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38話 あの人との探索

「では行きましょうか、美月様。」


僕は今、エミリア王女とダンジョン探索中だ。

なんでこんなことになったかと言うと……。

美樹ちゃんと別れたあと皆でダンジョンに入った。

皆はそれぞれのグループに分かれてダンジョンの中には散っていったが当然僕に一緒に探索する相手なんて居ない。

したがって皆が居なくなってから1人で行こうかなと思っていたら、昨日は早々に探索に出掛けたから知らなかったがエミリア王女が最後の1人まで確認していた。

皆は次々とダンジョンの奥に行くなか最後のグループが探索に旅立った。

残ったのは、僕と苦笑しているエミリア王女。


そして眼があってさっきの一言に繋がる


「では行きましょうか、美月様。」


「それは有難いですけど……勇義君と行かなくていいんです?」


「な!なんで勇義様の名前がでてくるんですか!」


「それは、エミリア王女が気のあるような態度をされてましたし……一緒に行ってアタックするのかな?と思ってたんですが。」


「勇義様の事は確かに気になりますけど………。でも!それと仕事の事は別の話です。それより早く魔物を探しに行きましょう。」


「分かりました。どっちに行きますか?」


「好きな方向にどうぞ。美月さんは経験値をたくさん欲しいでしょうし、私のレベルだと一層の魔物の経験値なんてたかが知れてますし。」


「そう言えば、エミリア王女のレベル知らないですけど、聞いてもいいですか?」


「美月様は訓練に途中から参加したので知らないかもしれないですが、他の方々にはもう教えていますよ。私はレベル42、近接戦闘を教えている騎士団長はレベル69ですよ。」


「それってどのくらい強いんですかね?思い返しても平均的強さを聞いたことはありますが最強がどのくらい強いかはあんまり聞いたことないです。」


「そうですね。ランクC~B熟練の冒険者や一般的な騎士団員はレベルは25~35くらいでしょうか?

冒険者ランクAとか国でも指折りの騎士ともなるとレベル45~70くらいですか?冒険者ランクS~SSSや歴史に残るような英雄はそれ以上になりますよ。

いままで私の国の記録に残っている最大のレベルは114レベルなんですよ。この方は300年程前の人でこの国では知らない人が居ないと言うほど有名な英雄なのです。」


リリアさんはレベル58なのにステータスには冒険者ランクSって書いてあったな。

やっぱりそれって技術でレベルをカバーしてるのかな?


「へぇ~、エミリア王女は王女様なのに凄く強いんですね。それに騎士団長さんはもう少しで英雄なんて呼ばれるようなひとなんですか……。」


「まあ、あくまでも目安程度の分け方ですよ。レベルが低くても英雄と言われる人もいますし、レベルが高くても辺境にいて有名にならなかった人もいます。」


「まあ、レベルだけが全てではないと言うことですか。」


「そうですね……、あっ魔物が出現しますよ。」


振り返ってみると光の粒子が集まっている。

昨日でのの魔物の攻撃パターンは覚えたし、魔物の攻撃を待つ必要はない。


<[掌打]>


スキルにより威力を増した一撃が魔物にあたる。

魔物はアイテムを残し、光の粒子になって消えた。


《エミリア=ガイドミルによる[高位鑑定]を受けました。[高位遮蔽]の効果により一部スキルの遮蔽・偽装に成功しました。》


急な[高位鑑定]を受けたので咄嗟に詠唱王女の方を見る

なんで今のタイミングで調べたんだ?


「ねぇ、やっぱり美月様はメイドの秘密を知っているのでしょう?」

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