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32話 クラスの課題

美樹ちゃんと勇義が皆の所に行って直ぐに吉野先生が来る。


「美月君、私はそうゆうのは感心しないな。」


「なんのことですか。」


「確かに美月のステータスは他の人達と比べると少し良くないかもしれないけど、いつも回りをよく観察してるし、こんな時でも落ち着いてるから、きっと皆の役にたてると思うよ。だから自分を卑下しないで。」


勇義と一緒に居たくないから行かなかっただけなんだけどな。


「それよりも、勇義がクラスの皆纏めている今の状況を先生はどう思いますか?」


「先生は勇義君の様なリーダーシップはないから、勇義君が率先して皆を纏めてくれるのは助かる。でも勇義君はちょっと人の話しを聞かないところがあるから、そうゆうところを美月君が補佐としてサポートしてあげてほしいな。」


「そうですね。そうできたらいいんですけど。」


勇義自体は悪い奴じゃない。

むしろかなりの正義感の持ち主だ。

勇義のリーダーシップはかなりのもので、このクラスを纏めることを考えると勇義がリーダーでいる方がいい。

しかし、勇義は自分に都合の良いことを正しいことと判断することが多いのでもしこの国の人間が悪意を持って勇義に接してきたら都合よく利用されてしまう。

だが、勇義にサポートの人を付けた所で自分と違う意見に耳を貸すとはあまり思えないな。

ましてや、今悪と認識されてしまっている僕の意見をまともに聞くなんてあり得ないだろう。

出来れば誰か勇義を上手くコントロール出来る奴がいると助かるんだか。


「じゃあ、美月君よろしくね。」


「まあ、善処しますよ。」


先生も皆のとミーティングに行った。


しばらくすると、エミリア王女が来てダンジョンに行くことになった。

ダンジョンまでは、また馬車でいくことになった。

余程、外の様子を見せたくないのか?

それとも単に魔族に勇者の存在を知られたくないだけか?

そんな事ことを考えるとダンジョンに着く。

ダンジョンは普通車が入る位のサイズの洞窟で高さは3m位ありそうだ。


「お~、これがダンジョンか。」


「わくわくしてくるな。」


「さあ、早く入りましょう。入り口直ぐには沢山の人が居て訓練に向いてないですから奥に進みますよ。」


はぁ、クラスメイトかなりはしゃいでるな。

あまり、調子に乗って大変なことにならないといいな。

ダンジョンに入ると中は広くなっていてかなりの冒険者がいる。


「ここの冒険者の人達はなんでここにいるんですか?」


「ここにいる人たちは、まだそこまで力を持ってない人達が魔物が湧くのを待ってるんですよ。入り口付近ならもし特異個体が現れてもダンジョンの外に逃げれますからね。」


「特異個体っていうのは?」


「普通と違う魔物のことです。種類は色が違ったり、属性が違ったり、サイズが違ったりと様々ですが、一様にして元の一般的な固体より強いことが特徴です。」


ふーん、そんな魔物もいるのか、いずれはそうゆう魔物も[ティム]してみたいな。

沢山のいる冒険者達を越えて30分ほど歩き、一層の辺境の少し広くなっているところにきた。

今の所まだ魔物には遭遇していない。

そして今まで30分間歩いて来てひとつ気付いたことがある。

このダンジョンに入ってから不足の事態に備えて[状態異常妄想]を使い自分に魔力視の状態異常を掛けている。

僕は[MP自動回復強化レベル5]のお陰でMPが秒間10.5ポイント快復することが分かっている。

つまり1900ポイントのMPを消費する魔力視を自分に掛けていても、状態異常が解ける5分後にはもう全快だ。


なので魔力視をダンジョンに入ってからは常に自分に掛けていたのだが、自分達を追っている魔力が有るのに気付いた。

っていうか一番よく知ってる魔力である。

さりげなく後ろを見てみると、壁からヒラヒラしたレースの入った服が見える。

これも最近よく見ていた服の一部だ、というよりメイド服。

そう、僕達を追っているのはリリアさんだ。

国王直属情報隠密部隊としての監視なのかな?

でもそれならエミリア王女がいるから必要ないと思うけど。

ふーん、もしかして僕達に監視があることをエミリア王女や副騎士団長は知らないのか?

ただ、監視してるのにそんなメイド服じゃばれちゃうよ!

今の所、クラスメイト達はダンジョンに興奮していて全然気付いてない。

それにしても周囲を気を付けていなければいけないダンジョンでこんなことでクラスメイト達も大丈夫なのだろうか?

そんな事を考えているとエミリア王女が話をしだした。



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