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防御特化とクエスト。

キリをよくするため今回は短くなってます。

素材集めの翌日。

メイプルは第二の町を一人で歩き回っていた。

他のメンバーとは時間帯が合わなかったため今日は単独行動である。


メイプルは第二回イベントで機会を逃して、まだ第二の町をまともに探索していないため一人でいるうちにある程度探索してしまおうと思ったのだ。


「無理に付き合わせるのも悪いしね」

それに、メイプルもたまには一人でのんびり探索しようと思ったのだ。

第一目標はサリー用の装備探しである。

続いて、自身の強化が可能なスキルや装備探しだ。

メイプルはまだ頭装備がないので狙う装備は頭装備だ。


メイプルは見つけたNPCに次々と話しかけていく。

ただ、メイプルのステータスでは発生しないイベントもある。

VIT以外の数値が条件になる場合だ。

一例としてサリーの【超加速】などがある。

その場合、鍵となるNPCに話しかけたところでイベントには繋がらない。


「端っこの方いってみようかな」

中央から外れると人通りが少なくなる。

見かける家もだいたいは【ギルドホーム】なので入ることが出来ない。

路地裏を歩き回っているといくつか入れる家を見つけることが出来たが空き家ばかりだった。




「お!ここも入れる」

メイプルがガチャリと扉を開ける。

部屋は一つだけで、ボロボロのベッドに寝かされた少女が母親だろう女性に看病されているところだった。


「あら?お客さん?ごめんなさいね」


「あっ、いえ」


「大丈夫?…ごめんね、辛いわよね」

メイプルはここに居づらくて仕方なかったのでこそこそと出て行こうとしたのだが、ちょうど女性が看病を終えてメイプルの方を向いた。


「あの…貴方は、騎士様ですか?」


「え?うーん、ど、どうだろう?」

メイプルの装備は魔法使いや剣士というよりは騎士といった方がいいかもしれない。


「騎士様!お願いです!娘を助けてやって下さい!何もお返し出来ませんが…お願いします、どうか…どうか」

メイプルの目の前に青色のプレートが浮き出てくる。


クエスト【博愛の騎士】


この表示の下にはYes、Noの二つの表示があった。

メイプルはYesを押す。

メイプルには助けてやってくれと言われてNoを押すことは出来なかった。

報酬がなくても構わなかった。


「あ、ありがとうございます!娘の薬が必要で…私一人ではいけそうになくて…私が案内しますので、連れていって下さい」


「……分かった!守ってみせるよ!」

女性がメイプルの近くまで来る。

女性の頭上にはHPバーが浮かんでいる。適当に扱えば取り返しのつかないことになるだろう。


ここで青いモニターが現れクエストの詳しい説明が出てくる。

メイプルはそのうちの達成条件を見落としのないようにきっちりと読む。



達成条件は女性を生き残らせたまま目的地にたどり着くこと。

時間制限はなかった。


「取り敢えず、町の外に出ればいいのかな?」

メイプルが町の外に出ると女性が話し始めた。


「【生命の樹】に向かいます。ここから東に真っ直ぐ行って下さい」


「分かった」

メイプルはシロップを呼び出すといつものように背に乗った。

女性はメイプルを中心とした半径二メートルの円の内部に立つように設定されていたので、メイプルがシロップの背中に乗るとシロップの足を足場にしてジャンプして上って追いついてきた。


「本当は強かったりしない?私よりは力ある…よね?」


「目指すは東です」


「あ、はい…【念力サイコキネシス】!」

いつも通りシロップを浮かせると東に向かってふわふわと飛んでいった。













サリーの時のクエストの描写もこちらに合わせておきます。

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