雑用係を追放したSランクアークメイジ、今更帰ってこいともいえないので全力で空回りする

作者:石化

「リヒト、お前をクビにする。」
Sランクパーティの一員だった雑用係のリヒトは、リーダーであるアークメイジのガルドスから突然追い出されてしまう。しかし彼の秘められた力が覚醒して⋯⋯ して⋯⋯ ?

覚醒したかどうかは定かではないが、雑用係として超有能だったリヒトの穴は、とても大きいものだった。
自分で蒔いた種をなんとかするべく、ガルドスは、雑用係の仕事を完璧にこなすと誓う。
だが、当然うまくいくはずもなく⋯⋯ 。

「要は出来ていればいいのだろう。」

それでも彼は諦めず、類稀なる魔法を駆使して、全ての雑用をこなしていく。
雨を呼んで、その豪雨で洗濯物を洗い、地獄の業火で調理して、焼き過ぎて焦がして再生魔法でちょうど良い味に仕上げる。
どう考えてもずれていて、それでもいつの間にか辻褄が合う。
そんな雑用と言うには大きすぎる規模の魔法を雑用と言い張りながら今日もガルドスは頑張るのだった。

これはいずれ最強の雑用係と呼ばれることになる、規格外のアークメイジの物語である。
1.雑用係の追放
2020/10/12 18:37
2.料理
2020/10/20 19:00