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94話 新機能<大地獄ルーレット>


〜ナステックside〜




「おぃ貴様等、サボるんじゃねぇ! 何のためのゴーレムだよ。存在させてやってるんだから、キリキリ働け!!」


「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」



 「砂漠のド真ん中で待たせんじゃねぇ!」と、ハイドン様から”怒りの往復ビンタ”をいただいた後、”自動販売機”なるものの隣に拠点を作り始める。


 魔王になってから先輩方に殴られすぎて、顔の形が変わった気もするが……<恵のダンジョン>を奪い独立すれば、万能薬を買えるから問題ない!



 メグミ・ロミオット・ホムビッツ……コイツ等を喰ったら、先輩方の干渉をはね除けるだけの”チカラ”を持てるからな。


 私は、「ムカつく元上司」「鼻につく元同級生」「抹消したい汚物」を糧にして、再び自由を取り戻すのだ!



 そして独立した暁には、同盟を断り私をコケにしたサーシャ・バークレーを、ダンジョン内の檻に閉じ込め気のすむまで犯してやる!


 かつての私と同じように、「命と連動しているダンジョンコア」を壊される恐怖に怯えながら、全ての尊厳を踏みにじられる屈辱……存分に味わうがいい!






「いいか、ナステック。これが1階層突破の鍵となるヒュージヒールスライムだ。こいつらに地獄を押し付け、戦闘員は<幸運のネックレス>で前へ進め」


「かしこまりました」


 先輩方も、本気で<恵のダンジョン>を潰したいらしく……ハイドン様自ら現場へと足を運び、私に「1階層を抜ける作戦」を伝授してくださった。



 Bランクモンスターであるヒュージヒールスライムなら、殴られた程度じゃ死なないし、HPが減っても自身の<回復魔法>で勝手に治す。


 それに知能の足りないスライムだから、<ウ◯コ砲>を引き糞尿をぶつけられても、飯と思って食うのだ!



「くくっ。流石というか……フロアの欠点をピンポイントで突いてくるあたり、10期から残っている古株だけある」


 ダンジョンコアを狙うライバルであり、「いずれ倒すべき敵」だと思うと油断できないが、今はまだハイドン様の助けが必要。



 私は「能ある古龍」のように隠れて爪を研ぎ、敵が油断し勝算のあるタイミングで牙をむく!


 それまでは……従順なルーキーとして先輩方のご指示に従い、ロミオットとホムビッツよりも重宝されるぞ!






 拠点を建て終えた私は、ハイドン様に指示されたやり方で、<天国と地獄フロア>へ”躾けられたスライム”を放り込んだ。


 「ダンジョンの入り口」にパネルを置き、(読む気の起きない)長文でルールを書いているあたりが、卑怯者のメグミらしく……つい笑ってしまったよ。



「よしっ、そろそろスライムはいいだろう。次……ミスリルゴーレム・オートマタ行ってこい!」


「「「「「ワカリマシタ」」」」」「かしこまりました」



 <地獄>係のヒュージヒールスライムで、フロア全体をうめ尽くしたら……次に”本命の6体”を投入する。


 コイツ等には<幸運のネックレス>を装着させているから、ルーレットでハズレを引く可能性は低いし……


 万一ヤバイものに当たっても、強化してあるので耐えられるはずだ。



「本番の突撃ではもっと連れて行くけど、今回は様子見だから護衛役の6体だけ。そして……敵を知ることは戦いの基本だ。私もリスクを取ろう」


 非常に貴重なアイテムである<豪運のネックレス>と、<ウ◯コ砲>対策用のゴーグルを身につけ、私本人も<天国と地獄フロア>へ入る。



「もし予想外の出来事があっても、300万ロル払えばリタイアできるからな。侵入者を殺して奪うのではなく、ルールに基づき金を取るなんて……」


 本当にメグミは無能だし、なぜこのダンジョンが繁盛しているのか分からないよ。







<−−− “天国:次の試練へ進む権利”を獲得しました。他の参加者がミッションを達成次第、第5の試練へ進んでください −−−>


「フンッ、この程度か。4連続で”前進”じゃあ肩慣らしにもならねぇな。”豪運”って言っても、たまには罰金とか来ないのかねぇ〜?」



 先輩から与えられた準備期間で、私は出所を突き止められぬような遠くの村を10カ所襲い、攻略用の現金と兵糧を手に入れた。


 メグミの方が「多くのポイント」を持っているから、事情を知らない人が見れば、私のダンジョン攻略は無謀に思えるかもしれない。



 しかし、今の資産額は私の方が多いのだ!


 なにせ……攻撃用のモンスターを買い揃えてなお、現金「7億ロル」も残っているからな!



「定期的に真偽のアイテムで確認されるせいで、命じられた用途以外の使い方はできないが、”金欠で撤退”などという事態にはならない」


 そして私は、砂漠と相性がいい<ゴーレムマスター>。



 土属性で「高温の乾燥地帯」にも耐えられ、我慢させれば食料消費だって抑えられる、ゴーレムとオートマタを統べる私なら……


 ロミオット達と一緒に攻める時も最後まで生き残り、元気な状態でコアルームへたどり着けるはずだ。



<−−− これから、第5の試練を決めるルーレットを…… −−−>


 ふんっ、今回もどうせ”当たり”だろう?


 やはりメグミらしい浅慮な……



<−−− 訂正します。不定期開催の”大地獄ルーレット”が始まります、チャレンジャーは1名。今回選ばれるのは……”脇の下が一番クサイ者”です! −−−>


「はぁっ!?」

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

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作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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