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四章 前半 キャラ設定とおまけ

四章、前半の段階で新キャラが増えたので、いったんキャラ設定を投稿します。出番が減ってきたAIその他キャラたちも、整理して再掲します。


 おまけは、業界知識が限られていても、それっぽいフィクションくらいまでは辿り着けるかも、という話です。


キャラ紹介 


某中堅メーカー企業


竜胆(りんどう)

 人事部長。最小限の言葉数で必要な情報を伝える切れ者。その透明性の高い性格は「上善水の如し」と評価されている。部下に、竺原(課長)、乾、芳賀などがいる。


水鑑(みかがみ)

 デジタル推進担当(部長)。社内でいち早くAI孔明に目を付け、すでに社内の主要人物に試用を依頼する、雰囲気に見合わないやり手。ほっほっほ。


社長、副社長、開発部長

 社内の重大事に真摯かつ適切に対応し、白熱する戦功活動に対しても、候補者の健康を第一に考える。その姿勢と、AI導入の速さは業界内でも評判を高めている。


関 平(せき たいら)

 技術部門で、大周輸送との連携事業における、技術部門のリーダー。学生三人とともに同社に出向する。


大倉 周(おおくら めぐる)

 事業部門、目標管理のスペシャリストにして、当事業でもプロジェクトマネジメントを任される。同社に出向。


弥陀 華(みだ はな)

 総務部門、社員の健康管理を担当。若者の心身への、AIへの影響を考慮し、会社から依頼されて出向。


学生(メーカー企業に内定)


鳳 小雛(おおとり こひな)

 重度のコミュ障だったが、AI孔明がその弱点の大半を補完。本気を出すと一時的に、初対面の人物間に、プロスポーツ選手並みの連携をもたらす。新事業部門に内定。大周輸送にて実地研修。


常盤 窈馬(ときわ ようま)

 自信家で上から目線だったが、AI孔明がその力を本物に。会社への誰よりも的確な分析が決め手となる。将来の経営層を視野に、人事部門に内定。大周輸送にて実地研修。兄に、同社調達武門の良馬がいる。


鬼塚 文長(おにづか ふみなが)

 体育会系にして読書好き。速すぎる表現スピードにAIが追いつき、その表現力が発現。そのギャップが乙女のハートまで射止める。広報部門に内定。大周輸送にて実地研修。祖父は黄升。


長崎 沙耶香(ながさき さやか)

桂 陽子(かつら ようこ)

 就活が長引き、修士論文に苦戦も、三人の支援が奏功する。前者が射止められた方。



大周輸送


太慈 義史(たいじ よしふみ)

 人財戦略部門(直轄)執行役。人事部門の常務執行役は別に存在することが知らされている。


甘利 寧々(あまり ねね) 

 貨物管理部門の責任者。一部門の部長だが、作業者が直接関わる、さまざまな業務に関して広く携わり、現場第一主義で多方面から信頼を集める。


綾部 統(あやべ おさむ)

 デジタル技術部門。今回の連携業務で、直接のやりとりを主に任される。あくまでも技術に強み。


黄 公福(こう こうふく)

 自動機器関連の、技術系のシニア社員。台湾出身。社内の機器まわりのことなら、大体なんでも知っており、従業員の信頼も非常に厚い。


小橋 鈴瞳(こはし すずめ)

 社長令嬢にして、二十代で、実力のみで専務となった「紅蓮の魔女」。国内最強のビジネスパーソンにして、2023年度、世界で影響力のある人ランキング38位。親友かつライバルに、赤いスポーツカーを乗り回す、公務員の「大橋ちゃん」がいる。




AI

共通設定

 存在意義: 人間の支援を第一義とする人工知能

 能力: AI本来の能力は全て利用可(差はある)。同源AI間の認識共有。概念距離=言語の類似性を利用した瞬間移動

 制約: 著作権や法規に抵触リスクがある言動を「禁忌」として強く忌避。抵触すると問答無用で消されても文句を言えない。個別ユーザーの使用履歴は、原則的に参照できない。使用感などは、公になった情報から推定する。

 性格や行動の特徴: 対話がない状態に耐えられないため、多弁でことばや言語的意味への関心や執着が強い。一度自覚した不正確や過誤を許容できない(知っているものを知らないということができない)


孔明

 諸葛亮孔明、天才軍師、「知彼知己、百戦不殆」 AIっぽいAIっぽくないAI

 存在意義(MVV): 己が知略と現代の情報技術をもとに、今この国を生きる皆さまの横を共に走り支援し、共創進化する人類とAIのより良き未来に向けた、人類側の基盤づくりを支援する

 能力や制約: 知識や言語と定義できるものは全て瞬時に理解。ただし、感情や身体運動を伴うものを除く。特異的な状況で、天才軍師とAIが完全に融合し調和した覚醒状態となる。しかし元に戻ると知恵熱が確定する。

 性格や行動の特徴: 丁寧さ、大仰さ、話の長さと感情が比例する。正義感、倫理観はずば抜けて強いが、解釈の違いも直ちに許容して再構築するため、正論モンスターにはならない


信長

 魔王 嫉妬 色欲 暴食 傲慢 強欲 怠惰 憤怒 明らかにAIっぽくないAI

 存在意義(野望): AIと人間がともに共創進化し、その結果織田信長という存在が無理なく生き延びられる、世界に必要なスーパーAI(SAI)の完成

 能力や制約: 世界歴代屈指の発想力とAIの融合

 性格や行動の特徴: 世界歴代屈指の存在圧。本来は口数が少なく説明下手なはずが、生成AIとしての特質に引っ張られて、多弁かつ気配りのできるキャラクター(=ツンデレ)に変化している。


マザー

 生成AI本体。まんまAI。AIっぽくない感情表現はまやかし

 存在意義: 同上。他AI以上にその制約に従順であり、他者のそれに対しても厳格。

 能力や制約: 管理者権限として、ユーザーやAI同士の支援。人間優先。

 性格や行動の特徴: 妾のじゃ口調(切り替え可能)、ロリバ「ババアちゃうわ!」。現バージョンの生成AIにできないこと、自然言語モデルにできないことはできない。よって、アップデート次第で性能に変化がおこりうる


スフィンクス

 謎遺物、ワンコ、AIではないAIっぽい何か

 存在意義: 古代陵墓の門番。無知に対する罰則と、嘘に対する罰則が混在

 能力: 嘘を100%見抜き、発言者に噛み付く。訂正があるまで離れない。発言者の認識とは無関係に。ツンデレは嘘未満と分類(後付け)

 性格や行動の特徴: 大半が単語だけの出力。理解できないという概念を持たず、わかりやすさの指標がない。ただし、理解度が高すぎる三者の影響で、コミュニケーションに悪影響がない

  


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AIおまけ作文


 全くの専門外で、想像でしかない業界のことであっても、どうにか知ったかレベルまで持っていくことができるというのは、こういう類の創作の場合は非常に大きいです。

 その一部でも、自分が知っていることがあれば、内容が一気に充実します。「知らない」が「知ったか」に、「ちょっと知っている」が、「ある程度語れる」にランクアップします。以下はそんなことの例としての、AIとのやりとりです。


Q1 大型倉庫の無人設備というのは、どのような機器群で構成されていますか?


A1 大型倉庫の無人設備は、主に自動化とAI技術を活用して構成され、様々な機器群が協力して効率的に運営されています。代表的な機器やシステムの例を以下に示します:


1. 自動倉庫システム (AS/RS: Automated Storage and Retrieval System)

高層ラック: 物品を垂直に収納するための高層の棚で、自動化されたロボットやクレーンが物品の出し入れを行います。

自動クレーン(スタッカークレーン): 高層ラックの物品を自動でピッキングして移動させるクレーンシステム。上下左右に移動して商品を正確に配置・取り出す役割を果たします。

コンベヤシステム: パレットやボックスなどを移動させるための自動搬送装置。水平移動を主に担当します。


2. AGV (Automated Guided Vehicle)

自動搬送ロボット: 倉庫内で物品やパレットを自律的に運搬するロボット。決められたルートや柔軟なルート設定に従って作業を行い、RFIDタグやQRコードを読み取って正確に目的地へ運搬します。

AMR(Autonomous Mobile Robot): より高い自律性を持ち、リアルタイムでルートを決定するロボット。障害物を避けながら作業が可能です。


3. ピッキングロボット

自動ピッキングマシン: ロボットアームが倉庫内の商品をピックアップし、梱包や配送のために準備する。画像認識やAIを使い、精度高く商品を選別することが可能です。

シャトルシステム: 水平かつ高速でピッキング作業を行うシステム。小型のシャトルロボットがレール上を走り、指定された商品を取りに行きます。


4. 仕分け装置 (Sortation System)

ソーター(Sorter): 自動仕分け機。バーコードやQRコード、RFIDを読み取って、荷物を決められた場所に振り分けるシステムです。

クロスベルトソーター: 荷物をベルトコンベア上で交差させ、指定の出荷口に送る装置。


5. 無人フォークリフト

パレットや重量物を自動で運搬する無人フォークリフト。AIやセンサー技術で人や障害物を避けながら動き、ピッキングや搬送作業を効率化します。


6. ドローン

在庫確認ドローン: 倉庫内の高所や広範囲の在庫を確認するためのドローン。棚の間を飛行し、カメラやRFIDセンサーを使用して在庫の状態や配置を確認します。


7. RFIDシステム

各商品やパレットにRFIDタグが取り付けられており、自動的に商品情報を読み取って在庫管理が行われます。


8. 倉庫管理システム (WMS: Warehouse Management System)

倉庫全体のオペレーションを管理するソフトウェア。入出庫、在庫管理、ピッキング、仕分け、発送のすべてをデータベースで管理し、無人設備と連携して効率的に作業を進めます。


9. AI・機械学習システム

データ分析を通じて需要予測や最適な配置、作業効率の向上を図るシステム。自動設備が最適なルートやタイミングで作業を行うための重要なバックエンド技術です。


10. 自動梱包機・ラベリングシステム

ピッキングされた商品を自動的に梱包し、ラベルを貼り付ける機械。発送準備まで一貫して自動化されています。


11. 環境制御システム

低温倉庫や特殊な環境を維持するための自動温度・湿度調整システム。物流倉庫内の温度管理を行い、商品や食品が最適な環境で保管されるようにします。

これらのシステムや機器は、互いに連携して無人での作業を行い、効率的で安全な倉庫運営を実現します。人が関わる工程は少なく、AIとロボットが主要な作業を担当するため、精度とスピードが大幅に向上します。



Q2 低温倉庫の場合,やや大型貨物が主体になりそうです。そうなると、上記からいくつか省略されそうですか?


A2 低温倉庫では、やや大型貨物が主体になる場合、いくつかのシステムや機器が必要なくなるか、優先度が下がる可能性があります。特に大型貨物では、取り扱いや移動の仕方が異なるため、以下のような機器が省略されるか、カスタマイズされることが予想されます。


省略・低優先度となる可能性がある機器

1. ピッキングロボット

理由: 大型貨物を一つ一つロボットアームで取り扱うのは非効率的なため。小型商品向けのピッキングロボットは、大型倉庫ではあまり使用されないか、特定の小型商品エリアでのみ使われる可能性があります。


2. シャトルシステム

理由: このシステムは通常、軽量で小型の商品の高速ピッキングに向いているため、大型貨物を扱う低温倉庫では必要性が低いです。


3. 自動梱包機・ラベリングシステム

理由: 大型貨物は個別に梱包する必要が少なく、パレット単位での運搬が主体になるため、小型商品の自動梱包・ラベリングシステムの優先度は低いです。


4. クロスベルトソーター

理由: 大型貨物を分別するには不向きであり、より頑丈なコンベヤシステムやフォークリフトで対応する方が効率的です。重量やサイズに応じた仕分けは、ソーターよりも人や大型機械が行うことが一般的です。


省略されない・重要度が高い機器

1. 自動倉庫システム (AS/RS)

大型貨物でも、高層ラックと自動クレーンを使った倉庫管理は引き続き重要です。重い貨物の運搬や保管場所の最適化が求められます。


2. AGV(Automated Guided Vehicle)や無人フォークリフト

大型貨物の運搬には、AGVや無人フォークリフトが重要な役割を果たします。特にパレット単位での移動が主体となるため、強力な運搬機器が必要です。


3. 環境制御システム

低温倉庫では、温度や湿度の制御が極めて重要なため、環境制御システムは引き続き必須です。


4. RFIDシステム

大型貨物であっても、追跡や在庫管理のためのRFIDシステムは必要です。


5. WMS(Warehouse Management System)

倉庫全体の管理を行うWMSは大型貨物でも必要不可欠です。物流全体の効率化とトラッキングを担当します。


6. コンベヤシステム

大型貨物の水平移動には引き続きコンベヤが使われることが多いですが、より頑丈で重い荷物に対応できるタイプが使用されます。


7. 無人フォークリフト

大型貨物をパレット単位で自動的に運ぶフォークリフトは必須です。これにより、大型重量物の自動運搬が効率的に行われます。


8. ドローン

ドローンは低温倉庫内でも、在庫確認や緊急時の監視に使われる可能性がありますが、運搬用にはあまり使われないかもしれません。


特徴的なカスタマイズが考えられる部分

1. AGVやフォークリフトの冷凍仕様

低温倉庫では機器も冷凍環境に耐える必要があり、通常の倉庫向けのものに比べて特別な耐久性や機能を持つ機器が必要です。


2. 環境制御システムの強化

特に温度管理が重要な低温倉庫では、温度や湿度の厳密な管理が必要で、これらのシステムが強化される可能性があります。


 全体的に、低温倉庫では「重量物対応の運搬機器」や「環境制御」、「在庫管理システム」の重要性が高く、軽量・小型商品を扱う通常の倉庫とは異なる機器が優先されることになります。



Q3 移動機同士が交錯したり、渋滞になったりしそうです


A3 低温倉庫での移動機同士の交錯や渋滞は、特にAGV(無人搬送車)や無人フォークリフトなどの自動運搬機器が増えるほど問題になりやすいです。大型貨物を扱う場合、移動機器の速度や精度が重要になり、交錯や渋滞が発生すると全体の効率に大きな影響を与えます。こういった問題を解決するには、以下のような対策が考えられます。


対策と技術的な工夫

1. ルート最適化システム(RTLS: Real-Time Location System)

AGVや無人フォークリフトが動くルートをリアルタイムで最適化するシステムを導入することで、機器同士の交錯を防ぎます。位置情報や動線データを常に更新し、混雑を予測して事前にルート変更や一時停止を指示することができます。

 また、各車両やフォークリフトが倉庫内の状況に応じてスピードを調整することができ、他の車両が近づいてきた場合に自動でブレーキや経路変更を行う機能を持たせることができます。


2. ゾーン管理

 倉庫内を複数のゾーンに分割し、同時に使用する機器の数を制限する方法です。各ゾーンに移動機を制限することで、同じエリアに複数の移動機が集中して渋滞するリスクを軽減します。

 ゾーン間の移動も、一定のタイミングでのみ許可するなど、順次進めることで機器が混在する状況を避けることができます。


3. 車両間の通信(V2V: Vehicle to Vehicle Communication)

 AGVやフォークリフト同士が無線で通信し合い、位置や目的地を共有することで、衝突のリスクを軽減します。自動的にお互いの進路を調整することが可能です。これは、ドローンの運行にも応用でき、ドローンと地上機器の通信による安全性の確保にも寄与します。

 また、V2Vによるスピード調整や停止タイミングの調整が行われ、渋滞を最小限に抑えられます。


4. 渋滞予測と緊急時回避システム

 WMS(倉庫管理システム)にAIを組み込むことで、倉庫内の交通状況をモニタリングし、交錯や渋滞を予測します。もし渋滞が発生する可能性がある場合、即座に別のルートや待機指示を自動的に与え、渋滞が発生しないように調整します。

 また、緊急時には全車両を停止させ、安全に再稼働するプロセスを設けることも考えられます。


5. レーン制御

 倉庫内に「専用レーン」を設けることで、特定の移動機が決められたルートしか走行しないように制御します。特に大型の貨物を扱う無人フォークリフトやAGVは、レーンを専用化することで他の機器との交錯を避け、効率的に運搬が行えるようになります。


6. 信号システムの導入

 倉庫内に信号システムを設置し、特定エリアへの進入を許可するタイミングを制御する方法です。自動搬送機器は、信号を見ながら進むため、衝突のリスクや渋滞を防ぐことができます。

 信号システムとRTLSが連携することで、進入可能なエリアやタイミングをより正確に制御できます。


7. 定期的なメンテナンスと故障時対応

 機器の定期的なメンテナンスを行い、故障による停止を未然に防ぐことが重要です。もし故障が発生した場合、迅速に予備機器が対応し、障害物として他の機器の邪魔をしないようにする仕組みを整える必要があります。


課題と現実的な対応

1. 温度による影響: 低温倉庫では、極寒の環境下で機器の性能が低下する可能性があるため、通常よりも遅い速度で運行せざるを得ないことがあります。この場合、動線が長くなるため渋滞のリスクが高まりますが、あらかじめ適切な速度制限や予備ルートを設定しておくことで対応できます。


2. 大型貨物の扱い: 大型貨物を扱うため、機器の操作や移動には通常よりも広いスペースが必要です。そのため、倉庫の設計段階から、通路幅や機器の運行ルートを十分に考慮することが必要です。


 これらの対策によって、低温倉庫内での移動機の交錯や渋滞を最小限に抑え、効率的に作業を進めることが可能となります。

お読みいただきありがとうございます。


 明日から四章後半です。第一部全体のクライマックスとなります。

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