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第三十四話 覚悟

お久しぶりです

いやー最近いそがしくてね(ゲームとかしてないから)

今後ともよろしくお願いします

o(_ _)o ペコリ

 俺は少しずつダメージを受けていた。

 紅花で戦おうとして近距離戦をすると、斧による攻撃で跳ね飛ばされてしまい、ヴァルナで戦おうとすると、石の礫を飛ばして来て狙いが定められない。

 俺は青光石を取り出して握り潰すと、青い閃光が部屋中を覆った。

 と同時に【縮地】で距離を詰め、そのまま背後に回り込む。

 もらった。

 そう思って首に紅花を振り下ろす。

 だがその刃が首に届くことは無かった。

 ……背後の壁から出てきた土を紐のようにして、刃が巻かれて止められている。

 そしてそのまま伸びてきて、俺の動きを止めた。


「【堅牢】」


 そう言うと両手を合掌したかと思うと、手の中に小さな玉のような何かがあった。

 明らかにやばい感じがした。

 避けようにも動きを止められているので何も出来ない。

 そして、その玉をこちらに近づいてきて俺の前で弾け飛び、俺を包み込んだ。


 何も聞こえない、何も見えない、何も匂わない、何も感じない。

 ただ、まだ生きていることは分かる。

 いつも体験している、【憑依】の意識だけが浮いている状態だからだ。

 幸い、精神まで止められていないことが救いだ。

 俺の推測だが、これは石化だと思う。

 あの少女は土の魔法を使っていたからな。

 それだったらそろそろ……。

 おっ、目が見えるようになってきた。

 どうやらまだ俺の石化が解けていっていることは知られていないようだ。

 何故か頭を抱えて座り込んでいるが……。

 それより目だけを動かして全身を確認する。

 ……うん、どこも壊されてないようだ。

 まだ腕は土の縄に捕えられているな。

 ばれないように【憑依】を解除して、【錬成】で土の縄を紅花だけにする。

 あまりやりすぎるとバレるかもしれないからだ。

 そっと紅花から手を離し、ヴァルナに手を伸ばす。

 音を立てないように慎重に構えて、発砲した。

 パンッ! という乾いた音を立てながら、音速を超える速さで少女を射抜こうとする。

 が、少女は転がる様に横に逃げた。

 発砲とほぼ同時に回避をしていたから、おそらく本能が先に察知して体を動かしたのだろう。

 それでも足の1本を吹き飛ばした。

 これで素早い行動ができなくなる。

 何故かそこから血は出ていなかったが。

 早くトドメを刺してソニアを助けにいこうと、少女にヴァルナの銃口を向け発砲しようとすると、その少女は殺意を灯した目でこちらを見ていた。

 その時ようやく気づいた、俺は人殺しをするのだと。

 そう考えると急に怖気付いて引き金が引けなくなった。

 すると、ふと頭の中に言葉が聞こえてきた。


「大事な人を守れなくてどうする、守りたければ手段など選んでいる暇はない」


 ……俺は誓ったはずだ、ソニアを助けると。

 この力を手に入れたのだって大切な人を守るためだ。

 確かにそれが人殺しをしていい理由にはならない。

 しかしそれでも、やるしかないんだ。


「……ごめん」


 小さな声で呟き、俺は引き金を引いた。

 パンッ! と乾いた音を鳴らして少女の頭を撃ち抜いた。

 カランカランと少女の持ち物が落ちる音が響いた。


 俺は決めた。

 何があっても大切な人は守ると。

 敵は殺す、人であっても。

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