71話 スキル説明
遅くなってすいません。
しかし、会社が忙しく二週間くらいははこんな感じになります。
美樹ちゃんと沙耶さんの所まで戻ってきた。
周りを見ると皆パーティーに別れて探索に入っているようだ。
「さて、じゃあ行こうか?」
「ちょっと美月!そんなこと出来るんなら先に教えといてよ!」
「うん。その辺の話も後でするから、先に移動しよう。」
僕達も皆が居たところを離れて歩きだす。
ある程度離れると沙耶さんが聞いてくる。
「それで[索敵術]で索敵出来るってのは本当なの?」
「まあ、それは出来ないことは無いけど、確実性は低いかな?」
「それじゃ、どうするの今日の探索!っていうかエミリア王女はなんで許可出したのよ!」
さて、それじゃあ[状態異常妄想]の事についてを話そうか。
「まあ、簡単に言うと「索敵術」に代わるスキルがあるってことだよ。」
「でも美月君はそんなスキル持ってないよね?」
美樹ちゃんは[鑑定]を持っているため、僕のスキルを知っている。
なので僕のステータスにそれらしいスキルが無いことを言っているのである。無論、[高位遮蔽]で遮蔽してある魔人族や最初に比べると異様に高くなっている僕の基礎ステータス・[ティム]等は知らないだろうけど。
「まあ、それがあるんだよ。僕の職業スキルの[状態異常妄想]の効果によってね」
「?それってどうゆうことなの?状態異常を掛けたり、解いたりするスキルなのになんでトラップを見付けたりすることに繋がるの?」
「美樹ちゃんはこのスキルの効果を調べる時に少し手伝ってくれたじゃないか。その時は分からなかったけど、そのあとに重要なことが分かったんだ。」
「その効果がトラップに関係あるってこと?」
「まあ、結論を言うとそうなるね。
具体的に言うと[状態異常妄想]の効果は使用者の想像した状態異常を使うことが出来るスキルだと思うよ。そしてその効果が高ければ高いほど消費MPが増ていくわけさ。でその状態異常を自分に掛けて自分を強くすることが恐らくこのスキルの本質だと思うんだよ。」
「そんなに便利なスキルなのになんで誰も使ってないの?」
「それは使わないんじゃなくて、使えなかったんだよ。この使い方をするには尋常じゃないくらい消費MPが掛かるんだ。そのうえ、元々職業が妄想師の人間はかなり少ないし、戦闘職業じゃないからレベルも上がってない。それらの理由が組み合わさって今まで誰も使えなかったんだ。」
「尋常じゃない消費MPってどのくらい?」
「例えば、今からトラップを探すのに使おうと思っていた[魔力視]の状態異常はたった5分使うのにMP1500も使うよ。」
「え!?それって私の最大MPよりも多いね。つまり、レベル1でも3500もMPがあった美月君に最も適したスキルってことなのね。」
まあ、僕以外にまともに使いこなせるような人はそうそういないだろうな。
「まあ、それが[状態異常妄想]そのものの説明だね。次は[魔力視]について説明するよ。」
「「うんうん」」
いつの間にか二人とも身を乗り出して話を聞いているから話ずらいな…………。
「えっと、そんなに期待されても困るけど……。まあ、簡単に言うと[魔力視]は名前の通り
「どうゆうことなのよ!魔力が見えたって魔法によるトラップでもない限り分からないじゃない!」
「ちょっと落ち着いてよ沙耶さん。
なぜ魔力が見えるとトラップが分かるかというとダンジョンそのものの構造が関わってくるんだ。普通に地上で落とし穴トラップが設置されているなら確かに僕にはトラップの位置は分からない。
でもダンジョンにあるすべてのものは魔力によって作られていると考えられてるんだよ。それを裏付けるかのように魔力視でここいらを見ていると全ての物にかなりの量の魔力が含まれているんだ。だからもし、地中に穴が明いた空間が有れば魔力ですぐ分かるし、弓矢とかでも他より濃い魔力が有るから分かるって言う訳だよ。」
「便利だね。」
「まあね。その他にも戦闘でも相手の魔力を使った攻撃のタイミングを判断しやすかったりとか、かなり使える力だよ。本来はその便利さに合わせて消費MPを高くなってるんだと思うよ。」
「その高い消費MPも美月君には問題ないってことなんだね♪」
あれ?なんか美樹ちゃんの機嫌がかなり良くなってる?
さっき迄は勇義が押し掛けて来たせいでかなり機嫌が悪かったのに?
「どうしたの美樹ちゃん?なんか急にテンション上がってない?」
「別にそんなんじゃないよ。だだやっぱり美月君は凄かったんだなって。嬉しかっただけ。」
僕のことなのにそんなに喜んでくれるなんて嬉しいな。
「で!つまりその[魔力視]を私達にも掛けて3人でトラップを探知しながら探索するわけね。」
考えてたら沙耶さんが話掛けてきた。
「いや、そうゆう訳にもいかないんだ。」
「なんでよ?MPの節約とか?それなら安全を第一した方がいいから二人くらいは使ってた方が良いと思うよ?」
「いや、使えないんだ。このスキル単体ではスキルの消費者以外には一般的な状態異常以外は多分掛けられ無いんだよ。実際に掛けて見たけど自分の時に掛かるMPの3~4倍位の最大MPを持ってても使えなかったから。」
「え~!私は魔力見られないの~?折角また強くなれるチャンスだと思ったのに。」
「まあ、何事も簡単にはいかないってことだね。トラップは問題なく見付けられるだろうから、早速魔物探しに歩こう。」