裏切られて追放(クビに)された社畜、トラックをかばってネコに轢かれて転生した件〜悪役令嬢というーSSSランクの不遇職になった60代童貞賢者のおっさんですが田舎でスローライフを送ろうとする

作者: 御丹斬リ丸

とあるサイトで盛り上がった題材を元に書き起こしました。



俺の名前は田村建蛇(タムラ ケンジャ)50歳ごえのおっさんである。

多趣味だった俺はいつまでたっても職が定まらず様々な仕事をこなしてきた。

イラストレーターから始まりボディービルダー、空手家、ケーキ屋さん、スタントマン、漁師、コスプレイヤー、マジシャン、フリーターときてサラリーマンの今にいたる。

サラリーマンになるまでに20年もかかっておりまさか受かると思ってはおらず宝くじを買うような気分で面接を受けたところ受かった。

全くこんな人間を合格にするとは大丈夫か?と不安に駆られたが受かってしまったのは仕方ないと俺はサラリーマンに転職した。

SGo2株式会社。

ここではどんな病気も治る水や、幸運を呼ぶ仏具、シロアリの駆除、家のリホームなどなんでも請け負っている凄い会社である。

上司の下田さんは一発でシロアリが発生している住宅を発見できる才能を持っており、いつも仕事終わりにはさわやかな笑顔で「ゲヘヘ、シロアリなんているわけねぇのによ。ババアはちょろいぜ」と言っている。

多分、"一匹残らず駆除してやったぜ"という意味なんだろう。

俺は、様々な仕事で鍛え上げられた体を使って金を払わずに商品を持ち逃げした奴や、警察に被害届を出してまるでうちが詐欺をしているかのようにいう悪い人を懲らしめて回っている。

これには社長も大喜びで俺も嬉しい。

ヤったがいがあるって感じだな。


そういえば言ってなかったことがある。それは俺が超能力者であることだ。

筋力強化という能力を持っていて鍛えれば鍛えるほど筋力があがるというものだ。

週3勤務の超ホワイト企業、何故か社長はブラック企業だと笑っていたが、それは置いておいて、面の顔はSGo2で働きながら裏では異能力審議会という超能力、異能などの物理を超越した能力を取り締まる機関で末端の構成員として働いている。


今日の任務は敵対する組織TKo2の作り出した化け物退治だ。

一人では務まらないため、昆虫を操る能力を持つ上田さんに手伝ってもらうことになった。

何処と無くSGo2の下田さんに似ているなーと思ってその話をしたら「げへっ、そ、そんな訳ないだろ」って言ってたから俺の勘違いだったか。

彼の昆虫を操る能力だが特にシロアリを操る能力に特化しているらしい。


異能力審議会には敵対組織のスパイが沢山入り込んでいるらしいという噂があり正直、怖いなと思っている。

今回の敵であるTKo2はo2グループと言われる系列の組織でKSo2やUSo2などがあるらしい。

とそんなことを思い出していると現場に到着した。

被害情報は……もう被害が出ているようだ。

東名高速道路で渋滞。

巨大なネコが爆走したあと陸上自衛隊の到着により作られた戦車バリケードにより足止めをしていると。


上田さんが何やら手を挙げると

足止めしているはずだったネコの化け物はなぜかこちらへ向かってきた。

何故だ?


上田さん、とりあえずここは逃げよう。

そう言おうと横を見るといつのまにか居なくなっていた。

先に撤退したんだな、そう関心した俺もその場から立ち去ろうとした。


その時、俺は見てしまった。


血を流して意識を朦朧とさせながら助けてくれとこちらを見ているトラック運転手を。

ネコの化け物は「ネコォォオバァァアス!!」と悍ましい唸り声をあげながらこちらに走ってくる。

このままではトラック諸共運転手は踏み潰されてしまう。


だが助ければ俺もただでは済まない。

そう頭で理解する前に体は動いていた。

持てる全ての力を足にこめ地面を蹴った。

瞬間移動のようにトラックの横まで移動した俺は張り手でトラックを道の脇へ吹き飛ばした。



ーーードンッ!




いつのまにか空を飛んでいた。

まるで鳥になったかのようだ。

そう思ったのもつかの間、今度は激しく地面に叩きつけられ、そのまま滑り転がりながら吹き飛ばされ自動車をボーリングのピンのように弾き飛ばしながらおれは吹き飛んだ。


はぁはぁ、痛い。痛いすぎる


くっ。殺せ。


仰向けになり倒れていると人の気配がした。

ゆっくりとそちらに向き直すと逃げたはずの上田さんがいた。

彼は俺に冷たい目を向け、こう言い放った。


「死ね」


すると高速道路のアスファルトを食い破ってワラワラとシロアリが出てきた。

そのシロアリたちは俺の体を覆い出すと捕食を開始した。

「あ、ぁあああぁぁぁあぁぁ!?」


なんで、なんで裏切った!


「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!」


足が腕が筋肉を引きちぎって中にアリが入ってくる。


「ぁあああぁぁぁあぁぁあああ!」


目を潰され何もみえなぁい!痛い痛い怖い痛い



「あ、……」


意識が朦朧としてくる。


「………」


最後に聞こえたのは咀嚼音だけだった


翌日発見された遺体は骨まで残さず食べられ血のみがぶちまけられたアスファルトとクビから上の残してアリが出入りを繰り返す無残な遺体だった。







『察し悪すぎ』


次に聞こえたのは女の声だった


『そもそもあんたが働いていた会社真っ当な仕事ではないじゃないの、詐欺会社』


そんな訳ないじゃないか。なんの根拠があってそんなことを


『SGo2って名前的にもうさ。S G o2(詐欺乙)。そのくらいわかりなさいよ。

それにさ、どう見ても敵対組織のo2グループに関連しそうなというかしている会社じゃない!気づけよ!』


そんなのわかる訳ない。


『普通はわかるんだよ!あ?馬鹿か。

テメェは能力で頭まで筋肉になってるんじゃねぇのか?』


ははは、本当ですか!そう言って貰えると鍛えた甲斐があります


『褒めてねぇの。脳筋が。

まぁいいわ。

あなたは転生してもらいます。

拒否することは許しません。

私への口答えも許しません。

質問はありますか?』



あなたは誰ですか。


『私は女神です。ちなみに質問は一つまでなので次にいきますね』


え、いやまだ質問が


『口答えは許しません。』


塩対応乙


『では次ですが転生するために設定をする必要があります。

設定とは職業や種族、性別などを決めるものですね』


ほー、ふーん


『ではこちらのpcでキャラクターメイキングをと言いたいところですが面倒ですし待ちたくないのでくじ引きで決めましょう』


酷い……。


『さあ早く引いて、早よ早よ』


じゃあひきます。

そう言って種族の箱、職業の箱、性別の箱の三つの箱からくじを引いた


『えー結果発表ー。わーわー……拍手しろ』


え、あ、はい。わーいわーいパチパチパチ


『馬鹿にしてんのか?殺すぞ?』


え。


『気を取り直して結果発表ー☆

えー、種族は人間。まあいいんじゃないですかね。

性別は男。わーよかったですね!

職業は……え?

嘘っ?!?


えーと、−(マイナス)SSSランクの不遇職悪役令嬢になりまーす。


ブフッ。信じられないーひゃっひゃっひゃ

男なのに悪役令嬢とか』


え、え?何がおかしいんですか?


『ひゃっひゃっひゃ、ま、まあいいです。さっさと転生しやがれですね』



あ、ちょ。待っ……!?









評価が良かったら続きを書きたいです。

読んでいただきありがとうございました