叛逆のマリア

作者:南海 遊
 九歳の頃、少女は業火に燃える国から逃げ出した。それから七年後、亡命先で修道女として生きる少女のもとに、亡国からの使者が訪れる。それは魔法の如き技を使う、黒衣の魔女だった。
「剣と銃を取りたまえ、シスター。祖国を救うべき時が来たのだ」
 正暦一八七三年、初夏。魔女に『王殺しの魔剣』を授けられ、亡国の公女は立ち上がる。父と母、そして妹を虐殺した兄に、復讐を果たす為に―――。革命と大戦の予感が漂う、十九世紀に『何故か』似た世界の、叛逆の物語。
〈二〉ビリー・ザ・キッド
2017/08/15 17:14