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第五十話 予備が作れるようになった

【 重 大 告 知 】

皆さんお待たせいたしました!

書籍版「無職の最強賢者」、今月28日に発売されます!


レーベルはMノベルス様、イラストレーターは風花風花様です。

挿絵(By みてみん)


表紙から既にテンション上がってきますね。

是非皆さん、奮ってご購入ください……!


「魔石再結晶化」


 アルムコアの削りカスを一か所に集めてからそう唱えると、削りカスは一旦液状化した。

 そして空中に球体として浮かび上がり……その形のまま、完全に固形物と化した。


「……そうそう、こんな感じでした! でも私、こんなスキル見たこともないのに、何で夢で出てきたんでしょう……」


 再結晶化するアルムコアの削りカスを見て、ジーナは不思議そうに呟く。


 これはますます期待できるな。

「魔石再結晶化」の再結晶工程を見たことがないのに、今の現象と全く同じ夢を見たのであれば、それだけ夢が意味を持っている可能性が高くなる。


「じゃあ、記憶が新しいうちに刻んでもらえますか?」


「もちろんです!」


 結晶をわたすと、ジーナはいつも通り手際よく魔法陣を刻みはじめた。

 五分くらい待つと刻印も完了し、ジーナは完成した魔道具を俺に手渡した。


「できました!」


「ええっとじゃあ……スキルコード1234 『鑑定』取得」


 魔法陣を見たところ、確かにそれはNSOでは一度も見かけたことのなかったものだったので、俺は「鑑定」というスキルを取得して正体を調べることにした。

 NSOのシステムは知り尽くしているがゆえに、「鑑定」は一周回って取得することのないスキルだと思っていたが……まさかこんな用途ができるとはな。


 スキルを発動すると、ステータスウィンドウと同じような半透明の画面が現れ……このような説明文が出現した。


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 ●?双?晶(?ランク)


 ???「?士?双」を取得している??ビ?がこのアイテムを装着すると、予備の?双??ジを得ることができる。

 予備の?双??ジの容量は本人のステータスによらずフル一回分となるので、満タンにしておけばいつでも二連続で「?士?双」を発動できるようになる。


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 鑑定ウィンドウはところどころ文字化けしていて、全文を読むことはできなかった。

 しかし一部読み取れる部分からでも、俺はこの魔道具の効果をほぼ正確に推測することができた。


 おそらくこれは……予備の無双ゲージとなってくれる魔道具だな。

 それも、容量はちょうど俺の無双ゲージの満タン一回分。


 これは推測というより、ほぼ確信だ。

 というのも、鑑定ウィンドウが一部のみ文字化けするケースは、実はたった一つしかない。

 それは、「鑑定スキルの+値不足で本来なら表示不可能だが、そのアイテムが自分のジョブ/スキルに由来するものである」という場合だ。

 自分のジョブやスキルに全く関係ない魔道具だった場合は、+値充分により普通に表示されるか+値不足により「鑑定不能」と出るかの二択なのだ。

 逆に言えば、文字化けしつつ一部表示となっているということは、この魔道具がノービスや国士無双に関係しているという証拠になるのである。


 これはかなり……というか絶大なレベルでお得だぞ。

 無双ゲージが二回分になるということは、貯めてさえおけば倍の弾数ラムダガンを撃てるということになるんだしな。

 それにたとえば以前の「永久不滅の高収入」戦で敵の一人が使ってきた「コンウェイタックル」のような、明らかに無双ゲージがオーバーフローするような連続攻撃を受けた場合でも、上限を超えた分のダメージが無駄にならないというメリットもある。


「素晴らしい夢を見てくれましたね」


「素晴らしい……夢?」


「はい。これ、戦略の幅が今までと段違いに広がる便利な魔道具でしたよ」


「あ……あの夢の魔法陣、そこまでのものだったんですか!?」


 この効果には、何より夢でみたジーナ自身が一番驚いているようだ。


 これは早速試してみたいものだな。

 ラムダガンの方は周囲への影響を考慮するとおいそれと試用はできないが、こっちなら十分実験できる。


 想定通りの魔道具なら、洞窟調査の方も、(いるかは分からないが)強敵に遭遇した時も「国士無双」一回分は討伐できるか試すのに集中できる。

 退避が必要なら予備の方でやればいいってことになるからな。

 そういった意味でも、調査も想定以上に捗りそうだな。


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