80話 決着?
「それでは、これから決闘を始めます。
万が一に事故があるといけないので、どちらかのHPが半分を切るか、降参するか、私が勝ちと判断するの3つの内のどれかが発生したら試合は終了ということにしますね。」
勇義は剣を構えている。
僕もいつでも動けるような構えをとる。
「では!スタートです。」
勇義は開始直後に勢いよく走り出すと僕に攻撃してくる。
「[スラッシュ]!」
速いっ!
だが交わせないほどではない。
[スラッシュ]とは剣を横一線に薙ぎ払うスキルだ。
このダンジョンに入ってから散々見てきたから動きが分かりやすい上に、[魔力視]で見ていると発動前に腕にマナが集められているのが分かるので更に簡単に察知できる。
僕は勇義の攻撃をバックステップで交わす。
基礎ステータス倍加の力でリリアさんと同じくらいの敏捷値になっているが、リリアさんと比べると遥かに動きが遅い。
恐らく勇義自身がその高過ぎる基礎ステータスについていけてないんだろう。
しかし、勇義はその事に気付かずに攻撃を続けてくる。
「今のは交わせたのか……。だが、次はそうはいかないぞ![ダブルスラッシュ]!」
次のスキルは見たことないが、マナの動きでおおよそ推測でき、僕は避けることに成功した。
結局[ダブルスラッシュ]は[スラッシュ]と同ように横一線に剣を切ったあと、反転してもう一度横に切るスキルだったようだ。
「くっ!また避けたのか……。だがいつまでも避けられると思うなよ。」
次々と勇義の剣技が放たれるが当たる寸前の所で交わし続ける。
勇義の顔に徐々に焦りが見え始める。
状態異常の効果時間もあるし、そろそろ攻撃に移らさせて貰おう。
僕と勇義のステータス差なら万が一は起こらないだろうけど、一応ただの打撃スキルの[掌打]にしておこう。
僕は勇義の攻撃を交わすと擦れ違いに勇義の腹に一発打撃を加える
「ぐぉっ!」
勇義は痛みで仰け反るものの直ぐに体勢を立て直してくる。
予想通り僕の手加減がなくとも大丈夫だっただろう。
「こんなものか。こんなのに僕は負けるわけにはいかない!」
如何にも主人公な台詞をはきながら攻撃してくる。
このままじゃ何度も攻撃するはめになって僕の状態異常の効果が切れるかもしれない。
「確かに勇義君は主人公かもしれなかいが、ここは負けイベント。僕の勝ちにさせてもらおう!」
思わず出てしまった本音と共に、僕は勇義の攻撃してきた腕を持ってから、柔道の投げ技で投げる。
そして、そのまま固め技と同じ要領で勇義を地面に組伏せる。
こうなってしまえば、いくら倍近いステータス差があっても簡単には抜け出せない。
「これで僕の勝ちだ。」
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皆様ありがとーございます。
まさかこんなに沢山の方に見てもらえるとは………………。
これからも頑張っていきます。
ps,眠いです。(-.-)ZZZZzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz