりとこぼす角の男はカラスに手を伸ばすもカラスは広げた羽で男の頬をひっぱたくと、一つ目の男の額の目を貫いた。