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62話 就寝方法

「本当にご飯美味しかったね。最近食べてたのは味が単調で飽きてきてたけどここで美味しいものが食べれて良かった。」


あの後、僕達は普通の保存食を食べてから再度エミリア王女の所に集合している。


「さて、夜ご飯も食べていただいたことですし次は就寝ですか。寝袋と簡易テントは今から[アイテムボックス]から出すのでそれを使ってください。」


今からは、就寝の時間になる。

因みになぜ時間が分かるかというとメリスタダンジョン内でもこの3層の草原エリアは疑似太陽のようなものがあり、しっかり朝夕晩が分かるのでそれに合わせて衣食住をしている。

洞窟系の層以外ではほぼすべての層に疑似太陽があるようだ。

今は夕方でこの世界では当然電化製品はなく光源魔法しかないので明るいうちに睡眠の準備をしているのだ。


「これから先、実際にダンジョンに潜って行くことを想定してパーティー単位で集まって準備・睡眠することとします。」


パーティー単位でってことは……。

いやいや、いくらなんでも相手は女の子なんだからそれはダメだよね。


「じゃあ、寝袋とテントを取りに行きましょ。」


エミリア王女の前まできた。


「じゃあ、寝袋3つとテント1つお願いします。」


「そ、それはまずいですよ。沙耶さん!」


「だって一緒のテントじゃないと美月はテントの中に一人ってことでしょ?いくらなんでもそれは危なすぎじゃない?」


「う!それは確かにそうだけど…………。」


確かにいくら近くにクラスメイト達のテントがあるからといって一人で寝るというのはかなりリスキーな行為だ。

遠くから魔物が歩いて来るなら基本的に僕の所に来る前に他のクラスメイトに見つかって戦闘が始まるだろうが、僕のテントの近くで魔物が湧く可能性がある。

その場合僕は何も抵抗出来ず殺されてしまうだろう。


「ねぇ?夏蓮もそう思うわよね?私達の大切なパーティーリーダーを一人にして危険に晒す訳にいかないよね。」


「え~~!そそそれはそうだけど……。」


「な~に。夏蓮は美月と一緒なのが嫌なの?」


「嫌じゃない!!…………けど恥ずかしい。」


ここはやはり辞退しよう。

せっかく一緒に寝れるけど、美樹ちゃんも恥ずかしがってるし多少の危険もテントを近くに建てさえすれば、リスクを減らせるだろう。

そうと決まれば、


「エミリア王女。テントをもう一セットお願いします。」


「あー!勝手に頼んでるし!」


「やっぱり良くないよ。それに近くでテントを建てればそれなりに危険を防げると思うよ?」


「もう!折角美月のために女の子二人と一緒に寝れるようにしてあげようと思ったのに……。」


「それが本音か。一体なんのためにそんなことをする必要があるって言うんだよ。」


「それはもちろん、美月と夏蓮を一緒の部屋にしてその様子を観察しようと。あわよくばそのまま最後まで見てっって、痛い痛い痛い痛い。頭が軋んでる。みしみし言ってるから!」


「さ~~や~~。私ね真剣考えてたの、恥ずかしいけど美月君のために頑張らないといけないって思ったり、それでもやっぱり恥ずかしくて、いいよとは言えなくて申し訳なく思ったり…………………。なのに沙耶はそんなことを考えてたなんて………。お仕置きだね♪」


美樹ちゃんは沙耶さんの頭を掴んで潰そうとしている。

そして話している最後のところだけ何故か凄い笑顔だけど寒気がした。


「いや~~。助けて~~美月~~!」


そうだな。まあ、あくまでもちょっとした悪ふざけだったんだろうしちょっと助けてやるか。


「美樹ちゃん!」


「美月!助けてくれるの?」


沙耶さんの目が輝きを取り戻した。


「なあに~?美月くんまさか邪魔なんてしないよね!ちょっと躾するだけだから安心して。」


美樹ちゃんよ目に何故か狂気が宿っているようにみえる。


「…………。なんでもありません。呼び止めてしまってすいません。」


「まさかの敬語!ってそれより私のことを見捨てないで!」


僕が目線を合わさないようにしていると沙耶さんの目が捨てられた犬のような目になってしまった。


「往生際が悪いわよ。ほら観念してこっちに来なさい。」


「いやゃゃ~~~~。」


さて、これで一一件落着か。

テントでも建てて待ってよう。





ブックマーク・感想・評価お待ちしております。


あとはすいません。リリアさんを最近出せてなくてすいません。

ちょっとまだ当面は出せないかな?取り敢えず主人公と会話は出来そうにない。

そして俺つえーーー待ちの方はすいませんまだ少しかかります。

もう60話近いのに今さら感はあるんですが、主人公にはそのうち急激に超絶強くなってもらいます。

今しばらくお待ちを何卒よろしくお願いします。

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