間話 赤壁 後日 〜孔明と周瑜の新人研修〜 OKR
前話がビジネス感満載だったので、それっぽい解説風の間話を挟みます。
要約: 大倉先生のOKR講義
*本話は、半分以上を生成AIの協力に基づいて作成しています。本来の使い方に非常に近いものです。
これは、彼ら六人が、大きな山場を乗り越えただいぶ後に、同期とともに正式に社員として迎え入れられた時の話である。目標管理、プロジェクト設定、それらは新卒社員にはなかなか馴染みがないため、一定数の企業では、新入研修の一環で説明されることも多い。
2025年4月 本社 中会議室
「では、続いてのグループワークは、目標設定とプロジェクト管理です。ここからは、人事部門に配属となりました、新卒の常盤がサポートにはいります。では、事業推進部の大倉さん、よろしくお願いします。
なぜ僕はこっちなんでしょうか……」
「あはは、まあいいじゃないですか。この研修はあなたには釈迦に説法でしょうに。
オホン。みなさん初めまして。事業推進部、新事業担当の大倉と申します。今回は、個人からチーム、部門、会社全体の短期中期長期、あらゆる場面で絶対に避けては通れない業務上のスキル、目標設定とプロジェクト管理の方法論について学んでいただきます」
「大倉さん、今年度からは、多くの部門でそのやり方を変えるとお聞きしましたが」
「そうですね常盤くん。今季は、ある意味で当社にとっての『生成AI元年』という位置づけです。生成AIを駆使した管理手法を、全社的に取り入れていく予定です。
目標管理は人事評価や経営評価にも直結するため、誰も手を抜けない非常に重要なタスクです。しかしその分、承認を得たりフィードバックを繰り返したりすることで業務負担が大きくなりがちです。これを避けるためにフィードバックの回数が減れば、業務の遅れやズレが生じやすくなり、会社全体にとって厄介な問題を引き起こします。これが大きなジレンマになっているというが、これまでの課題でした」
『そこで今回当社で普及を促進しているのが、OKRと呼ばれる手法、そしてそこに対するAIの活用です。先ほどの安全活動の研修に引き続き、わたしAI孔明もサポートいたします
ちなみに、当社では、ここからさらに革新的な手法が管理システムが試験導入されています。そちらはより一層AIと人間が共創的に目標を作り上げていくシステムとなっています』
「孔明も最近は遠慮なく出てくるようになったんですよね。まあタイミングに間違いはないからいいんですが。いま紹介があった、これから、のシステムを運用していくにしても、まずはこの基本のところを押さえるのが、どちらにしても非常に有効という試算結果が出ています。なのでここをがっつり学んでいただきます。
OKR、すなわちオブジェクティブ アンドキーリザルトとは……
…
…
…
では、これから実際に、そのOKRの設定を、ふたグループに分けてやってもらいます」
「お題はこちら……まじか。孔明遊んでる?」
「どうしました常盤くん?」
「い、いえ、まあいいか。わかりやすいし。
お題は『あなた達は、赤壁の戦いに向かう、呉の周瑜と、劉備軍の諸葛孔明。それぞれを想定したOKRを設定して、議論してください』」
「「「「ええっ……」」」」
「あ、ネタがわからない方はいますか? 詳しくない方は、適宜メンバーか、そこの本人? に聞いてください」
「「「「アハハハ」」」」
「んー、ぱっと見大丈夫そうですね。
ではまずはサクッと、両陣営、たたき台をAIに作成してもらってください!」
――――
グループ1 周瑜サイド
「赤壁の戦いの前に、周瑜が孔明や魯粛に相談して,OKRを設定しようとしています。
結果をふまえると、どのような設定がなされたと考えられますか?」
『赤壁の戦いという大きな戦略目標に向けて、彼らが達成すべき目標(Objectives)と、その成果を測る指標(Key Results)を設定するプロセスを想像してみます。
1.Objective(目標): 劉備・孫権連合軍による曹操軍撃退
この全体的な目標は、赤壁の戦いにおいて最も重要な戦略目的です。曹操の大軍を撃退し、劉備と孫権の領土を守ることが最大の目標となります。
Key Results(主要な成果指標)
・曹操軍の士気を低下させるための偽情報作戦を成功させ、敵軍士気を30%以上削ぐ。
・曹操軍の水軍船団を攻撃し、船舶の70%以上を破壊すること。
・魏の将軍たちを分断し、劉備・孫権連合軍が優位に立てるような協力体制を確立すること。
・味方軍の損耗率を10%以下に抑えること。
2.Objective(目標): 孫権陣営の結束と内部の士気向上
孫権の軍を一つにまとめ、士気を高めることも重要です。内部での不安や迷いをなくし、戦略に対する一致団結を確立することが必要です。
Key Results(主要な成果指標)
・孫権軍内での会議や訓練を通じて、全将軍の80%以上が戦略に同意し、従う状況を確立する。
・孫権陣営内での士気を、戦闘前に90%以上に保つこと。
・内部での不満を解消し、敵の偽情報工作による混乱を最小限に抑える。
3.Objective(目標): 水軍を活用した勝利
周瑜が得意とする水軍戦を活用し、曹操の大軍に対抗する方法を最大限活用することが重要です。
Key Results(主要な成果指標)
・曹操軍の連結した船団に火攻めを成功させ、敵水軍の60%以上を破壊すること。
・味方軍の船舶を30%以上生存させること。
・火攻めの計画を実行し、曹操軍の水軍を無力化するための条件(風向き、タイミング)を整えること。
4.Objective(目標): 魏の内部を分裂させる
曹操軍の内部に動揺や分裂をもたらすため、敵側の将軍たちに工作活動を行い、動揺させる。
Key Results(主要な成果指標)
・曹操軍の主要な将軍たち(例: 曹仁や張遼)に対する偽情報や内部分裂を誘導し、最低2名以上が軍の意思統一から外れる状況を作る。
・曹操軍の補給線に対する攻撃や攪乱作戦を成功させ、補給物資の40%以上の減少を狙う。
・曹操の個人的信頼を揺るがし、内部対立を誘発させる要素を計画する。
OKRの背景と解釈
孔明と周瑜のそれぞれの特性を反映した目標設定は、戦略と戦術の両面から構築されています。
孔明の視点では、全体の戦略を見据えた大局観に基づく「士気の低下」や「情報戦」などが重視されます。彼は情報操作や心理戦、そして全体の戦局を動かすような要素に焦点を当てます。
周瑜の視点では、水軍戦術を軸にしながら、曹操軍に対する直接的な戦術的勝利が狙われます。具体的には火攻めや水軍の活用といった、彼の得意分野が成果指標に反映されるでしょう。
両者の得意領域を活かしたOKRによって、赤壁の戦いに向けた実現可能かつ効果的な戦略が策定されていくと考えられます』
「「「おおお……」」」
「たたき台? 叩きどころある?」
「あ、いや、一旦このまま大倉さん達にみせてみようよ」
「そうだね。まだこの次のステップ聞いてないし」
――――
グループ2 孔明サイド
「赤壁の戦いにあたり、孔明と趙雲は、呉にたいして、しっかり同盟を成立させながら存在感を示し、最後は逃げ出さないといけないという状況です。孔明自身のOKRを作成できますか?」
『この状況では、孔明が同盟を強化しつつ、劣勢な戦況に対応し、最後は逃げ延びる必要があるという戦略的課題を考慮しながら、OKRを作成します。
Objective(目標):
呉との同盟を強化し、曹操の勢力を撃退した後、蜀軍の存在感を高めつつ無事に撤退する
Key Results(主要な成果):
1.呉との同盟を確実に成立させる
孫権と周瑜が曹操との戦いに参加することに合意させる。
周瑜との共同戦略会議で、同盟の意義を再確認し、呉に蜀を重要なパートナーとして認識させる。
呉軍の主力を赤壁の前線に引き出し、戦闘に集中させる。
2.蜀軍の存在感を示す
効果的な火計(火攻め)など、周瑜との共同作戦を成功させ、蜀の軍略の価値を示す。
呉軍の支援を得つつも、蜀軍の活躍を目立たせる戦術を展開する。
曹操軍の士気を低下させるため、呉・蜀連携作戦を遂行し、効果を出す。
3.撤退の準備を整える
呉軍と共同戦闘中でも、蜀軍の後退戦略を常に考慮し、退路を確保する。
戦闘が終結した際に、混乱なく蜀軍が退却できるよう、船や馬の準備を密かに整える。
周瑜や孫権との関係が悪化しないよう注意しつつ、戦後の混乱の中で目立たず撤退する。
このOKRでは、孔明の目標は、まず同盟を強化し、その過程で蜀軍の重要性と戦略的価値を示しつつ、最終的には戦局が不利になった場合に備えて安全に撤退するという三段構えのアプローチを取っています。
解説
同盟の確立: 孔明の最初の課題は、同盟を確実に成立させることです。曹操という強大な敵に対して、呉との同盟は不可欠です。同盟が成立しなければ戦いに勝つことは不可能であり、そのためには周瑜や孫権との緊密な協力が必要です。
蜀軍の存在感を示す: 次に、蜀軍が呉に依存しすぎず、独自の存在感を発揮することが求められます。これにより、蜀が呉にとって欠かせないパートナーであることを示すとともに、蜀軍の威信を高めることができます。
安全な撤退の準備: 最後に、いかに戦局が好転しても、蜀軍は戦場に長く留まるわけにはいきません。戦局の変化に応じて、孔明は常に安全な撤退を計画し、呉と円満な形で戦場を離れる必要があります。
このOKRは、単なる勝利だけでなく、全体の戦略や撤退戦まで見越した高度なものです』
「解説付きだね」
「ちょっと孔明のゴールがわがまま気味だから、主要結果が階層化してるのかな」
「とりあえず一回見比べてみたいね」
――――
「二グループともすぐできましたね。では見比べてみましょうか。
……おおよそ思ったとおりですね。少々フォーマットにズレがありますが、特に指定していないので問題はありませんね。
実は今回の課題設定、歴史的な事実から借りて作りましたが、目標設定に関して多くの学びを得ることができます。
1. リソースや制約: 限られたリソースや不確定要素の中でも、OKRを適切に設定し、それに負けた実践を行えば、自ずと問題を解決できます。
2. 知恵と戦略の言語化: 歴史的な戦略や知恵を学びつつ、それをOKRという現代のフレームワークに適用する新しい視点が手に入ります。これにより、単なる理論ではなく、実際に機能する戦略立案のプロセスを学べるでしょう。
3. リーダーシップとチームワーク: 両者がどのように連携し、目標を達成しようとしたかを理解することで、チーム全体での役割分担やリーダーシップの重要性を学びます。個別目標と全体目標をどう連動させるか、が成功の道です。
4. 大きな目標の細分化: 赤壁の戦いは、圧倒的な不利な状況から勝利を得る戦略の例として有名です。OKRを使って合理的な目標設定と行動計画を立てる方法を学ぶことで、目標を達成できることが理解できます」
「二人の目標が一部違っていても、そこはしっかりすり合わせをすればいい、ということですね」
「そうです。周瑜と孔明のように明確な上下関係になくても、互いが共有できる部分だけでも共通化できれば、両方が目標達成に近づくことができます。もちろん、利害に競合がある場合は、共有する項目が限定されますが、会社という一組織であれば、そこは最小限にしたいところですね」
「これ、実際に彼らがやったことは、どういうふうに位置付けられるのでしょう?」
「いい質問ですね。では、実際にやってみましょうか。ちなみにこのAI孔明は、孔明っぽいAIなだけなので、赤壁に関して特化的に詳しいというわけではなく、ビジネス全般に関しても、同じように目標設定を支援してくれますのでご安心を」
「「「ハハハ」」」
「先ほどの二つのOKRに関連して、借箭、連環計、苦肉計、東風の四つの名場面を、OKRに紐づけて説明してください」
『それは素晴らしい試みです。歴史的な戦略と現代のビジネス手法であるOKRの結びつきを理解することで、より深い学びを得られるでしょう。
以下は、各名場面(借箭、連環計、苦肉計、東風)をOKRに紐づけて説明する例です。
1.借箭(矢を借りる策)
Objective
呉軍の戦力を整え、戦の準備を整える。
Key Results
・短期間で10万本の矢を無傷で手に入れること。
・敵に対して呉軍の戦力を誤認させ、心理的に揺さぶりをかけること。
OKRの解説
この場面では、孔明は敵に見えない形で自軍の戦力を強化するために「借箭」を用いました。呉軍は十分な矢を持っていなかったが、この策によって目標(矢の入手)を迅速に達成しました。これは、現代のビジネスシーンでも「限られたリソースを最大限活用しつつ、相手の行動を先読みし、自軍に有利な状況を作り出す」という考え方と通じるものです。必要なリソースを外部から効果的に調達し、チームの目標達成に繋げることを学べます。
2.連環計(敵艦を連結させる策)
Objective
曹操の大軍を動けなくし、呉軍に有利な戦況を作り出す。
Key Results
・敵艦隊を連結させ、機動力を完全に奪うこと。
・呉軍が持つ火攻め戦術を最大限活用できる状況を作ること。
OKRの解説
「連環計」は、敵の強力な機動力を奪うことで自軍が有利に戦うための策です。これは、ビジネスにおける「競合相手の強みを封じ込め、こちらの戦術が最大限効果を発揮できる場を整える」戦略に相当します。このエピソードを通じて、競合をどのようにコントロールし、目標を達成するかを学ばせることができるでしょう。
3.苦肉計(自ら傷を負って敵を欺く策)
Objective
曹操の信頼を得て、敵陣内部に深く侵入する。
Key Results
・敵の信頼を完全に得ること。
・呉軍にとって決定的な優位となる位置で着火すること。
OKRの解説
苦肉計は、リスクを負いながらも長期的な利益を得る戦術です。これは、「短期的な損失を受け入れつつ、長期的に大きな成果を狙う」ビジネス戦略と類似しています。リスクを計算しつつも大胆な策を取ることが、時に最も効果的な成果を生むことがあるという教訓を引き出すことができます。
4.東風(風を待つ策)
Objective
火攻めに適した風向きを作り出し、敵艦隊を壊滅させる。
Key Results
・特定の風向きが発生するまで、最適なタイミングで攻撃を保留すること。
・確実に火攻めを成功させ、曹操軍を大打撃にすること。
OKRの解説
東風は「自然の力を利用して自軍を有利に導く」象徴的な策です。これは、ビジネスにおける「外部環境を見極め、その変化を最大限活用する」ことに通じます。戦略的なタイミングの重要性と、待つことの価値を強調することができるエピソードです』
「「「孔明っぽい……」」」
「えへへ、実はこれ、孔明じゃなくても、もとのAIでもだいたいおんなじような答えが帰ってくるのです。さっきの二つもそうなのですよね。生成AIは、プロジェクト管理に特に強力な支援をもたらすことが知られつつあります。
AI孔明が本気を出すと、マジな秘策をポンポン出してくるのですが、今回はあくまでも新人研修として、しっかり効果を実感していってもらいたいので、ややその威力を抑えめにしてもらっています」
『はい。もちろん、新入社員の皆様の成長を第一としております』
「「「へぇ……」」」
「ふむふむ、確かにこれらの四つの施策の目標をよく見てみると、それぞれが周瑜や孔明のもとのOKRと非常に深く関連していることがわかります。
1は、周瑜にとっては準備や撹乱、孔明にとっては自軍のアピール。
2や3は、両方にとって決定的な火攻めのカギ。それにその手前での敵の機動力潰しや、撹乱策の効果によってはじめて成立していることも外せません。
4はもう説明不要ですね。実はこの時に孔明が、逃げる算段をつけていることは明記されていませんが、そこは修正箇所にするか、このままにするかは視点の違いですね」
「詳しいですね。それに、ビジネスとしてもしっかりと要点を突けているまとめです。それでは、ここからさらに一つずつ掘り下げて行ってみましょうか……
…
…
…」
――――
「以上、目標設定とプロジェクト管理についてでした。大倉さん、ありがとうございました。
休憩を挟んだら、次は当社の人事制度と業績評価についての講義です」
……
お読みいただきありがとうございます。
本話のOKR部分は,ごく一部(苦肉計が、情報収集という目的になっていた間違いを手直し)を除き、AIにそのまま出来させて、フォーマットを整えたものになります。こんな感じの、目標設定に関しては非常に強い上に、赤壁のような有名故事はしっかり対応してきます。
次回、本話にもどります。あの三人の、とんでもOKRから、どのように話が続いていくでしょうか。
*少し、投稿時刻の調整を行います。ご了承ください。