8話 自販機作製ギフト<E>
食べ物が出せるかも気になるけど、まずはいつも通り「飲み物」の自販機
を出してみる。
ランクが上がっても変わらないのか、それとも徐々にグレードアップしていくのか……
〜お茶〜
緑茶:150ポイント
麦茶:150ポイント
ストレートティー:150ポイント
レモンティー:150ポイント
ミルクティー:150ポイント
〜ジュース〜
アップル:150ポイント
オレンジ:150ポイント
緑の野菜:150ポイント
赤の野菜:150ポイント
〜炭酸飲料〜
レモン:150ポイント
ぶどう:150ポイント
オレンジ:150ポイント
〜その他〜
ブラックコーヒー:150ポイント
青汁:250ポイント
汲みたて天然水:100ポイント
「うわぁ、ドリンクの種類が増えている! 1,2,3……7……11……14,15。全部で15種類!」
どれも美味しそうだけど、”紅茶”と”野菜ジュース”が増えたことが特に嬉しい。
ランクFで買えたお茶は微妙に苦く、色も珍しいものだったので、幼少期から飲んでいる普通の紅茶が恋しかったのだ。
<ストレートティー><レモンティー><ミルクティー>と、種類も揃っているから、これからは気分に合わせて紅茶を飲めるようになる。
「おっ! 野菜ジュースも<赤>と<緑>があるな。ジュース形態とはいえ、毎日野菜を摂取できるようになったのはありがたい!」
“青汁”っていうのも野菜だと思うけど……250ポイントと、他の飲み物に比べてちょっとお高め。
色も濃くて中身が詰まってそうだし、どんな味がするのか楽しみだ!
「野菜ジュースは毎日1本。青汁はお高いから……ポイントに余裕ができたら試飲してみよう」
お茶と黒パンだけの食事じゃ、栄養バランスが偏っていて身体に悪いからね。
「あれ? このペットボトルだけ、交換に必要なポイントが低い。”汲みたて天然水”って書いてあるから……要するに、普通の水ってこと?」
500mLのペットボトルで100ポイントだから、ダンジョンの交換レートより98%お得……本当に、このギフトを選んでよかったな。
「飲み物」の自販機は調べ終えたので、次は「食べ物」の自販機がないか、ステータス画面の説明欄を確認する。
「なになに……。パンの自販機を作製するときは、魔法を使う要領で片手を前に出し、”パン・クリエイト”と唱えなさい……?」
創り出せる自販機の種類が増えていたので、書いてあるとおりに呪文を唱えると、目の前に白色の自販機が現れた。
「えっ? この自販機、こんな値段でパンを売っているの!? 黒パンよりずっと美味しそうだし、200ポイント以上安いじゃん!」
「パン」の自販機に入っていたのは、金持ちしか食べられないクロワッサンと、変わった形の4種類のパン。
食べてみないと味は分からないけど……今までより、食生活とお財布事情が改善するのは確実だ。
クロワッサン:100ポイント
メロンパン:100ポイント
クリームパン:150ポイント
チョコパン:150ポイント
ミルクパン:100ポイント
さっそく5種類のパンを1つずつ買い、試食してみる。
「フワフワ! 甘い! これ最高!!」
クロワッサンは勿論のこと、他の4種類も……今まで食べた中で、一番美味しいパンだったよ。
「「「「「「「「「「キッ、キィ〜」」」」」」」」」」
「ん? 君達もこのパンを食べたいのかい?」
僕が美味しそうに食べていたからか……獲物を捕えて戻ってきたイッシャクムカデも、クリームパンに興味を持った様子。
「ふふっ。あまり贅沢はできないから、皆で1個を分けてね。喧嘩しちゃダメだよ」
いつも頑張ってくれているお礼に、クリームパンを1つ買ってお裾分けしたところ、仲良く10等分して食べ始めた。
ムシャムシャとパンを食べる、イッシャクムカデを眺めながら、ランクアップの恩恵について考える。
「次回以降も今回と同じなら、パンの選択肢が増えたり、新たな自販機を作れるようになるはず。ドリンク・主食ってきたから、次は”おかず”の自販機かな?」
どういう進化を遂げるかは、Dランクになるまで分からないけど……
人間界で”ギフト”と言えば、「持っているだけで就職に困らない」と崇められる力だし、改悪されることはないだろう。
「ギフト獲得時の狙いだった”水と食料の確保”は、これで達成できたから……この先は、じっくりと進めていく。焦らずコツコツ頑張るぞ!」
収益アップのために、HPのポイント交換と、飼育するアリの数を増やす作業は継続。
得られたポイントで迷宮を魔改造して、コアルームの安全性を高めよう!
「ギフトのランクは、”迷宮拡張のついでに上がればラッキー”くらいに思っておくべきだな」
今の状況は、充分すぎるくらいに恵まれている。
上手くいっているとき調子に乗ると、ロクなことにならないから……「ランクアップして当然!」みたいな考えは、持たないようにしなきゃね。
読んでくださり、ありがとうございます!
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作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)