義妹に押し付けられた嫁ぎ先は、呪われた公爵閣下でした【完結】

作者:伊坂 枕
※コミカライズ進行中。
コミックブリーゼ様にて11月19日より連載スタートしました!宜しければご覧下さいまし~

「あんなバケモノ公爵と結婚なんて、絶対に嫌っ!! そうよ、お姉さまならお似合いよね! 代わりにお姉さまの婚約者は私がもらってあげるわ!」

「このボクが、君みたいな魔法も使えない、貧相な使用人のような女と婚約すると? 思い上がりも甚だしいぞ!」

 血縁がないため、日々、義母や義妹からは虐げられ、召使のように扱われていたミルティア。
 日々の食事にも事欠く有様で、どんなものでも自力で調理して、なんとか毎日を生き延びていた。

 そんな中、義父と義母に甘やかされて育った義妹と、女の若さと見た目にしか興味の無い婚約者から、無残に婚約を破棄され、押し付けられたのは『呪われ公爵』と呼ばれるレンロット公との婚姻だった。

 おぞましい怪物姿の公爵は、この呪いが原因で、多くの人達から忌避され人間不信に陥っており……当初、ミルティアにもきつく当たる。
 だが、ミルティアにとって、調理の際に見慣れたタコの化け物のような姿は、それほどおぞましいものではなかった。
 それよりも、衣食住の保証された公爵家での生活は、実家である伯爵家の生活よりもずっと幸せなものだった。

「……こ、こんなにあたたかでふわふわなお布団……初めて……!」
「すごく新鮮な魚介類……!! 腐っても、カビてもいない食事が一日に三度も!?」
「こんな小さな擦り傷に『回復魔法』をかけていただけるなんて……公爵様って、本当は、すごくお優しい方なのでは……?」

 誠実に『呪われ公爵』に仕えた結果、ミルティアの行動があまりに想定外だったらしく、だんだんとレンロット公爵の固く冷え切った心を溶かして行く。
 そして、特技の料理で公爵様の心と胃袋を射止めてしまう。

 愛する女性の手料理により呪いが解けた公爵は、実は絶世の美青年だった。

 それを知った途端、手のひらを返して「婚約者を取り換えましょう!」と騒ぎ立てる義妹だったが、そんな身勝手を許す公爵ではなかった。
 やがて、ミルティアを虐めていた連中は、自業自得で落ちぶれて行く。

 これは、虐められ、蔑まれ、何でも食いつないで生き延びてきた少女、ミルティアが、呪われた公爵様に溺愛され、幸せになる話です。

 ※アルファポリス様にも先行連載しています。
01婚約破棄は手短に
2021/04/29 18:01
02護送馬車は乗合で
2021/04/29 19:00
03公爵家とオートマタ
2021/04/29 20:00
04呪われ公爵と悪食令嬢
2021/04/29 21:00
05タコを調理しよう!
2021/04/29 22:00
08わたしにできる事
2021/04/30 17:00
09掃除は潮干狩り?
2021/04/30 18:00
10回復魔法と涙と名前
2021/04/30 19:03
14あたたかな日常
2021/05/01 08:13
15魔法の箱と恩返し
2021/05/01 10:00
19召しませ、海の幸!
2021/05/01 18:00
20呪いを解くには
2021/05/01 19:00
25はじめてのお出かけ
2021/05/02 12:00
27フレンドリーな王子様
2021/05/02 18:00
31ウニ丼を作ろう!
2021/05/03 07:00
35ウニ丼のお味は?
2021/05/03 18:00
36はい、あ~ん!
2021/05/03 19:00
39穏やかな夕餉
2021/05/03 21:00
40農地の異変
2021/05/03 22:03
41芸は身を助く
2021/05/04 08:06
42当主の帰還
2021/05/04 10:00
44農作業のお手伝い
2021/05/04 15:00
45お出かけ先は……?
2021/05/04 18:00
46宝石を買おう!
2021/05/04 20:00
47ちょっとした勝負
2021/05/05 07:00
48醜いアヒルの……?
2021/05/05 12:00
49経済力最強の薬指
2021/05/05 15:00
53お願い事は直球で
2021/05/06 12:00
56実家の惨状
2021/05/06 20:00
57久しぶりの対面
2021/05/07 07:00
58ミルティアの戦い①
2021/05/07 12:00
59ミルティアの戦い②
2021/05/07 15:00
60ミルティアの戦い③
2021/05/07 18:00
61解呪のキスを
2021/05/07 19:00
63エピローグ
2021/05/07 20:00