41話 ラズリとの探索
エミリア王女との話が終わってからは普通にダンジョン探索を行っている。
30分程の間に3体の魔物を倒す事ができてレベルも1レベル上昇した。
するとエミリア王女から声がかかる。
「そう言えば、前から気になっていたんですが美月様のステータスに載っているラズリというスライムは何処で出会ったんですか?」
「ラズリは元々はリリアさんが僕のスキルの試し打ち用に買ってきてくれた魔物だったんですが、始めて会った時に可愛い過ぎて殺しちゃうのが可哀想だったから、[ティム]で使役獣にしたんですよ。」
「へー、そうなんですか。王城から出たことがなかったのにスライムを[ティム]していたのでびっくりしたんですよ。」
「あぁ、すいません。」
「で、そのスライムは今は宿に置いてきているんですか?」
「いえ、今ここに連れてきてますよ。見ますか?」
「是非!」
僕はラズリを常に連れて歩いている。
どうやって常に連れているかというと、[ティム]のスキルを持っている人が[アイテムボックス]のスキルを持っていると本来は生き物を入れることが出来ない[アイテムボックス]の中の使役獣だけは仕舞えるようになるのだ。
だからラズリは普段、僕の[アイテムボックス]の中にいる。
<[アイテムボックス]>
ラズリ~出こーい。
「ムギュ?……!ムギュギュ!!」
初めは[アイテムボックス]から出されてびっくりしていたのに僕に気付いたら足飛び付いてきた。
めっちゃ可愛いいな。
エミリア王女はどう感じるんだろう?
「か、可愛い。触ってもいいですか?」
「ですよね!どうぞ触ってあげてください。」
エミリア王女はラズリを撫で撫でしている。
ラズリも嬉しそうにだる~んと体が延びている。
「エミリア王女、ラズリのレベルも上げさせたいのでこのまま連れて冒険しても良いですか?」
「はい。構いませんよ。私もラズリちゃんと一緒に居たいですし。」
それから移動するために歩きだしたのだがラズリが遅い。
一生懸命に頑張っているのは分かるんだけど地面が凸凹しているから大変そうだ。
仕方ない僕が抱えてやろうか?
「ラズリ、ほらこっちにおいで。」
ラズリは喜んだようにこっちにすり寄ってくる。
ラズリを抱えてやるといつもと違う視線の高さに興奮しているようだ。
「高いとこ好きか~?」
「ムギュ!ムギギュ~!」
どうやら好きなようだ。
「じゃ、僕の頭の上に乗せてやろう。僕の戦闘中に両手があくしね」
ラズリを頭の上に乗せる。
「頭の上で休んでると帽子みたいで可愛いですね。」
「少し重いけどな。」
探索のスピードも元に戻ったのでダンジョン探索を再開する。