87話 帰還
ふう、やる気も出てきたしこれからも頑張ろう。
そう言えば、沙耶さんには結構冷たい態度で接してたかも?
正直めっちゃ落ち込んでたから、あんまりよく覚えてないんだよな。
取り敢えず明日謝ろう。
さて、じゃあ今日は寝るかな?と思ったが久しぶりにリリアさんと話せるし、リリアミン(ビタミンみたいなもの)を摂取しなければ!!
リリアさんに「じゃあ、取り敢えず、体を火傷で痛めちゃったんで手が痛くて食べるのが辛いんです。アーンしてもらっていいですか?」っとか言ってからかった。
すると顔を真っ赤にして「なんでそんな事言うんですか!元気になってもらえるのは嬉しいですがこんなのは求めてません!!」って言ってくる。
結局は目線が合わないように真っ赤な顔を横を向きにしながらアーンをしてくれた。
前も一度おんなじことしたのに慣れることなくこの反応…………ピュアな乙女だなぁ~。
はぁぁ~~癒される…………ブバァーーー……………………。
「ちょっ!美月様!鼻から出てます!」
「え?なにが?」
僕は手を鼻に当て確認すると手が真っ赤になっていた。
どうやら僕は、リリアミンの過剰摂取により鼻から鼻血(愛の結晶)を流して貧血気味になったようなのでもう一度[再生]を自分に掛けて早めの就寝についた。
やはりリリアさんの萌え力は侮れない。
翌日、僕は沙耶さんに昨日の態度について謝ったが特に気にしてなかったで「え?なんのこと?」と言っていた。
そして、今は王城に帰るための馬車に乗っている。
今回ダンジョンに行って僕らがある程度強くなったから、勇者で有ることを公表するために王城に帰っている。
今までは魔族に狙われる可能性があったから、表立って勇者の存在を明かすことができなかったが、皆レベルも上がったし勇義にいたっては精霊と契約している。
後でエミリア王女に聞いてみたら精霊と契約してる人間なんて国に100人も居ないそうだ。
そして、その中でも大炎精霊は炎の精霊の中で観測されている個体が3体しかいないという程の超貴重な存在らしい。
当然、大精霊と契約してる人間などこの国に一人たりとて居ない。
そんな訳で僕達は勇者として実力は十分とは言いがたいが、一般的な魔族に対抗できる程度の実力はある判断されたのだ。
あ!
因みに、リリアさんは馬車には乗っていない。
やはり、リリアさんは無断で僕と接触したのだろう。
だから、他の人にバレないように別口で帰ったのだろう
「これからのことだけど、どうするの?」
「うーん。そうだな、今の僕達はパーティーメンバーが少いからメンバー補充は欠かせないだろう。」
「だけど、私達のパーティーに入ってくれる人なんているかなぁ?正直、勇義と戦っちゃった時点でなかなかクラスの人が進んでパーティーに入ってくれる気がしないよ?」
「そうなんだよなぁ~。はぁ~、取り敢えず次にダンジョンに行くまで時間も有るだろうし気長に考えようか。それまでは訓練でもして時間を有効活用しよう。」
勇者のお披露目となれば式典だのなんだので時間を取られて、あまり訓練は無いだろうしな。
「そうだね。今回で私も力の無さを痛感したし…………。そうだ!美月にお願いが有るんだけど?」
ん?なんだろう?
「私と対人戦の訓練してよ。美月なら訓練で万が一の事故も起こらないようにできそうだし、それに私より圧倒的に強いでしょ?だから私に戦い方を教えてよ。」
「いやぁ~それは流石に危ないし。」
「言ってなかったっけ?私両親が警察官だったから子供のこれから近くの剣道場に通ってたの。こう見えて急所を避けて攻撃するとか、急所を避けるとか得意なのよ?
それにこれが一番重要なんだけど、騎士団の訓練はあんまり実戦で使えそうな感じが無いんだよ。」
僕は一応魔法職だから、近接戦を教えているという騎士団の訓練内容を知らない。
話を聞いてみると、騎士団の訓練というのは剣舞であったり、素振りであったり、スキルを案山子に撃ったりするだけのようだ。
対人戦の訓練をやることもあるが、お互い交互に攻撃を放つという実戦とはかけ離れたものらしい。
強くなれることはなれるが実戦に通用するものになるとはとても思えないとのことだ。
「まあ、そう言うことなら……一緒にやろうか。」
恐らくいずれ戦うであろう魔族も人型で武器などを使ってくるだろうし対人戦経験も大切だろうしな。
それに、剣を使う相手との訓練も大切だからな。
リリアさんとの訓練は減らして沙耶さんとの訓練も進めていこう。
そうこうしているうちに、王城についた。
実に14日ぶりの帰宅だ。
いやはや、ダンジョン編終わるまで時間がかかったな。
皆さんには、ぐだぐだ時間をかけてしまいすいません。
こっからはちょっと物語をすすめていきますよぉ~~~~~~~。
(о´∀`о)