<< 前へ次へ >>  更新
21/315

18話 一週間の成果

僕は、マナの操作が唯一できないので、訓練に参加できなくなってしまった。

一人の為に訓練をストップする訳にはいかないだろう。

僕達は午前に訓練、午後はそれぞれ好きなことをしている。

まあ、好きなことといっても町には行かせてくれないので城内散策したり、皆で集まって話したりとかだが。

そんな中僕は、午前も自由時間だ。

マナを操作する訓練は何処でもできるからな。

今日で異世界に来て一週間経つ、訓練が始まった次の日からは、毎日朝から夜まで図書館にいる。


何とか[状態異常妄想]の良い使い道がないかなど考えながら、マナを動かす練習をしている。

皆は魔法を撃ったり、なんらかのスキルで剣技を発動したりしているようだ。

僕も一度美樹に協力してもらって、一度使ってみた。


([状態異常妄想]睡眠レベル1付与)


《[状態異常妄想]発動。美樹夏蓮に状態異常睡眠レベル1を与えることに成功しました。》


美樹ちゃんは、0.5秒ほど目を閉じてバランスを崩すとめを開けた。

慌てて体を支えにいったが必要では無かったようだ。


「凄いね。本当に気付いたら寝てたよ。」


「それが5回の失敗のあとでなければね。僕の魔力値より、少し高い魔耐値なのにこれではなかなか実戦では使えないな。」


という結果になりあまり良い結果を得られなかった。

これでこの一週間の成果は終わりだ。

あわよくば[状態異常妄]でMPを使い果たし、マナを操作しやすくしてみようと思ったが、[状態異常妄想]は、一度使うと同じ効果の状態異常同じ対象にを使うには30秒のクールタイムが必要でMP回復速度の方が早くマナが減らなかった。

マナの操作はできる気配がないし、スキルもいい結果は得られなかった。

あとは、図書館に通い続けていたのでこの世界について色々知れたぐらいか?

それにしてもこの一週間図書館にいてクラスメイトで来たのは数人しかいなかった。

美樹とその幼馴染みや何人かの女の子、それ以外は城内散策してるやつらだけしかこなかった。

他のやつらは、大丈夫なのだろうか?

こんな時に情報収集しないなんて正気の沙汰とは思えない。

確かに城内の本だから情報操作がされている可能性も高いが、それでもなんらかの情報は得られるというのに。


そして厄介なことも2つ出来てしまった。

1つ目は勇義が美樹に凄くアタックしていることで美樹が凄くストレスが溜まっていることだ。

やっぱり初めて見たときに思ったように美樹のステータスは、とても恵まれていたようだ。

職業の賢者は国に三人しかいない超レア職業で基礎ステータスも魔法よりで、全体的に高かったようだ。

それで回復することができる聖魔法は習得するのが尋常になく難しいものらしく、エミリア王女や国の重鎮が誉め称えたようだ。

すると勇義のやつが「勇者である僕に見会うのはやはり賢者である君だけだ。」とか言ってアタックしてくるようだ。

美樹は僕が練習している隣で凄く愚痴を言ってる。

時々は幼馴染みも連れて来てから愚痴を言っていた、友達も苦笑いしながら一緒に愚痴をこぼしている。

まあ、こっちは我慢できないことではないので愚痴を話すことでストレス発散してもらおう。


2つ目の厄介ごとは、遠藤と高橋だ。

皆は誰?と思ったか?

この二人は最初に美樹のことをイジメだした奴らで今年も同じクラスだったため、一緒に異世界に来てしまっている。

高校生になり、武道をやっていた僕との身体能力の差も大きくなって二人では敵わないと遠くから恨めしくみていたが、この世界に来て僕だけクラスの訓練から遅れているのを見て僕を見下し始めているようだ。

最近は、僕に無駄に絡んで来て能無しとぼくのことを呼んでくる。

今は異世界に来てまだ状況を見ているからか、暴力などはないが早めに暴力に対応できるすべを手に入れる必要がある。

という事で今日から午後はリリア師匠に格闘術などの戦闘を教えてもらうことになった。

武道は好きだし楽しみだ。

図書館で知識を得たのは、そのうちなんでそんなに主人公はこの世界のことを詳しいの?っていう事態になったときの言い訳に用です。元々の天才肌に一週間の勉強でこの世界でも国の貴族並みの知識もってます。ただ本の知識なので偏りがあります。

<< 前へ次へ >>目次  更新