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第三十五話 VS赤服の女

今回、戦闘シーン頑張ったと思う

あと、第三十四話の題名入れるの忘れてた

 俺は少女の落としたものを拾い上げ、鞄に入れた。

 不思議なことに彼女の遺体は消え去っていた。

 俺達はあの女が入った扉の前に立った。

 そこでもう一回俺は宣言した。

 そう、


「敵は殺す」


 俺は【憑依】を使用して思い切り扉を開けた。

 そこには下に続く階段がある。

 降りた先には先程と同じぐらいの広さの場所があり、そこにはやはり磔にされたソニアと赤服の女がいた。


「チッ、死ななかったか」


 俺はヴァルナを抜いて、【雷装】を使って電磁加速をした銃弾を放った。

 しかし、銃弾は女を貫くことは無かった。

 突然現れた黒い膜のようなものに当たって弾かれたのだ。

 俺はそのまま【縮地】を使って背後に回り込み紅花で切り込もうとするが、やはり黒い膜のようなものに止められてしまう。

 すると、女が回し蹴りをしてきたので後ろに飛んで衝撃を減らす。

 吹き飛びながらもヴァルナで銃弾を打つが、黒い膜を突破することは出来ない。


「何度やっても無駄だよ、この魔法は簡単には破れないよ」


 そう言いながら籠手を装着している。

 そして、こっちに走ってきて殴ろうとしてきたので、それを避けようと横に動いた。

 するとそのまま横に腕を振ってきたのだ。

 さすがに横から来るとは思っていなかったので衝撃に耐えようと力を入れる。

 だがくると思っていた衝撃は来なかった。

 代わりに胸を刃のようなもので裂かれたのだ。

 籠手の先から3本の爪のようなものが生えていた。

 まさに地球で言うところのウ〇ヴァリンのようなものだ。

 幸い、傷が深くなかったのが救いだろう。

 そのまま反対の手で追撃してきたのを紅花で受け止め、ヴァルナでゼロ距離射撃をするが、やはり黒の膜は突破出来ない。

 そうしている間にも、上から下から右から左から、様々な方向から爪が襲って来る。

 可能な限り捌き、捌ききれないものは避けているが、それでも着実に俺の身体はダメージを貯めていった。

 一旦、バックステップで距離を取る。

 そのときだった。


「……我が闇でかの者を包み込め、【闇弾】」


 俺から大体2メートルぐらい離れたところに、小さな黒い玉が無数にあった。

 女は鉄壁の防御があったため、防御にリソースを割かなくて済んだ分、詠唱をしていたようだ。


「これで終わりだよ!」


 そう言うと、周りの黒玉が一斉に俺を目掛けて飛んできた。

 あぁ、ここで死ぬのか……。

 ……。

 いや、そんなわけには行かない! ソニアを助けないといけないんだ!

 そのときだった。

 俺の見ている世界が色褪せて見え、そして迫って来る黒玉、いや全てのものが遅く感じ、俺だけは普段通りに動けるのだ。

 そのままふらふらと最小限の動きで黒玉を全て躱した。


「なっ、そんな馬鹿な………」


 俺は生への渇望と、ソニアを助けるという思いの2つがスキルを派生させたのだ。

【縮地】の派生、【瞬覚】だ。

 これは自分の知覚能力を拡大させ、そして自分の能力を上昇させることが出来る。

 ゆっくりになった世界で、俺は1つの可能性を見つけた。

 驚いて硬直している女に、ヴァルナを撃った。

 だが今までと違う点は1箇所に集中して連続で撃ったことだ。

 5発目で黒い膜がパリーンと割れ、そのまま女の肩を撃ち抜いた。


「くっ! 何故だ!」


 俺は俺の身体がそうなってるか分からないが、口を裂いてこう言った。


 ―――――2ラウンド目、行こうか。

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