34話 初の対魔物戦闘
先程の広場から5分程の所まできた。
「ここいらで、魔物が湧くのを待とうか。」
「そうだね。」
リリアさんもこっそりと後ろから着いてきているようだ。
勇義とかを監視してなくていいのだろうか?
「とりあえず、魔物が沸いたらまずは僕が戦うよ。まだ実戦経験も少ないから、連携をしようとしてお互いの攻撃に当たってしまうかもしれないしね。」
「分かったけど、気を付けてね。」
「うん、まあなんとか頑張ってみるよ。」
突然光の粒子が集まってくる。
魔物の出現の合図だ。
「下がってて。」
現れた魔物は1m30cm位の哺乳類だな。
<[高位鑑定]>
種族:ジャイアントラット
年齢:0才
性別:♂
職業:ジャイアントラット
level.3
HP:60/60
MP:15/15
筋力値:36
耐久値:29
魔力値:15
魔耐値:24
敏捷値:45
職業スキル
噛み付き・体当たり
特別強い個体とかではなさそうだ。
とりあえず、初の対魔物戦闘だ!簡単に終わらせるのは勿体ない訓練の為に時間掛けて倒そう。
よし、戦闘前に、
<[状態異常妄想]レベルアップ時ステータス上昇強化レベル1付与>。
やっぱりこうゆうのはレベルが低いうちにコツコツやっておいたほうが後々いいからな。
「キュギュー!!」
「ネズミって鳴き声初めて聞いたんだけどこんなんなんだ。」
ジャイアントラットは鳴き声を出しながら突っ込んでくる。
正直めっちゃくちゃ遅い。
敏捷値が僕の半分とはいえ、リリアさんとの訓練を普段からしていたこともおおきいんじゃないだろうか?
遅すぎて練習相手になるかどうか悩む所だな。
ジャイアントラットは口を開けて歯をギラつかせている。
身体の動きを見る限り[噛み付き]をしようとしているようだ。
僕は、ジャイアントラットが噛もうとした瞬間にバックステップでかわす。
次は、1度溜めを作ってからの[体当たり]のようだ。
これはサイドステップでかわす。
この後も何度か技を見てみたが、ほぼこの二つしかなくこれ以上は成果がないと思う。
多分この魔物はあまり知能が高くないタイプなのだろう。
それでも魔物の戦い方を知る事ができた。
そろそろ終わらそう。
ジャイアントラットの[体当たり]をかわして側面に、
<[掌打]>。
ジャイアントラットは弾かれたように跳ばされると、光の粒子になって消えた。
今回のアイテムドロップはジャイアントラットのキバだ。
[高位鑑定]の効果によるとどうやら砕いて薬の材料にして活用するようだ。
レベルこそ上がらなかったかったがかなりの経験に為ったな。
「お疲れ様。攻撃せずに何度も攻撃をさせてるから心臓に悪かったよ。」
「ごめんね。ただ、攻撃をかわしたりする練習も必要だからね。危険がない今のうちに経験しておきたかったんだよ。」
「うー!それなら仕方ないけど~。なんか納得いかない!」
再び光の粒子が集まる。
「ごめんごめん。でも次は美樹ちゃんの番だよ」