防御特化と仲間入り?
キリがいいため短めで。
えげつないミスがあったため修正。
「さっさと終わらせるか…!」
クロムが大盾を構えつつ前進する。
クロムはそれに反応して振り下ろされる剣を大盾で受け止めず回避する。
直後、斧の攻撃を今度は大盾で受け止めるが、衝撃で弾き飛ばされる。
「くっ……!」
クロムは大盾を確認する。
メイプルやサリーとは違って使い過ぎればクロムの大盾は壊れてしまう。
現状はまだ問題なかったが、あの重い攻撃を受け続ければ壊れてしまう可能性はあった。
クロムは一度攻撃の届かない場所まで戻った。
「【精霊砲】!」
シロップの位置までは攻撃が届かないため、クロムはシロップのレーザーでボスを攻撃する。
しかし、シロップのレーザーは剣と斧を交差させての防御に全て弾かれてしまった。
「接近するしかないか……!」
遠距離攻撃で倒せないことが判明したため、クロムは再度接近する。
「【大自然】!」
シロップが伸ばした蔓を防ぐために斧と剣を交差させたボスは、シロップの蔓は全て防いだものの、その下を駆け抜けるクロムを止めることは出来なかった。
クロムがボスに肉薄する。
「【炎斬】!」
クロムがボスを斬り裂く、ボスが長剣で斬り返してくる。
しかし、クロムには大盾がある。
ボスの攻撃はクロムまで届かない。
シロップの【大自然】が切れた瞬間に漆黒の骸骨が剣と斧で攻撃してくるため、攻撃の手を緩める訳にはいかない。
「【刺突】!」
ボスの鎧を短刀が貫き、ボスのHPが残り二割になった。
その瞬間。
漆黒の刺がボスから放射状に伸びた。
クロムは反射的に大盾でその身を守ったが、続く長剣の攻撃も合わさって大盾が音を立てて砕けた。
「イズに怒られるだろうが!」
刺はその一度きりで消えていった、クロムが少しでもダメージをと斬りつける。
そこでシロップの【大自然】が切れてしまった。
大盾のないクロムに剣と斧の攻撃両方を防ぐことは出来ない。
剣の攻撃のみを受けるように移動しつつボスに斬りかかる。
ボスの長剣とクロムの短刀が互いにHPを削り合った。
次の瞬間背中に強い衝撃を感じ、クロムのHPバー、さらには鎧までも吹き飛ぶ。
だが、クロムは倒れない。
【不屈の守護者】がそのHPをたった1だけ残していた。
「【炎斬】!」
限界の状態でクロムが短刀を振るう。
それでも、ボスのHPバーはまだ残り一割残っている。
二度目の斧と剣の攻撃がクロムに襲い掛かる。
【バトルヒーリング】でもHP回復は全く間に合わない。
「【精霊の光】!」
クロムが選んだメダルスキル。
奥の手中の奥の手。
十秒間、全てのダメージを無効化する聖なる光がクロムに降り注ぐ。
「死なねぇぜ?まだな!」
防御を投げ捨てて全力で斬りかかる、ボスも同様にして斬りかかるが、クロムの残り僅かのHPを削りきることが出来なかった。
クロムの短刀がボスの顔面を斜めに斬り裂く。
直後、ボスの目の青い光は消えていってしまった。
ボスは漆黒の骸骨と共に、光となって消えていってしまった。
「はぁ……きっつ……やっぱ大盾は防御専門だな」
座り込んだクロムの前に魔法陣と大きな棺桶が現れる。
クロムは咄嗟に飛び退いてシロップを呼び寄せる。
「モンスターだった場合はカバーを頼むとして……ポーション飲んでおくか」
クロムはHPを回復させると棺桶の蓋をゆっくりと開けた。
中には赤黒い血のような色の装備に身を包んだ骸骨が入っていた。
起き上がってくる様子はない。
「は?こ、これが報酬か?」
クロムは恐る恐る装備に手を触れるとインベントリにしまい込んだ。
「ユニーク…シリーズ?これは…」
『血塗れ髑髏』
【魂喰らい】
【破壊不能】
【VIT+25】
『血染めの白鎧』
【デッド・オア・アライブ】
【破壊不能】
【VIT+25】【HP+100】
『首落とし』
【命喰らい】
【破壊不能】
【STR+30】
『怨霊の壁』
【吸魂】
【破壊不能】
【VIT+20】【HP+100】
「強い……呪われそうな名前と見た目を除けば完璧だ……あと、短刀?これ刀というか鉈なんだが」
クロムはそう言いながら装備一式を身につける。
顔の下半分を覆う血塗れの骸骨の口。
元々は純白だったらしい鎧。
その名の通り首を落とせそうな大きめで血塗れの鉈。
骸骨が彫られた大盾。
「スキルを確認して…帰るか」
【魂喰らい】
モンスター、プレイヤーを倒した際にHPが最大HPの一割回復する。
【デッド・オア・アライブ】
HPが0になる際、50%の確率でHP1で生き残る。
【命喰らい】
ダメージを与えた際、与えたダメージの三分の一のHPを回復する。
【吸魂】
攻撃によるダメージを受けた際にHPを3%回復する。
クロムはスキルの確認を終えると、シロップを指輪に戻して魔法陣に乗り、ダンジョンを後にした。