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76話 <恵のダンジョン>30階層突破!




 <恵のダンジョン>に合流したサーシャが、温めた紅茶を可愛いカップへそそぎ、ジャムパンと一緒に出してくれたので……


 それとシーフードラーメンを食べつつ、コンダック准将率いるヴィッチネント王国軍の様子を観察。



「ふむ。先頭集団は現在<7の試練中>だから、今夜には2階層へたどり着く奴が出るかも。そのとき、充分な装備が残っているかは疑問だけど」


 汚らわしい映像を見ると食欲がなくなるので、粗めのモザイクをかけているから、詳しいことは分からないが、「おおかた予想どおり」といったところ。



 <天国と地獄フロア>では、小さな穴を開け空気抵抗を少なくした金属板で、ミスリルゴーレムに汚尻をシバかれたり……


 <ウ◯コマン>になった運の悪い兵士たちが泣き叫んでおり、本能のまま水を求めるから、自動販売機の”稼ぎ”が止まらない状態だ。



 あまりの辛さにリタイアした兵士が、准将から「懲罰だ!」と無一文で再度放り込まれ、尻払いで参加してたりもするから……


 全員が全員、お金を落としてくれるわけじゃないけどね。



「今のところ突撃部隊の兵士は従順だが、ジワジワと准将へのヘイトが溜まっている。いつ爆発することやら」


 ルーレットの確率を操作したりはしないけど……与えられた環境を当然だと思って部下をこき使う、上流階級の奴らが地獄を見るのは面白い。


 品のない話だが、「"ハンサム君の時"みたいな”飯ウマ”な展開にならないかなぁ〜」と、今から楽しみだ。






「あっ! メグミ君、シルクスパイダーの布が届いたよ! 品質も問題なさそう」


「本当だ。”お駄賃”払わないとね」



 討伐隊の奴らが地上を占拠する間、22階層でかくまっているオアシスフロアの住民を、放置すると金欠で詰むので……


 彼らには「外へ出られない間のシノギ」として、シルクスパイダーの布を織る、期間限定バイトをしてもらっている。



 シルクスパイダーの糸は、僕らの貴重な収入源なんだけど……


 糸のままより布にした方が交換レートが高く、同じ量でも多くのポイントを得られるのだ。


 でも……布を織るためにゴーレムの個体数を増やすと、それはそれで維持費がかさんでしまうから、”加工待ちの糸”が余っていたんだよね。



 普段は「持ち逃げされるリスク」があるため、気軽に頼めないけど……今はダンジョン深部に閉じ込められている状態で、盗みたくても盗めない!


 そのため「ご飯代+α」くらいの給料を出せば、(裏切られるリスクなしで)働いてもらえるよ。



「地獄フロアの自販機収入と合わせると、今日の稼ぎは170万ポイント分!」


 他の軍が合流したら、このダンジョンの本格的な攻略も始まるし……今のうちに貯まったお金を使い、もっと階層を増やしておこう。






〜ダンジョン改装前〜


0階層:地上部。オアシスフロア(現在入れ替え中)

1階層:天国と地獄フロア(通行料徴収)

2階層:砂漠フロア

3階層:クイズ付き立体迷路

4階層:灼熱の岩石フロア

5〜6階層:クイズ付き立体迷路(分断仕様)

7階層:毒ガス砂漠(イッシャクムカデ担当)

8階層:毒ガス迷路(スライム担当)

9階層:汚物フロア

10階層:中ボス部屋(オイルスライム担当)

11階層:鉄板焼きフロア

12〜13階層:クイズ付き立体迷路(分断仕様)

14階層:宝探しフロア(オイルスライム・アースバード担当)

15階層:夜の砂漠フロア

16階層:サボテンフロア

17階層:リズムフロア

18階層:ゴミ箱フロア

19階層:凹凸フロア

20階層:中ボス部屋(ナイトメアバード・アントリオン担当)

21階層:天国と地獄フロア(通行料徴収)

22階層:砂漠フロア(オアシスフロアとの入れ替え用。現在入れ替え中)

23階層:モンスター部屋フロア(避難用)

24階層:天国と地獄フロア(通行料徴収)

25階層:徴収フロア(細々と通行料を徴収する)

26階層:オバケフロア

27階層:浮石フロア(サーシャの”浮雲フロア”を真似た)

28階層:学識迷路フロア(学力テスト)

29階層:ボス部屋(ミスリルゴーレム担当)・飼育場・居住空間




〜フロア追加後〜


29階層:騒音フロア

30階層:中ボス部屋(ミスリルゴーレム担当)

31階層:油鍋フロア(エンペラースライム担当)

32階層:モンスター部屋しかないフロア

33階層:灼熱の綱渡りフロア(ジャイアントスコーピオン・ワイバーン担当)

34階層:流れる汚物フロア

35階層:ボス部屋(アースドラゴン担当)

36階層:アリ&シルクスパイダーの飼育場・機織り場・居住空間






 収入に余裕が出てきた事もあり、30階層以降には、Bランク以上の強いモンスターを組み込んだ。


「維持コストは高くなっちゃうけど、予想外の攻撃や汚物対策で上層階を抜けられたとき、ソイツ等を止めるための猛者を置きたいと思ってさ」



 最終フロアのボスだった「魔法を使えるミスリルゴーレム」を、中ボス扱いとし……Sランクの<アースドラゴン>を新たなラスボスへ。


 これまでの"小狡さ"は維持しつつ、「まっ正面から戦えるチカラ」も兼ね備えたよ。



「私も賛成! 多様化した方が攻められにくいし、魔王は一度負けたら終わりだもん! メグミ君の考えは、間違ってないと思う」


「サーシャありがとう。じゃあ次は……30階層追加時にランクアップした、<自販機作製ギフト>を検証するね」

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

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作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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