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91話 顛末

は?なんでエミリア王女が?


「何故わしの娘であるエミリアが捕らえられているか不思議か?だが、お前に心当たりあるのではないか?」


心当たりだって?

それは…………ダンジョンの時に話し合ったこの国について調べていこうっていう協力関係のことか?

だが、あの時リリアさんは居ないことを確認した。

その事を知るすべをこの人は持っていないはずだ………………。


「ふむ。分からんか?まあ、いい教えてやろう。君の隣に居るメイドが君に入れ込んで虚偽の報告をしていることは分かっていた。それならば、そのメイドがわざわざ報告を偽った君のことを監視するのは当然だろう。」


「な!? 」


リリアさん以外にも僕のことを監視していた人がいたということか?

というか、何故リリアさんが虚偽の報告を…………。

僕が驚いていると国王直属情報隠密部隊隊長のメイドが話し出す。


「それに、元々ただの平民崩ればかりのメイド達の情報など信用しきれないに決まってるではないですか。それを監視するためにこの私がいるのです。」


くっ!

つまり、僕達がダンジョンに籠ってる様子を監視していたリリアさんを更に監視してたのか?


「ついでに貴方のことを調べておこうと思い、リリアを伝令で呼び出して遠くから監視していたら、予想外のものが見れたのでよかったですがね。」


メイドの隊長は話をしながら、エミリア王女の方を見る。

つまり、2日目に僕とエミリア王女で協力協定を結んだ時を監視されていたということか。

あの時、リリアさんが居なかったのはそのせいか…………。

それでこの国の政府に反抗的と判断してエミリア王女を拘束したということだな。

だけど!


「でも、いくらなんでもエミリア王女はあんたの娘だろ?何で兵士なんかに拘束させてんだよ!エミリア王女はただこの国のことを思って行動したんだろ?話を聞いてやってもいいんじゃないのか?」


「ふっ、その女は我が娘ではない。ワシがこの国のために必要なことだと言ってやったのに否定しおった。勇者の力を使い魔族どもを始末し、周辺諸国を属国にすることによって我が国は更なる繁栄を遂げるのだ。」


エミリア王女はその言葉に反応し話そうとしているが猿轡されていて話せていない。


「まあよい。君に選ばせてやろう。今君が直ぐに投降するなら命だけは助けてやるし、この娘とそこのメイドも命だけは助けてやる。一生監視下にいて、他の仲間には合わせないがな。

だが、もし少しでも抵抗するなら君と他の二人もこの場で死んでもらうことになる。」


「さっきは死んでもらうとか言ってたのに信用出来るわけないだろう!」


「ふっ、気が変わっただけだ。その勇者にも対抗できる力をワシのために有効利用しようというだけだ。」


味方はリリアさんと僕、それに対し相手は格上3人、圧倒的不利な状況。

ここは、ひとまず捕まって様子を見るしかないのか?

今の僕の強さではどうにもならない。


「分かりました。投降しま……!」


投降の意思を伝えようとしたら、リリアさんに手を引っ張られた。


「逃げます。着いてきてください。」


「だけど、エミリア王女が!」


「今の私たちに彼女を救うすべはありません!投降したところで殺されて終わりです。」


僕達は王の間を飛び出して、逃走を開始した。



ということで逃走を始めました。

正直好き嫌いが別れる展開だと思うのでかなり不安ではあります。

ただ、私が書きたかった物語はこんな感じなのでこれからも見ていただけると幸いです。


なんか、フラグの回収を一つ忘れてる気がするんだけど…………。

後々忘れてたフラグ回収を書きたすかも?

※ストーリーに大きく影響しません。



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