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78話 デュエル スタンバイ

ゴーレムが消えると次の層へと続く階段の扉が「ギギギィー」と音を立てて開かれた。


「美樹ちゃんは大丈夫だった?ごめん僕が不注意だったばかりに。」


「うん、勇義君が助けてくれたから……。も、もちろん、美月君が一人でアイスゴーレムの相手をしてくれてなかったら、その前の段階で私達は全滅してたかもしれないから、美月君のお陰でもあるんだよ?」


勇義のお陰げで助かったという美樹ちゃんの言葉に少し反応してしまったからだろうか?美樹ちゃんが直ぐに僕のフォローをした。


「別にそうゆうんじゃないよ。大丈夫ならいいんだ。」


そう言って美樹ちゃんに気にしてないと伝えた。


「美月はよくやったよ。私なんて何も出来なかったから……………………。」


「そんなことないさ。あのあとのパターンを組んで攻撃をしてた時なんか沙耶さんは、凄い勢いで攻撃してたじゃないか。」


「まあ、最初に美月に一人だけで戦わせた私が不甲斐ないと思ったからかな?せめて役に立ちたいと思って。」


僕達のパーティーは反省会って感じの空気になってしまってるな。

他の人達はどうだろうか?


「ドロップアイテムはなんだ?」


クラスメイト達はドロップアイテムが気になるようで皆で見ている。

今いるメンバーで[高位鑑定]が使えるのは僕とエミリア王女だけだから見たとこで具体的なプロパティまではわからないだろうけど。


「僕達も見に行こうか?」


声を掛けて見に行く。

そこにあったのは、透明薄い水色の結晶で作られたリング型の指輪だ。


「何だか水晶のようリングだな。」


「リングってことは、魔法効果とかのある魔道具なのかな?」


見てもさっぱり分からないし鑑定だな。



魔仙リンク・・・装着者の魔力値と魔耐値を25アップするリング



単純な効果ではあるがかなり有用なアイテムだな。

普通の冒険者のステータスを考えるとかなりのものな筈、何せ、このリングだけで2,3レベル分のステータスが上昇するんだから。

ただ、このアイテムの分配はどうなるんだろうか?


「お疲れ様です皆さん。そのアイテムは[魔仙のリング]と言って魔力値と魔耐値を25アップする効果があるようです。これはこの10層では滅多にでない位のレアアイテムですよ。」


「それなんですが、エミリア王女アイテムは誰のものにしましょうか?」


「そうですね~。まあ、全員で分けるわけにもいかないですし、この戦いで活躍した人で良いのではないでしょうか?順当に考えるなら、私と美樹様をゴーレムから守って下さった勇義様、あとは一人で前線を数分間も支えてくれた美月様のどちらかでしょう。」


僕か勇義か……。

まあ、ぶっちゃけあのくらいの効果ならいらないかな。


「待ってくださいよ。美月君が活躍したなんて冗談止めてください。ただ美月君は守ることが出来ず逃げていただけです。そんな奴が活躍したなんて有り得ません。」


流石ここまで言われると腹が立つんだがな。


「そこまで言われると僕も腹が立つんだけど。」


「そこで!僕と一対一で決闘をしようじゃないか。僕が勝てば、アイテムは僕のとなり、美樹さんも僕とパーティーを組むってことにしよう。君が勝てばその逆だ。」


美樹ちゃんを賭け事の商品にするなんて、物だとでも思っているんだろうか?


「アイテムはそれでもいいが、美樹ちゃんのことは僕には判断出来ない。」


「何だ?負けるのが怖いのか?まあ、所詮君ごときの強さじゃ怯えてしまうのも仕方ないかもしれないな。」


いちいち苛立たせてくるな。

美樹ちゃんの方を見ると、美樹ちゃんは僕に任せるとでも言うように頷いている。


「分かった。その条件で構わない。」

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あとは、題名は「デュエル スタンバイ」ですけど、次回に城○内君が死んだりするわけではないでないですよw

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