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第三話 入国

まだ……やれる……

あと4話ぐらいは毎日投稿します

 そういえばソニアは何故スラード王国を目指してるんだろう。

 ここは魔物がおらず、安全なので聞いてみよう。


「なぁソニア、何でスラード王国を目指してるんだ?」

「ああ、そういえば言っていませんでしたね。スラード王国には四大迷宮の1つがあるんですよ。スラード王国に【地の迷宮】、エルフの森に【風の迷宮】、ネザリー海洋の【水の迷宮】、バルタ大火山に【火の迷宮】という感じですね。私が目指している一番の理由はお金稼ぎですね」

「一番ってことは他にも理由が?」

「はい、あまり言いたくないのですが……」


 おっと嫌なことを聞いてしまったようだ。


「そうか、嫌なこと聞いて悪かったな」

「大丈夫ですよ。それより敵が来ました。下がっていてください」


 見た目はイノシシだがそれと比べると二周りぐらい大きい。


「手伝おうか?」

「いえ、あれぐらい一人で大丈夫ですよ」


 じゃあ俺は戦いを見ておこう。


 まずイノシシの魔物が突進してくる。それをヒラリとかわし横腹にパンチする。あうるとイノシシが吹き飛ぶ。


 ってまじか、すごすぎる。


「行きましょうか」


 平然と言ってくる、何この子怖い。


「どうしたんですか?」

「いや、なんでもないっす」


 かしこまってしまったよ。

 いや誰だってそうなるか。

 気を取り直していこう。


 ▶▶▶▶▶


 あれから3時間たつと、いかにも王が住んでます、って感じの城とその下に町に着いた。


「あれがスラード王国です。早く行きましょう♪」


 さっきの戦いが嘘のようにとてもかわいいソニアになった。

 俺とソニアは関所のようなところで入国を待っていた。

 この国は入国待ちの人が争いを起こさないように、見張の数が多かった。

 暫くの間待っていたが、順番が回ってきたようだ。


「ステータスプレートを持ってますか~ なかったら入国料1万ミル払ってくださいね~」


 うそだろっおい。

 金なんて持ってねぇぞ。

 とりあえず財布見てみよう。

 ……何か中身変わってる。

 ちょっと考えよう。

 確か俺の所持金は54000円だったはずだ。

 で、いまてもとにあるのは黒のコイン5枚と白のコイン4枚だ。

 だとすると1万円→黒のコイン、1000円→白のコインだ。

 よしよしじゃあ黒払えば何とかなるはずだ。


「これでいいか?」


 そう言って黒のコインを差し出す。


「1万ミルちょうどっすね~ スラード王国にようこそ。楽しんでいってくださいね~」


 さっきから思ってたんがこの見張軽すぎないか?

 普通はもっと厳格な人が見張するべきだな。

 そんなことを考えていると


「……キラくん。……頼み事があるのですが……」

「ん? どうした?」


 するとソニアが顔を真っ赤にして


「……お金を……貸してください……絶対に返しますから!」


 どうやらお金が3000ミルほど足らなかったらしい。

 俺がとれる行動は


 1.見捨てる

 2.3000ミル渡す


 助けてくれた人を見捨てるなんて、恩を仇で返すようなこと、絶対にしたくない。

 3000ミルぐらいお安いご用さ。


「ほいっ。これで足りるか?」


 すると顔が赤いままパァと笑顔になって


「ありがとうございます、ありがとうございます。必ず返します!」

「いや、いいよ、それくらい。俺だって助けてもらってるんだ。これでお相子だろ」

「いや……でも……」

「それじゃあ俺とパーティー組んでくれないか?俺が足りないところをソニアが補う。ソニアが足りないところを俺が補う。どうだ?」


 ソニアの返答を待っていると、


「あの~いいところ悪いんすけど早く入ってくれないっすか?後ろつっかえてるんすよ~」


 そこではっとする。後ろを見ると、後ろが見えないくらい混んでいた。


「「あっすいません(でした)」」


 俺とソニアが声を揃えて、そそくさとその場を去った。

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