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初レビューをいただきました! 嬉しいです!
総合評価18,900pt超え、ブクマ4,100件超えありがとうございますー!
感想もいただいていますし、評価してくださった方も1,100人超えました! 本当に感謝です!
誤字報告もありがとうございますー。うっかりだけは治りません(凹)
更新のたびに4,000人の方が読んでくれるのかと思うと頑張らなきゃと思います(ふんす)
翌日早朝。外はよく晴れてら。真面目なマゼルは当然として誰も遅刻者はいない。むしろ俺の屋敷なのに俺が一番遅いんじゃないかとさえ思う。夜遅くまで書類と格闘してたんだよ。
全員集まったところでメイドのティルラさんが入れた茶で一杯。朝食は食ったとはいえまだ早朝だ。エリッヒは初めて飲むはずだが結構気にいってくれたみたいだな。フェリは相変わらず砂糖どかどか入れてるが。
「皆、お疲れ様だ」
「ヴェルナーも」
「図面も装備も役に立ったぜ」
「兄貴の『死霊が相手なら砦のトイレから建物に入るのが一番目立たない』って言う提案は正解だったなぁ」
まずはフレンセンに同席してもらい、簡単に顔合わせの挨拶。その後マゼルやルゲンツ、エリッヒにフェリと言ったヴェリーザ砦奪還の功労者を招いて話を聴く事にする。
フェリがヒルデア平原とヴェリーザ砦の戦いにさらっと自分も混じっていたことに関しては笑って済ませた。エリッヒ以外がやっぱりなって顔してるのは納得いかん。
とはいえゲームではフェリの参入はヴェリーザ砦の後になるはずなんだが。微妙にずれてるよなあ。まあいい、まずは情報確認だ。
「役に立ったのならよかった。装備はしばらく使ってくれていい。ところでまず確認したかったんだが……」
バカ、もといクナープ侯爵の息子であるマンゴルトのことだ。ヒルデア平原の戦いで死霊軍の一人になってるかと思ったが少なくとも目撃者はいないらしいからな。
生きてるか死んでるかは別にして、ヴェリーザ砦でならその姿を目撃したかと思ったんだが。
「少なくとも貴族みたいな服を着ていた人は見ていないね」
「ああ、そんな奴はいなかった」
念のため外見的特徴……って言っても俺もそんなに詳しいわけじゃないんだが、ともかく外見的特徴を説明しても目撃していないようだ。もっともマゼルたちが敵全体の顔を確認できるはずもないが。
死んでるのやら生きてるのやら。
「気になるの?」
「ああ、何となくなんだけどな」
マゼルが不思議そうに聴いてくる。実際、バカやって死んだって言うだけなら気にしないんだが、死体が見つからないってのが妙に引っかかる。だがまあひとまずそれはいい。情報収集はフレンセンに任せよう。
「ま、それはこっちで調べるわ。そっちの話を聞かせてくれ」
「ああ」
と言うわけで話を聞く。やはりドレアクスは
むしろ気になったのは中ボスだ。
「すると、魔術師がもう一人いたのか」
「もう一人って言うか、魔族っぽいのは全部で三人いたように思えるな」
ルゲンツの発言に眉をしかめる。三人? いや、中盤のダンジョンではランダムエンカウントモンスターレベルで出てくるんで数がいること自体はいいんだが。ゲームのヴェリーザ砦では一体だけだったよな。
思い出しながら考え込む俺を見ながらマゼルが口を開く。
「一人は平原で戦死、もう一人はヴェリーザ砦の三階に上る階段の前で
そこはゲーム通りか。だが問題はその後だ。フェリがドレアクスのいる城主(砦主?)の間に入る前に「その際には頼むぞ」と言う声を聴いたのだという。
なんだそれ。ゲームではそんなシーンはないぞ。と言うか魔将の一人であるドレアクスが頼む?
いや部下にも頼んだと言うことはあるだろう。俺だってマックスたちに頼むと言うことはある。けどなんか違和感があるな。ドレアクスは、と言うか三将軍は揃ってどっちかと言うと偉そうなタイプだ。そのドレアクスが何かを頼むねえ。
大分ゲームと状況は異なってる。ドレアクス戦の時点でマゼルのパーティーにフェリがいること自体ストーリーからは外れてるからな。フェリがいるからその会話が聴けたんだろうか。わからん。ともかく話を続けてもらう。
「でもそこには魔将しかいなかったんだろ」
「正確には護衛の
ボスバトルの敵編成はゲームと同じか。うーむ。つまり何者かがいてそいつは逃げ延びたという事か。いや戦っていない相手が逃げ延びたという表現が正しいのかどうかわからんが。
「とりあえず了解した。それはもう報告してあるんだろ?」
「報告はしてあるよ」
考えてもわからんが覚えておくに越したことはなさそうだ。徐々にゲームのストーリーからずれてきてるから、小さなことにも気を付けたほうがいいような気がする。
「ほかに何かあったか?」
「そうだねえ……前に見た黒い宝石があったってぐらいかな」
「おいらが見つけたんだぜ」
フェリがドヤ顔で口を開く。黒い宝石?
「
「形が少し違ってたけどね」
それもゲームでは見たことがない。やはり何かが違うということか。だとしたらそれは何なんだろう。
「どんな感じなんだ?」
「うーん、そうだね。大きさはこのぐらい」
マゼルが手で示す。俺の印象で言えば握りこぶしより二回り小さいぐらいか。魔物の魔石としてはやや大きいな。
「それで、全体の色が黒。何と言うか不快になるような奇妙な感じがするんだよね」
「奇妙な、ねえ。実物は見れるか?」
「ごめん、王国に提出済みなんだ」
「そうか、残念」
一度実物を見てみたいんだがな。まあ急ぐ必要もないか。それはむしろ王宮の誰か偉い人に頼んでみよう。
ここまで黙っていたエリッヒが初めて口を開いた。
「ところで、本日は何かご連絡があったと伺っておりますが」
「ああ、ではそちらをやりましょうか」
ついついエリッヒには敬語になってしまう。何と言うかこのデキる男感がすげえんだよこの人は。
この一言を書かないと評価はいらないと思われるらしいので…
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